■욕창 「床ずれ」 〇〇〇--
(1142)
2020年に公開されたインディーズ系の社会派ドラマ。
主人公は70過ぎの高齢男性。経済的にはかなりの
余裕を持っている年金生活者で、寝たきりの妻の
介護と家事の一切合切を、50がらみの朝鮮族の
家政婦に任せている。
映画の中では、家政婦の月給は住み込みで
約20万円(200万ウォン)。
その主人公が、いつの間にか、家政婦に恋を
してしまい、それもかなり強く執着する
ようになる。
△大林洞の朝鮮族タウンに遊びに出かける家政婦<映画より>
そして、あげくの果てには、不法滞在の家政婦に
安定した生活をさせるため、寝たきりの妻と偽装
離婚し、家政婦と結婚したいとまで言い出す始末。
△大林洞の朝鮮族タウンで家政婦の後をつける主人公<映画より>
家政婦は主人公の思いを受け入れたが、主人公の
娘や息子は、当然、猛反対。
最終的には、おそらく、息子夫婦が当局に通報し、
家政婦が不法滞在で逮捕され、映画は終わる。
何とも情けない高齢男の脱線物語ではあったが、
物語の展開には、けっこう引き込まれてしまった。
なお、映画の題名の「床ずれ」とは、深い孤独の
淵に突き落とされた妻が患った病である。
それにしても、現実社会では、家政婦をめぐり、
もっとどろどろした事件が起きていそうな気が
しないでもない。
(終わり)
■소나기 「夕立」 〇〇〇〇--
(1141)
△韓国映画資料院より
黄順元の有名な短編小説「夕立」(1953年)を
アニメ化した作品。2016年、音声と文字を使い、
聴覚障がい者や視覚障がい者の鑑賞も支援する
バリアフリー作品として制作された。
「ヲタク」はこのアニメを、韓国映像資料院の
公式ユーチューブチャンネルを通じて鑑賞させて
もらった。
△2人が出会った河原(映画より)
山村に暮らす少年と療養のためソウルから引っ越して
きた少女との、初恋とも呼べないくらいに、はかなくも
美しい精神的交流を描いている。
△トウモロコシを収穫した後の畑<映画より>
アニメの自然描写も、なかなかよかった。
△立て掛けて干したトウモロコシの茎束(수숫단)の中で身を寄せ合う2人<映画より>
特に、2人がに夕立をよけたトウモロコシ畑の
描写は印象的だった。
△夕立がやんだ畑<映画より>
いいアニメ作品を見させてもらった。
中高年の「ヲタク」でさえ、異性への純な憧れを
想起させられると同時に、胸が締め付けられる
ような切なさを感じさせられた。
(終わり)
「ヲタク」が書き取り学習に使うシャープペンについて
こだわりを持っていることは、このブログにも再三書いて
きた。
そういう「ヲタク」に、つい最近、1人の知人が1本の
ボールペンを紹介してくれた。
「ZEBRA Surari 0.7」がそれだ。
△コクヨの鉛筆シャープとゼブラのスラリ(手前)
全く高価なボールペンではないが、書き心地は
驚くほど滑らかである。
これまで「ヲタク」が使ってきた、何のこだわりも
ない格安品とは、あきらかにペン先の滑りが違う。
ボールペンにも少しはこだわってみようかと
考え始めている「ヲタク」である。
(終わり)
■#살아 있다 「#生きている」 〇〇〇〇-
(1140)
2020年6月に公開され、180万を超える観客を動員し、
コロナ開けの劇場街で気炎を吐いたヒット作。
△主人公2人が暮らすソウルのアパート団地<映画より>
それにしても、よりによってこの時期にゾンビ映画
とは、韓国の映画界もたくましいものである。
終始一貫、映画に込められた強いメッセージは、
#살아남아야 한다.(生き残らなければならない。)
#살아 있다.(生きている。)
△ドローンを使い連絡網を構築<映画より>
