福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

鄭アナとYTNボイコット

2009年03月27日 |  〇文化・歴史

現大統領の選挙参謀がYTNテレビ(24時間放送のニュース専門
テレビ局)の社長に天下ったことに端を発する、YTNの労使対立が
こじれにこじれ、現在、深刻な局面を迎えている。

会社から解雇されたYTN労組委員長は職場復帰がかなうどころか、
逮捕勾留されてしまい、YTN労組は23日から全面的なストに
突入している。

労組の全面スト突入以来、YTNのニュース画面からは、「ヲタク」の
あこがれである鄭愛淑(チョン・エスク)アナをはじめ、日ごろ
見慣れたほぼ全てのアナウンサーの顔が消えた。

現在、YTNでニュースを伝えているアナウンサーは、一人の
管理職とごく一部の非組合員、それに系列会社からの動員部隊。

こうした事態を目の当たりにした「ヲタク」は、鄭愛淑アナと
YTN労組に心からのエールを送るため、徹頭徹尾、自己満足的な
「1人YTN視聴ボイコット運動」に突入することにした。

現在、スカイライフ(韓国の衛星放送)を通じ、YTNの代わりに
「ヲタク」が見ているニュースチャンネルは、毎日経済新聞社
系列の「mbn」。

今後の成り行き次第によっては、「YTNは二度と見ない」とまで、
思いつめている。

もっとはっきり言えば、「ヲタク」の鄭愛淑アナがニュース画面に
再び登場するようになるまでは、絶対にYTNを見ない。(!)


△「何て思い込みの激しい中年男なんだ・・・
ところで、いつから愛淑アナが、『オマエの愛淑アナ』になったんだぁ?
オマエって、やっぱりキモイぞ


労組の全面スト突入以前の少し古い記事になるが、ある
マイナーなメディアが伝えた鄭愛淑アナのインタビュー記事の
中から、一部を抜粋し翻訳練習してみた。

彼女の人となりがよく伝わって来る記事だ。なお、例によって、
紙面の都合で韓国語原文の引用は省いている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■“산소 같은 뉴스 위해 오늘도 투쟁한다” 
[인터뷰] YTN 정애숙 앵커
「酸素のようなニュースを伝えるため、今日も闘う」
[インタビュー] YTN鄭愛淑アナ
(メディアス 09年2月3日)

○YTN労組が闘争を続けている理由は何だと思うか?

闘争するふりだけしてメンツを立て、適当に妥協することも
できるのに、家族の生活や自分の人生をかけてまで、この
問題に懸命にとりくむ理由は、それだけメディアを大切に思い
愛する気持ちが強いからだ。記者として、アナウンサーとして、
そしてどういう部署で働いていようとも、24時間ニュース専門
チャンネルで働く人間として、恥ずかしくない仕事ができるよう
最善を尽くす道は、これしかないと思っている。組合員みなが、
こうしたことをいろいろ悩みながら200日間が経過したと思う。
自分や家族の生活のことだけを考えれば、もう少し楽なやりかたが
あったかもしれない。しかし、これまでの200日間、それぞれが
「最も正しい道は何なのか」、「自分に恥ずかしくない道は何
なのか」、「お互いに悲しまなくてすむ道は何なのか」と、自問自答
しながら、悩み、迷い、時にはさみしい思いや悲しい思いを
しながらも、心を一つにして闘いを続けて来たと思う。

○闘争の始まる前と後で、何か変わったことは?

ほんとうに真剣に自分の仕事について悩むようになったことが
大きな変化だ。各自が置かれた立場や役割で、少なくとも自分が
失ってはならない使命感や、公正な放送とは何かについて、今も
真剣に悩んでいる。そして、自分自身を振り返るようになり、
点検するようにもなり、そうしたことが未来に向かって、きっと
プラスになると信じている。ただ、残念なことは、闘争が始まって
から会社の中に目に見えない深い溝ができてしまい、人間
関係がとても難しくなったことだ。



○アナウンサーの立場で集会や闘争の現場に立つのは
 恐くないか?

恐いとか、そういうことはなかった。現場や集会に私よりはるかに
多く参加されている組合員も多いが、私がTVで見慣れた顔なので、
集会にしょっちゅう行っているように錯覚している人も多いようだ。
別の視点から物事を考えている人たちからは、アナウンサーなの
だから少し慎重に行動して欲しいと言われたこともあった。しかし、
テレビを通じて個人的な意見を話すことはできないにしろ、私も
YTN労組の一員だし、当然、やらなければならいことだと思って
いる。むしろ、集会に参加する回数が少なくて申し訳なく思って
いる。ただ、闘争現場での衝突などが続くのはとても悲しいことだ。
また、そもそもこうした問題で組合員がしょっちゅう集まらなければ
ならないこと自体が悲しいことだ。 

○闘争後のYTNの様子を想像してみたことはあるか?

具体的なことは、その時にならないとわからない。(笑い) でも、
「みんないろいろ苦労したな」とか、「君が出て来れるように
なって、僕も会社に来るのが楽しくなったよ」とか、組合員に
対する全ての処分が撤回されて、お互いが慰労しあい、元気に
なるような、そんな様子を想像する。社員のみんなが、お互いに
笑いながら話ができるような日が来ればいいなと思う。分裂の
後遺症も残るだろうし、そう簡単なことではないとはわかって
いるが・・・。以前、お会いしたかった小説家のチョ・ジョンネさんが
スタジオに見えた時、少しお話する機会があったが、チョさんは、
「小説家は社会の中で酸素のような役割をしなければならないと
思っている」と話されていた。私も、自分が疲れたり辛いなと
感じる時には、ニュースを制作するYTNが、韓国社会の酸素の
ような役割を担えるようにしてほしいと神に祈っている。社会に
酸素をたくさん供給する、そんなニュースを伝えたい。

○鄭愛淑アナにとってメディアとは何か?

私は1995年、23歳でYTNに入社した。あの頃、私は、この仕事を
選びながら、この仕事こそ、私が一生、情熱をかたむけていける、
また、私の青春を奉げる価値のある仕事だと思っていた。今も
その考えに変わりはない。映像メディアが持っている力や影響力
には、必ず責任感が伴わなければならないが、その責任感を
ますます重く感じるようになっている。放送は、同時性と大衆性を
持っているので、恐さもある。だから、時々、肉体的に、精神的に
落ち込む時もある。また、人々が幸せになったり、心があったかく
なるような放送をしたいとは思っているが、悲惨な話や憤りを
感じるような内容の多いニュースばかりやっているので、せめて
私の心がしわくちゃにならないように、心を管理するだけでも
大変だと思うことがある。体と心の健康だけではなく、物の見かたの
バランスを維持していくのも、思ったより難しくて、一生、勉強を
続けて行かなければならないと考えている。つまり、キャスターと
いう職業は、私の生活、人生そのものだ。


(終わり)


    参加カテゴリ:地域情報(アジア)


この記事についてブログを書く
« CNNと日本海呼称問題 | トップ | 鎮海さくら列車 »
最新の画像もっと見る

 〇文化・歴史」カテゴリの最新記事