『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

映画雑感32  2020年12月~2021年1月

2021-01-31 01:21:17 | 映画

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①コラテラル  

面白さ: ☆☆☆   制作: 2004年 米国

監督: マイケル・マン  主演: トム・クルーズ

コメント: タクシーに乗り込んできた殺し屋に付き合わされたタクシー運転手。アクションもの。

②レッドラインーーーネバー・セイ・グッバイ

面白さ: ☆☆☆   制作: 2018年 ロシア

監督: パーヴェル・ドロズドフ 

主演: アンドレイ・メルズリキン

コメント: 1941年ドイツ軍からカリーニンを守るソ連軍司令部の中にスパイがいるが、誰かわからない。思想信条の違いを越えて祖国防衛に立ち上がるという愛国主義的な映画。

③テレアビブ・オン・ファイア

面白さ: ☆☆☆☆  監督: サメフ・ゾアビ

制作: 2018年 イスラエル他  

主演: カイス・ナシェフ

コメント: パレスチナのメロドラマを見ているイスラエル軍の司令官がイスラエル兵の描き方がリアルでないと、自分で脚本を書いてしまい、パレスチナ人の脚本家の青年に見せる。喜劇だけれども感動的でもある。

④アウトロー

面白さ: ☆☆☆  制作: 2012年  米国

監督: クリストファー・マッカリー

主演: トム・クルーズ

コメント: 5人殺害した容疑で捕まった男が、軍隊時代の憲兵だったジャック・リーチャーを呼んでくれと言う。世を忍ぶジャック・リーチャーのトム・クルーズの推理が冴える。アクションもの。

⑤エージェント・ライアン

面白さ: ☆☆☆  制作: 2014年  米国

監督: ケネス・ブラマー  主演: クリス・パイン

コメント: 陸軍の傷病兵がCIAにスカウトされ、ウォール街で働き始め、ロシアの資金の動きを探ってモスクワへ。 アクションもの。

⑥ザ・コンサルタント

面白さ: ☆☆☆☆  制作: 2016年  米国

監督:ギャヴィン・オコナー 主演: ベン・アフレック

コメント: 自閉症だった青年が会計士なり、妥協を許さない仕事ぶりと、自閉症を克服する過程がすごい。

⑦ザ・シューター

面白さ: ☆☆☆  制作: 2007年  米国

監督: アントワーン・フークア

主演: マーク・ウォールバーグ

コメント: 山の中で静かに暮らす帰還兵が、射撃の名手だったことから、大統領暗殺の陰謀に巻き込まれる。アクションもの。

⑧読まれなかった小説

面白さ: ☆☆☆☆   制作: 2019年 トルコ他

監督: ヌリ・ビルゲ・ジェイラン

主演: アイドウン・ドウ・デミルコル

コメント: 3時間の長い映画だったが、トルコの社会が少し身近になった。父と子の葛藤と和解がよかった。

⑨あなたの名前が呼べたなら

面白さ: ☆☆☆☆☆  制作: 2018年 インド

監督: ロヘナ・ゲラ  主演:ティロタマ・ショーム

コメント: 農村から出てきた娘がムンバイの大金持ちのお手伝いさんになって働いている。因習に縛られ貧しいが自立している彼女に御曹司が惹かれていく。マンションのシーンが多く、薄暗いのが難点。

⑩10日間で男を上手にフル方法

面白さ: ☆☆☆☆  制作: 2003年 米国

監督: ドナルド・ペトリ 主演: ケイト・ハドソン

コメント: 互いに思惑があって付き合った男女だったが、最後はハッピーエンド。笑いが止まらない。

⑪ダークナイト

面白さ: ☆☆☆  制作: 2008年  米国

監督: クリストファー・ノーラン

主演: クリスチャン・ベール

コメント: バットマンシリーズ。かっこういいバットマン。


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読書感想294  検事の死命

2021-01-22 16:53:12 | 小説(日本)

読書感想294  検事の死命

著者  :  柚月裕子

生年  :  1968年

出身地 :  岩手県

出版年 :  2014年

出版社 :  (株)KADOKAWA

☆☆感想☆☆

佐方貞人シリーズで、「検事の本懐」に続く章である。4話から構成されている。

第1話  心を掬う

 東北地方の米崎地検に配属されている佐方貞人検事は郵便物が届かないという話を小耳にはさみ、調べ始める。

第2話  業をおろす

 佐方貞人が6年ぶりに故郷の広島県の実家に帰ってきたのは、父の陽世の13回忌の法事のためだった。父の竹馬の友の住職、英心は、13回忌で獄中死した陽世の名誉回復を果たすつもりで、関係者を多数呼んでいた。

