■판소리 복서 「パンソリ・ボクサー」 2019年 〇〇〇〇〇
(843)
2019年10月に公開されたコメディタッチのヒューマンドラマ。
パンチドランカーにして、伝統芸能(特に太鼓)のリズムに
合わせ、舞うようにパンチを繰り出すパンソリボクシングの
創始者でもある青年が主人公。
この映画では、彼とその回りの人々に起きる、おかしくて
切なくて、それでいて最後に心がほっこり温まるような
物語が描かれている。
△慶尚南道統営市ソピラン展望台(映画より)
地域性を全く感じさせない標準語による映画だが、撮影
自体は、慶尚南道(統営市、南海郡)や釜山の海辺を中心に
行われた。
△癒し系女優のヘリも、恋人役として実にいい味を出していた(映画より)
久しぶりに「ヲタク」好みのいい作品に出会えた。
感謝である。
(終わり)
■마이 리틀 히어로 「マイ・リトル・ヒーロー」 2013年 〇----
(842)
2013年に公開されたヒューマンドラマ。
フィリピン人の母親を持つ「多文化家庭」の子どもが、
天性の美声とひたむきな努力で、厳しい予選を勝ち抜き、
KBS制作のミュージカルで主役の座を勝ち取る。
彼を成功に導いた詐欺師的な音楽監督は、彼との出会いを
通じ、今一度、音楽と真剣に向き合うことになる。
△主人公少年<右>と親友の少年(映画より)
ところで、この映画で強く「ヲタク」の印象に残った
のは、主役少年の親友として登場した、クラスメートの
黒人(父親がガボン人)少年。
2人とも、ごく自然な韓国語を、ごく普通に話していた。
定住外国人の急増という、この間の韓国社会における
大きな変化が、映画にも反映していることが見て取れる。
(終わり)
■재혼의 기술 「再婚の技術」 2019年 〇〇〇〇-
(841)
2019年に公開されたインディーズ系のラブコメディー。
日本海に面した海沿いの街、江原道江陵市を舞台に、ともに
離婚経験を持つ、ソウル出身のアラフォーの男女が、いくつ
かの誤解やハプニングを乗り越え、新しい恋と心の安息を
手に入れる。
どちらかと言えば地味で静かな感じの映画だったが、
ハラハラさせられる場面もあり、物語の展開には
すっかり引き込まれた。
△主演女優のユン・ジンソがいい味を出していた(映画より)
「女の気持ちに鈍感な人はいやよ。私が全て言わなきゃ
ならないの?」という女。
「じゃあ、僕たちは、もう恋人同士ってことなんだね…」と
うれしさのあまり涙ぐむ男。
最終的に2人がたどり着いた、穏やかなハッピーエンドに、
心温められるラブコメディーだった。
(終わり)
■슈퍼맨이었던 사나이 「スーパーマンだった男」 2008年 〇〇〇--
(840)
2008年に公開された社会派のヒューマンドラマ。
1980年の光州事件で父親を失い、自分の頭の中には戒厳軍の
流れ弾が入ったままの男の数奇で悲劇的な半生を、コミカルに、
そして感動的に描いた作品。
男は、交通事故で妻と子を失った後、精神のバランスを完全に
くずし、一時期、自分をスーパーマンと自覚し、様々な
人助けに明け暮れた。
(実話を元に脚色・創作された映画と謳われているが、「ヲタク」
自身、実話の根拠を確認することはできなかった。)
△マドンナのTV局記者を演じたのはチョン・ジヒョン(映画より)
その強引で極端的なストーリー展開には賛否の別れる
ところだろうが、最終的には男の献身的自己犠牲とともに
感動的な結末で終わる。
△男の頭の中にはM16自動小銃の弾丸が入ったまま(映画より)
この映画では、男が、自分の頭の中の弾丸を、クリプトナイト
(スーパーマンの力を無力化させる架空の物質)と語っていた