主人公は、ゾンビウィルスが拡散する中、ソウルの
高層アパート団地の1室に取り残された平凡な青年。
△女性は青年にチャパゲティ(即席チャジャン麺)を支援<映画より>
その青年が同じく向かいの棟の1室に取り残された
女性と2人、力を合わせながら、次々と襲い来る
ゾンビの群れを撃退し、最後にアパートの屋上から
救助隊のヘリに救出される。
実にスリリングなサバイバル劇だ。
△2人が救出される劇的シーン<映画より>
元来、ゾンビ映画が嫌いな「ヲタク」でさえ、すっかり
画面に引き込まれた、見ごたえのある映画だった。
(終わり)
■프리즈너「服役囚」 〇〇〇--
(1139)
2020年7月に公開されたB級アクション。
主人公は、妻を殺害した犯人を追っていた刑事。
その彼が、捜査途中の過剰な暴力が原因で刑事を
首になってしまい、刑務所に収監される。
収監先の刑務所は、悪徳財閥会長の手下である
所長が支配する、不条理極まりない刑務所。
そこで、彼は、まるで影の所長のように振舞って
いる殺し屋に出会う。刑務所を自由に外出できる
殺し屋は、刑務所を隠れ蓑に、会長の命による
殺しを請け負っていた。
その殺し屋こそが、妻を殺害した犯人だった。
主人公は、優勝者に外出が認められる、所内の
賭け格闘トーナメントに出場し、決勝で殺し屋を
倒し、再起不能にする。
△決勝戦を前においしそうにチャジャン麺を食べる殺し屋(映画より)
そして同時に、殺し屋の口から、妻が悪徳会長の
秘密を知ってしまったがために、口封じの目的で
殺害された事実をつきとめる。
その後、トーナメントに優勝した主人公が外出し、
復讐を果たすべく悪徳会長の元に向かう場面で
映画は終わった。
続編でも計画されているのか、主人公がラスボスの
悪徳会長に制裁を加える場面はなかった。
ハチャメチャな内容に加え、中途半端な結末では
あったが、物語の展開にはそこそこ引き込まれた。
なお、この映画では、久しぶりに(?)、出前の
チャジャン麺(韓国式ジャージャー麺)も登場して
いたので、キャプチャーしておいた。
(終わり)
■카이지 파이널 게임 「カイジ ファイナルゲーム」
○○---
日本映画「カイジ ファイナルゲーム」(2019年)の
非公式韓国語版を見た。
ネット上の非公式ルート(無料)で見た非公式
韓国語訳の邦画なので、記録に残すことを少し
ためらった作品だが、結局は、こうして記載する。
それにしても、実に不思議な韓国語訳だった。
翻訳を見ると、翻訳者は日本語がかなり理解
できてはいるが、聞き取りや理解に問題が
あることはすぐにわかった。
また、翻訳者は韓国語をそこそこ駆使することは
できるが、随所で、ネイティブの韓国語話者では
ないことが露見していた。
△カイジがじゃんけんをする場面(映画より)
例えば、カイジが「じゃんけん」をする場面。
韓国語では普通に「가위 바위 보」となるべき翻訳が、
「가위 돌 천」になっていた。
もしかすると、こういう表現もあるかもしれないと
思い、念のため、この「가위 돌 천」をネイバーで
検索にかけてみたが、中国系のショッピングサイト
などを除き、韓国のネット上ではほぼ全く使用されて
いない表現であることが確認できた。
特別な「じゃんけん」であることを表現するため、
わざわざ、こういう特殊な表現をしているとも
考えにくい。
実に不思議な話ではあるが、あるいは、中国語で
「じゃんけん」を表わす「剪刀石头布」(ハサミ、石、
布)の直訳なのかもしれない。
「ヲタク」が見た韓国語版の翻訳者は、日本語も
韓国語も、ある程度わかるが、両方とも実力不足の
中国人か中国朝鮮族だったのだろうか?