第3話  死命を賭ける 「死命」刑事部編

第4話  死命を決する 「死命」公判部編

 ある痴漢事件の顛末。被害者が万引きで補導歴のある女子高生、加害者が地元の有力者の親族。素行の悪い被害者が金目当てで虚偽の告発をしたのではと疑われる。

 第2話が「検事の本懐」でもやもやしていた佐方陽世の横領事件の真相が満天下に明らかにされ、佐方貞人も佐方家の親族も罪人の一族の汚名が晴れて、読者もほっとする。

 常識にとらわれず、誰も気にしないようなことに着眼し、真実を突き止めていく佐方貞人の手腕はここでも冴えている。


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四季折々985  大寒の長池公園

2021-01-20 23:53:35 | まち歩き

小春日和の大寒の一日。多摩丘陵の一角にある八王子市の長池公園。冬枯れの中、春の兆しを探す。

 水仙。

 松。

 南天。

 笹。

 南多摩尾根幹線を望む。

 片側は常緑樹。

一番大きい築池。

鏡のような姿池と長池見附橋。

名前の由来になっている長池。


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読書感想293  検事の本懐

2021-01-14 23:20:03 | 小説(日本)

読書感想293  検事の本懐

著者    :  柚月裕子

出身地   :  岩手県

生年    :  1968年

受賞    :  2013年 第15回大藪春彦賞

出版年   :  2012年

出版社   :  (株)KADOKAWA 角川文庫

☆☆感想☆☆

佐方貞人シリーズの中の1冊になる。まだ20代の若い検事佐方貞人の活躍を描くものである。佐方検事は東京から新幹線で2時間ぐらいの東北の米崎市の検事局に赴任してきた。

5話の短編から構成されている。

第1話 樹を見る

連続放火事件をめぐるもの。県警内部のライバル関係の刑事部長と所轄の警察署長の話も絡めている。

第2話 罪を押す

出所したばかりの男が時計の万引きをしたかどで捕まる。自白もし目撃者もいるが、佐方検事はホシではないと主張する。

第3話 恩を返す

広島の高校時代のクラスメート弥生から佐方にSOSの電話がかかってくる。弥生は結婚を控えて深刻な脅迫を受けている。佐方検事の過去も明らかになっていく。

第4話 拳を握る

東京地検特捜部で与党議員の贈収賄事件を調査するために、全国の地検から検事と検察事務官が応援に駆り出された。その中に佐方検事もいた。

第5話 本懐を知る

佐方検事の父親、佐方陽世の12年前の事件をニュース週刊誌の記者が調べ始める。誰も語らない真実に迫る。

 佐方検事のあくまでも真実を明らかにし、愚直なまでに亡き人との約束を守りぬくという、ぶれない姿勢がさわやかな読後感を与える。しかし、自分の利益のためには動かないというのはいいけれど、えん罪をかぶる必要もないだろう。「男はだまって」といった古風な倫理観に縛られているようで苦しいだろうと思ってしまう。今時の高校生風ではなく、ちょっと古風で子供らしい佐方と弥生の花火をしに行く場面は、広島弁も生きていて、とても楽しい場面になっている。昭和の高校生といったところか。

  「なん?」

  弥生が先を促す。

  佐方は読みかけの本を読みながら、つぶやいた。

  「花火しょうか」

  弥生は耳を疑った。普段より口数が少ないことから、弥生の気持ちが沈んでい

  ることをさっしたのだろう。佐方は読みかけの本を閉じて、弥生を見た。

  「千鳥川の河原で、みんなようしとるじゃろ」

  ・・・・・・・

  玩具屋を出ると、揚げ物も売る近くの肉屋に寄った。

  「ここのコロッケ、揚げたては絶品じゃ」

  佐方はふたつ買うと、ひとつを弥生に差し出した。

 


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読書感想292  盤上の向日葵

2021-01-06 18:16:15 | 小説(日本)

著者  :  柚月裕子

出身地 :  岩手県

出版年 :  2017年

出版社 :  中央公論新社

 

☆☆☆感想☆

年末にNHKでドラマ化したこの作品の最終部分だけを見た。それでお正月に読んでみた。ドラマのほうが登場人物に優しく作られているし、救いがある。小説のほうがもっと悲劇的だ。諏訪の天才児は小学校2年で母は自殺し、味噌職人の父は賭けマージャンに狂い、育児放棄された中で育った。小学校3年で新聞配達するようになるが、配達の途中で捨てられた将棋雑誌を見つけて将棋に開眼する。恩人にプロ棋士への登竜門である奨励会への受験を勧められるが、父親の反対でプロへの道をあきらめる。父親との縁を絶って東大へ進んだ上条桂介は、真剣師という、賭け将棋を仕事にしている東明重慶に会う。紆余曲折の末、上条桂介は30歳すぎてプロ棋士になり、プロの棋戦のひとつを当代きっての実力者と競っている。一方、埼玉の山中で身元不明の白骨死体が見つかる。白骨死体と一緒に名匠の将棋の駒が残されていた。

解説が羽生善治で、真剣師と子供時代に対戦した思い出とか名匠の将棋駒について語っている。将棋の世界の面白さが一層増した。本書の中で将棋を指す場面が多いが、文章ではわかりづらく、盤面を絵図で再現してほしかったなと思ってしまった。いろいろな展開が考えられる小説だが、主人公が気の毒すぎるので別な終わり方にしてほしかった。


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