場面など、日本同様、アメリカ文化の強い影響下にある韓国の
文化状況も感じ取れた。
総じて、そこそこ見ごたえのある映画であった。
(終わり)
■조선미녀삼총사 「朝鮮美女三銃士」 2014年 〇〇---
(839)
2014年に公開されたコメディタッチのアクション時代劇。
△賞金稼ぎの美女3人組(映画より)
賞金稼ぎをしていた美女3人組が、清の力を借り朝鮮王朝を
転覆させ王になろうとしていた腹黒な重臣の野望を打ち砕き、
王朝を守る物語。
△美しい民族衣装を着こんだ美女3人組(映画より)
主役を演じたのはハ・ジウォン。
△ベリーダンスを踊る美女3人組(映画より)
そして、助演で三銃士の一人を演じたのがカン・イェウォン。
△主婦と賞金稼ぎの2足の草鞋を履いた女を演じたイェウォン(映画より)
この映画で、彼女は日本の芸者に扮装するなど、「ヲタク」の
目を喜ばせてくれた。
△芸者に扮装したカン・イェウォン(映画より)
ただし、物語自体がそれほど面白い内容ではないので、女優らに
関心のない人には、退屈な映画になることだろう。
(終わり)
■마음의 소리 스페셜 2 - 이어서 하자 「心の声 スペシャル 2」 2019年
(838) 〇----
2019年に公開されたナンセンスな韓流ギャグアニメ。ウェブ
漫画を原作とするスペシャルアニメシリーズの第2弾。
△主人公の兄(映画より)
若者向けのアニメだけあって、俗語も多く使われており、1度
見ただけでは理解できない言葉や表現も少なからずあった。
△友人たちにせびり続けた百ウォン玉でピザを手に入れ喜ぶ兄(映画より)
例えば、主人公の兄が高校生だった頃、毎日毎日、友人たちに
100ウォン(約10円)をせびり続け、集めたお金でついに
ピザを買った時の喜びを表現した場面。
「ヲタク」には、「백원기옥」の意味がさっぱりわから
なかった(もちろん、「백원」から100ウォンを連想
するまでは容易だが)。
そこで少し調べてみると、この奇妙な四字熟語(?)が、
韓国でも大人気の日本漫画、ドラゴンボールと深い関連が
あることがわかった。
つまり、この「백원기옥」とは、ドラゴンボールに登場する
必殺技の「원기옥」(元気玉/げんきだま)と「백원」(百円)の
二つの単語(当然、ハングルのみ)をかけて作った、この
漫画独自のギャグ造語だったのだ。
△ドラゴンボールの元気玉
兄が持ち上げた光り輝くピザは、ドラゴンボールに出てくる
元気玉の、一種のオマージュとしての意味を持っていたのだ。
この作品自体はあまり面白くなかったが、この奇妙な四字
熟語の謎が解けたことで、けっこうな自己満足を得ることは
できた。
陰気な中高年男である。
(終わり)
■마음의 소리 스페셜 1-효! 크러쉬 「心の声 スペシャル1」 2018年
(837) 〇〇---
2018年に公開された韓流ギャグアニメ。複数のエピソードを
1作品にまとめたスペシャル編だ。
内容は、ソウルの下町に住む家族が巻き起こすハチャメチャで
ナンセンスなギャグの数々。
△家族は、命からがら北朝鮮からロシアのウラジオストクへ(映画より)
例えば1つのエピソードでは、兄が親孝行のため、両親を
連れ江原道旅行を計画する。
△ロシアの雪原で熊に襲われ、反撃を加える母親(映画より)
しかし、様々な手違いから、インドネシア-中国-北朝鮮-
ロシア経由で江原道に入る、というハチャメチャぶり。
しかも、ロシアでは熊に襲われ、ロシアから江原道まで
日本海を泳いで渡る途中にはサメに遭遇するという、全く
持って、奇想天外な展開。
△日本海を泳いで江原道をめざす家族(映画より)
総じて「ヲタク」好みのギャグではなかったが、そこそこ