いずれにしろ、確定的なことは何も言えないので、
ここでは、ネット上では不思議な(おかしな)
韓国語訳のついた日本映画を見ることもある、
くらいにとどめておいた方がよさそうだ。
(終わり)
■테우리 「馬追い」 〇----
(1138)
2020年に公開されたインディーズ系のミステリー。
25年前、ソウル東大門の裁縫工場で起きた殺人事件の
真相と殺人犯に仕立てあげられながらも25年も別人と
して生きてきた男の人生が、徐々に解き明かされて
いく物語。
説明不足の感が多々あり、全体的にわかりにくい
作品だった。
△車の中でねじりドーナツを食べる主人公(映画より)
この映画では主人公たちが昔を思い出しつつ
食べていた「꽈배기」にこだわってみた。
△久しぶりにねじりドーナツを食べた昔の班長(映画より)
日本語では「ねじりドーナツ」、あるいは「ねじり棒
ドーナツ」くらいに訳せばいいだろうか。
現代の韓国社会でも根強い人気を保っている、
往年の大人気食品である。
(終わり)
■하얼빈대전투:일본군 최후의날 「ハルビン会戦:日本軍最後の日」
〇〇---
2016年に公開されたロシアの戦争映画。原題は「勲章」。
「ヲタク」が見たのは、その韓国語字幕版。
対ドイツ戦と対日戦の両方で活躍した旧ソ連軍空挺
部隊を中心に、女性看護兵や旧満州で活動したスパイ
(ロシア人、中国人)らの活躍を描いている。
△主役はソ連軍空挺部隊の大尉<映画より>
どこまで史実なのかはわからないが、主人公のソ連軍
大尉は、戦後、3階級特進し、大佐として大勲章を
授与された。
この映画で印象に残ったのは、何と言っても日本兵の
描かれ方。
孤立した塹壕の中で、降伏するのではなく自死して
いく日本兵。
△「победа(パビエーダ)」は「勝利」の意味<映画より>
極めつけは、ソ連軍の戦車部隊に対して自爆攻撃を
しかける日本兵。
△戦車に対して「刺突爆雷」で突撃する日本兵<映画より>
自軍兵士の命さえ徹底的に軽視した日本軍の
狂信的な「戦法」は、現代ロシア人の中にも強烈な
印象を残しているようだ。
この映画では、旧満州から真っ先に逃げ出した
関東軍(現地日本軍)首脳らの無責任な姿は、一切、
描かれていなかった。
日本人の一人として暗澹たる思いに駆られた
映画だった。
(終わり)
■고독한 늑대의 피 「孤狼の血」 〇〇〇〇〇
2018年度の日本映画「孤狼の血」韓国語字幕版を
ネット上で見た。以前から見たかった「ヲタク」好みの
本格和風ノワールだ。
韓国語字幕がついているので、翻訳・通訳の参考にも
なり、娯楽と学習を兼ねた一石二鳥の映画鑑賞になった。
△マル暴の主人公刑事が新人刑事を蹴飛ばしどつく場面(映画より)
ところで、広島弁の味まで韓国語(標準語)に訳せない
のは当然のこととしても、細かい部分で、残念な翻訳が
目に付き、気になった。
その最たる例として、主人公の刑事が、空手の心得の
ある広島大出の新米刑事をどつく場面をあげたい。
△この翻訳では意味が通じないのでは?(映画より)
公式の翻訳かどうかは知らないが、「寸止め」を
「힘조절」(力の調節)とは、あまりにお粗末すぎる。
と言って、「寸止め」にピタッとハマる適当な韓国語が
あるわけでもないので、正直、「ヲタク」も頭を悩ませる
場面だ。
「ヲタク」なりには、漢字の助けを借りて「직전중지법
(直前中止法)」などと訳してみるのはどうだろうか、
とは思ったが、自信はない。
(終わり)
■불량한 가족 「不良家族」 〇〇---
(1137)
2020年に公開されたインディーズ系の家族ドラマ。
△家出青年らは建物の屋上で暮らしている(映画より)
崩壊しかけた家族が、「팸(疑似家族)」の家出青年
らとの交流を通じ、家族の絆を回復させる物語。
△背景に河と橋と超高層ビル(映画より)
この映画では、久しぶりにロケ地探しに没頭して
しまった。
△非常に目立つ超高層ビル(映画より)
もちろん、ネット地図のストリートビューを活用した
バーチャルな探索である。
△夕日は西に沈むのでロケ地は超高層ビルの東側にあることがわかる(映画より)
主要な手がかりは、漢江と橋と3棟の高層マンション、
それに立体Uターン道路に住宅街の鉄塔など。
△映画に出てきた二村洞の超高層マンションを特定(カカオ地図より)
幸い、今回もロケ地をおおよそ確定することができた。
△非常に珍しい漢江沿いの立体Uターン道路(映画より)
