おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

「江戸の夢びらき」「桃源」「閉店時間」

2023-01-16 23:08:02 | 読んだもの
 今回はエンタメ系の読んだ本です。

 「江戸の夢びらき」
 
 【内容紹介】
寛文7年(1667)、浪人の娘・恵以はひとりの少年と出会う。子どもながらに柄の悪い侠客たちに囲まれ、芝居に出れば大暴れして舞台を滅茶苦茶にする破天荒さに呆れながらも、恵以は自然と人の注目を集める彼の素質に気づく。少年の名は海老蔵。長じて市川團十郎を名乗り、〈荒事〉の追求の果てに江戸の民衆から信仰にも近い人気を集め、劇作家としても今なお愛される名演目や斬新な演出を次々と生み出した不世出の天才。彼が命をかけた〈荒事〉とは何だったのか、そして、なぜ舞台上で命を落とすこととなったのか。謎多き初代市川團十郎の波乱万丈の生涯を、元禄の狂乱と江戸歌舞伎の胎動とともに描く空前の一代記がここに誕生!

 エビサンの襲名に合わせたかのように11月10日に文庫が発売されました。松井今朝子さんの本なので、面白くないわけはなく、非常にサクサクと読み進むことができました。「鳴神」とか「暫」も出てきて、最初はこんなふうに演じていたのかとほーっと思いました。初代は上方にもご出演で、そこで初代坂田藤十郎とも会ってます。藤十郎さんというと福々しいニコニコ顔の藤十郎さんがパッと浮かんでしまって、どうも作中の描かれ方とは違うんだけど、って思いながら読んでました。二代目は初代が偉大すぎて、なかなか思うような結果が出ず、吉原に入りびたりで、その結果「助六」ができたようで、意休のモデルになる人もいらっしゃったようです。と書きつつ、どこまでが事実でどこまでがフィクションかはわからないのですが。でも、事実だけを書くっていうのも、以前、成田屋さんのことを書いた新書を読もうとしましたが、ちょっとしんどくなって、途中で読むのを止めてしまいました。なかなか塩梅が難しいですね。

 「桃源」
 
 【内容紹介】
「な、勤ちゃん、刑事稼業は上司より相棒や」大阪府警泉尾署刑事課捜査二係の新垣遼太郎×上坂勤が、南西諸島を舞台とするトレジャーハント事件に挑む!新たな正統派警察捜査小説シリーズ、ここに誕生。
大阪府警泉尾署の刑事、新垣と上坂。仲間の金六百万円を持ち逃げした比嘉を追って沖縄に飛んだ二人が辿り着いたのは、近海に沈む中国船から美術品を引き上げるという大掛かりなトレジャーハントへの出資ビジネスだった───。遺骨収集、景徳鎮、クルーザーチャーター。様々な情報と思惑が錯綜するなか、真実はどこに向かうのか。新結成の凸凹コンビが事件の謎に迫る。新シリーズ開幕!

 黒川博行さんの本です。推理小説って同じ作家さんのを大量に読むと、何となくみんな同じに見えて飽きてくるのですが、黒川さんのはつい手に取ってしまいます。かなり分厚い本ですが、一気に読めました。やっぱり面白いです。黒川さんの本は社会問題的な知識も得ることができるのでお勉強になります。今回も沈船ビジネスなるものを初めて知りました。世の中にはいろいろな商売があるものだと思います。最初はごちゃごちゃして、人もいっぱい出てくるし、「どうなるのか?」と思いましたが、最後はきっちりと解決しました。そういうのも快感になるんでしょうね。それと、大阪弁、大阪が舞台っていうのもポイント高いです。

 「閉店時間」
 
 【内容紹介】
花形企業の東京デパートに働く紀美子、節子、サユリ。同じ高校の同級生仲良し3人だが、配属された呉服売場、食料品売り場、エレベーター係という職場の違いも影響し、三者三様の仕事と恋の悩みがあった。仕事と恋愛を通して成長していく女性の姿を描く傑作長編。圧巻の面白さの元祖・お仕事小説、初文庫!

 昭和38年に刊行された有吉佐和子さんの本です。百貨店が舞台ということであれば、“百貨店愛好家”のワタシは読まなければなりますまい!と思いまして。時代設定は昭和30年代前半だと思いますが、「これって今のお話ですか?」って思ってしまいました。もちろん、当時よりは女性の社会進出が進み、バリバリお仕事されてる方も多くなってると思うのですが、OLさん、事務員さん、店員さんって括られるような人種は60年以上経っても、あまり変わってないような気がしました。ワタシがそのぼんやりとした括りの中でちまちま仕事をしているから、よけいそう思うのかもしれませんが。これも有吉さんなので、とても面白いのですが、ちょっと切なくなりました。百貨店が6時閉店っていうのが、唯一「時代が変わった」って思った点でした。
コメント (2)
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