笑える作品で、気分転換にはなった。
(終わり)
■순정 「純情」 2016年 〇〇〇〇-
(836)
2016年に公開された、強く涙腺を刺激する純愛ドラマ。
△片足に障害のあった少女は、どうしても彼と一緒に歩きたかった(映画より)
ソウルのラジオ局でDJをしている1人の中年男が、高校生
だった23年前の夏、全羅南道の故郷の島で経験した美しくも
残酷な初恋の思い出を回想する。
△中高年「ヲタク」も美しいと思った2人のラブシーン(映画より)
映画のロケ地ともなった故郷の島とは、全羅南道高興郡の
沖合にある小さな島。
△コネスト地図より
映画では主人公2人の愛の告白を始め、全体の9割以上の
会話が全羅道方言で話されていた。
全羅道方言で話される美しくも残酷な恋の物語に、涙して
みたい人には、必見の作品だ。
(終わり)
■수상한 이웃 「あやしい隣人」 2019年 〇〇〇〇-
(835)
2019年10月に公開された人情派のサスペンスコメディ。
大きなアパート団地の公園を拠点に、ホームレスに変装した
刑事が、周辺で連続的に発生している若い女性の失踪事件を
解決するため奮闘する。
△刑事がホームレスに扮し寝泊まりした公園の東屋<정자>(映画より)
この映画で面白かったのは、刑事が寝泊まりした団地の公園が、
様々な住人たちの哀歓が交差する、一種の人間交差点として
描かれていた点だ。
なかなか見ごたえのある映画であった。
(終わり)
△自販機の前で同僚とコーヒーを飲む女刑事(映画より)
唐突な話題である。
この9月に公開された最新ヒット作「나쁜 녀석들(悪い奴ら)」に、
女優のカン・イェウォンが友情出演していたことを「ヲタク」は
知っている。
△カンはこの映画に友情出演するとともに制作にも関わっている(映画より)
なぜなら、「ヲタク」は彼女のファンなのだ。
△パトカーの助手席に座った女刑事(映画より)
この映画で彼女が扮したのは、人情派の女刑事。
映画の序盤部で、警察の護送車を襲撃した暴力組織の幹部に
腹部を刺され、入院してしまうことになったが、なかなか
味のある演技を見せていた。
△特殊捜査班の怪力男と会話する女刑事(映画より)
正直、あまり個人的な(女性の)趣味を前面に出し過ぎるのも
どうかと思い、ためらっていたのだが、結局、公開に踏み切った。
韓流クールビューティーに関心のある殿方には、ぜひ、注目
してほしい現代女優の1人である。
(終わり)
■노브레싱 「ノーブレッシング」 2013年 〇〇---
(834)
2013年に公開されたスポーツ映画。
オリンピックをめざす2人の水泳青年の友情と成長を描いた
青春物語。
△少女時代のユリ(2013年)
この映画が、かつて「ヲタク」が大ファンだった少女時代
ユリの映画デビュー作だったと知り、見てみた。
ユリは、主人公である2人の青年から恋心を寄せられる
マドンナの役を演じていた。
△ステージやグラビアとは少しイメージの異なったユリ(映画より)
残念なことには、スクリーンのユリは、ステージやグラビアの
ユリほど輝いてはいなかった(あくまで「ヲタク」の感覚)。
役柄の問題なのか、演技力の問題なのか、あるいは彼女本来の
個性(適性)の問題なのか、そこのところはよくわからない。
もちろん、ユリが美人であることに変わりはないが、もし
「ヲタク」が、この映画のユリしか知らなかったとしたら、
ほぼ間違いなく、彼女のファンにはなっていなかったこと
だろう。
中高年「ヲタク」の、どうでもいい独り言である。
(終わり)
■서울역 「ソウル駅」 2016年 〇〇〇〇-
(833)
2016年に公開されたアニメ映画。
△映画の舞台はソウル駅周辺(映画より)