陰気な執念が実ったわけである。
△立体Uターン道路(カカオ地図より)
地図に星印をマークしてみた。
△赤の星印は推定ロケ地点(コネスト韓国地図より)
例によって、「ヲタク」が小さな自己満足を感じた
瞬間である。
(終わり)
■맞짱의 신 : 시라소니 「タイマンの神:シラソニ」 〇〇〇--
(1136)
2020年に公開されたB級アクション映画。
△主人公は大のバイク好き<映画より>
ネットの格闘技チャンネルで一儲けをもくろむ悪徳
実業家グループを、バイクショップで働くバイク
好きの青年が成敗(せいばい)する。
△彼の愛車はヤマハ(※ヤマハのロゴマーク)<映画より>
彼は、過去、忠清道で「タイマン(1対1の喧嘩)の
神」との異名を取った青年。
△主人公はバイクショップで働いている<映画より>
石のように固い頭を使った頭突き(박치기)を必殺技に
している。
△ラスボスに頭突き(ジャンピングヘッドバット)をくらわす主人公<映画より>
この種のアクション物としては、ストーリー性もあり、
なかなか見ごたえのある作品だった。
△年上のメカニック女子を好演したカン・ダヒョン<映画より>
特にヒロインを演じたバイクショップの女性店長が
チャーミングで、なかなかいい味を出していた。
(終わり)
ベトナム料理のフォーが好きな韓国語学習者なら
知っておいても損はしないだろう。
韓国では、一般的にフォーのことを「퍼(pho)」
とは言わず、「쌀국수」と呼んでいる。
△베트남 쌀국수(グーグル画像検索より)
「쌀국수」とは「米麺/ライスヌードル」を意味する韓国語だ。
(終わり)
■애인 「恋人」 〇----
(1134)
2005年に公開されたちょいエロの恋愛映画。
△体当たりの濡れ場を演じた主演女優はソン・ヒョナ(映画より)
7年間つきあった男性との結婚を目前に控えた
女性が、あるハンサムな男性と出会い、お互い
名前も知らないまま、1日だけの恋人として
激しく愛し合う。
美しい恋愛の思い出を一つくらいは持っていたい、
と思った女性。
婚約者の男から見れば、実に身勝手な浮気で
しかない「ロマンス」だ。
「ヲタク」の趣向には全く合わない映画だった。
しかし、例によって印象に残る場面はあった。
△結婚を控えた男女(映画より)
一つは、ベトナム料理のレストラン。
△なぜか、男だけがフォーを食べている(映画より)
最初は、入ったレストランの種類がわからず、長い麺の
料理の正体がわからなかったが、それはフォーだった。
△店はベトナム料理店(映画より)
店名の「pho tai」は、原義的には「半煮え牛肉入りの
フォー」を意味している。
そして、もう一つが、女性の婚約者が恋敵に
投げつけた言葉。
△婚約者が恋敵を罵る場面(映画より)
日本語では、
「どうせお前は使い捨ての電動コケシじゃないか。
大人のおもちゃ。」
くらいになるだろうか。
ただし、「電動コケシ」と「大人のおもちゃ」の
2語については、もっとうまい表現がありそうだ。
正直、成人用玩具の世界に疎い「ヲタク」は、
この映画を見るまで、韓国語の「딜도」はもちろん、
英語の「dildo」も知らなかった。
ブログの品格を維持したいので、あえて、ここで
「딜도」の画像検索をリンクしたりはしないが、
映画で使われているくらいの言葉なので、その気に
なれば、韓国のネット上で使用例(実物も)は
いくらでも確認できる。
「ヲタク」としては、言葉だけなら、別に知って
おいても損はしないと思うが、この種の特殊な
道具名を記憶にとどめるかどうかは、読者次第
である。
(終わり)
■오프라인 「オフライン」 〇〇〇〇〇
(1133)
2008年に公開されたサスペンス映画。
映画の舞台は再開発前のソウル市麻浦区の住宅街。
△主人公は中華料理店の配達夫の青年(映画より)
中華料理店で配達夫をしている前科持ちの青年が、ネットの
チャットサイトにからむ残虐な殺人事件に巻き込まれたあげく、
現場の状況から容疑者として警察に追われる。
△バイクと脚を使い、どこにでも出前を届ける男たち(映画より)
捕まればそのまま犯人にされてしまうと考えた青年は、警察から
逃げる一方、知り合いのタバンアガシ(喫茶店のウェイトレス)
らの助けを借りながら、真犯人を追う。
そして危機一髪、真犯人のサイコを仕留めた。
△体を張って事件を解決した2人(映画より)
非常に見ごたえのある、「ヲタク」好みのサスペンス映画だった。
(終わり)