ソウル駅の周辺で人知れず病死したホームレスの老人が、
ゾンビとして復活する。
△主人公の男女(映画より)
借金を抱えたまま風俗店から逃げ出した主人公の女性と
彼氏は、増殖し続けるゾンビたちの襲来から懸命に
逃げ続ける。
そして、何とか逃げ切ったかと思いきや、最後に2人を
待っていたのは残虐な死。
△ゾンビは増殖し続け、修羅場と化したソウル駅周辺は封鎖される(映画より)
救いも希望もない、何ともやるせないノワール風のアニメ
映画だったが、物語の展開にはすっかり引き込まれた。
(終わり)
■뽀로로 극장판 보물섬 대모험「ポロロ劇場版 宝島大冒険」 2019年 〇----
(832)
2019年に公開され、76万を超える観客を動員した幼児向けの
CGアニメ映画。
この映画の主役は、韓国で「子どもたちの大統領」とも呼ばれ
ている、大人気の韓国産キャラクター「ポロロ」。
△ポロロはペンギン(映画より)
この映画では、ポロロと仲間たちが、犬(?)のシルバー船長と
ともに、オオカミのブラック船長や巨大タコの妨害を跳ねのけながら、
宝島の冒険を成功させる。
中高年男が1人で見るような性格の映画ではないが、例によって
韓国語と韓国文化の学習を目的に鑑賞させてもらった。
(終わり)
■너는 펫 「君はペット」 2011年 -----
(831)
2011年に公開されたナンセンスなラブコメディ。原作は
日本の人気女性向け漫画「きみはペット」。
30代の独身キャリアウーマンが、ひょんなことから年下の
美青年をペットとして飼いはじめる。
△年下の美青年をペットとして飼いはじめた主人公(映画より)
そして、いつのまにか2人の間に愛と信頼が芽生えていく、
という展開。
久しぶりに見てしまった駄作である。
例によって、韓国語の聞き取り練習と割り切り、何とか最後
まで見た。
あるいは、もし、どこにでもいそうな中高年男が美女から
ペットとして飼われる、と言うような物語なら、「ヲタク」も
少しは感情移入できたのかもしれないが・・・。
■불량탐정 : 리로드 「不良探偵 : リロード」 2019年 -----
(830)
2019年に公開された成人指定のお色気探偵ドラマ。
元刑事の探偵が、同性愛女性カップルを、卑劣な男の魔の
手から救う。そして最後に、探偵とカップルで3P。
題名に騙(だま)され、見てしまったソフトな韓流ポルノ
映画だった。
(終わり)
■나쁜 녀석들 「悪い奴ら」 2019年 〇〇〇--
(829)
2019年9月に公開され、450万を超える観客を動員した
異色のアクション映画。
この映画の主役は、停職中のわけあり刑事が率いる特殊
捜査班の面々。
△特殊捜査班の面々(映画より)
特殊捜査班とは、刑務所に服役中の、超人的な腕力を持つ
人情派ヤクザや天才的頭脳を持つ詐欺師らを、5年の減刑を
条件にスカウトし、電子足輪を装着した上で編成された
影の少数精鋭部隊だ。
捜査班が戦う相手は、莫大な資金力で韓国の裏社会を配下に
収め、さらに警察上層部にまで影響力を広げた日本最大の
ヤクザ組織。
彼らは、南北朝鮮の関係改善と交流拡大を見越し、韓国を
足場に、高速道路網を通じ、覚せい剤の販路を中国大陸に
まで拡大しようと画策していた。
当然、特殊捜査班の決死の大活躍により、日本ヤクザの
たくらみは粉砕される。
「ヲタク」好みのけっこう面白いアクション映画だった。
ところで、この映画では、日本ヤクザのボスが全身に入れた
刺青が印象に残った。
△一旦は韓国の裏社会を制圧した日本ヤクザのボス(映画より)
韓国映画でここまで本格的な日本の刺青を見たのは、
おそらく、この映画が初めてだ。
(終わり)