今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

国立国会図書館vs都立中央図書館

2013年10月07日 | 東京周辺

私は大学受験以来、勉強は図書館でという習慣がついた。
まだその頃は近所の図書館で足りた。
大学の卒論となると、より資料が充実し、長時間の作業に向いている広尾の都立中央図書館
(以下、中央図書館)に通うようになった(当然だが、大学開校期間は大学図書館を使う)。
ここは他の大学生、とりわけおしゃれな女子学生が多く(聖心女子大が近い)、眼福にもなった。

研究者になってからは、論文執筆はすべてパソコンでやるので、
ノートパソコンを持ち込んで作業できる(電源がある)図書館が必要になった。
この条件だと街の図書館はほぼ全滅。
国会図書館もまだそれに対応していなかったので、蔵書検索以外には使えなかった。
いち早くパソコンに対応した都立中央図書館に、それからずっと通った。
かくして、私の図書館通いは大学受験以来、連綿と続き、
ここ数十年は、中央図書館が中心だった。

ただ、たまの休館日の時は、国会図書館しか選択肢がなくなる。
時々利用するうち、国会図書館も次第にパソコンスペースが増えていった。
そして、新館がリニューアルした今年、新館でのパソコンスペースが大幅に増え、
新しい椅子も机も心地よく、国会図書館が僅差でベスト1にのし上った。

ここではさらにノートパソコンで作業する場合に限定した用途で両館を細かく比べてみよう。
まずトータルな電源コンセント付き席数は新館・旧館合わせて国会図書館の方が多い。
新館の席は、1人分に電源が2口あるのでパソコン以外の機器も使う場合に便利。
ただ4人用の大きなテーブルを使えるのは旧館の中の4卓だけなので、その机に限っては中央図書館の方が多くなる。

中央図書館のアドバンテージは、なんといっても日曜も開館していること。
これは大きい。
なので当然日曜は100%中央図書館の利用になる。
それと、4階のフロアでは、ヘッドホンが使える。
つまり音楽聴きながらの作業がOKなのもうれしい。
ついでに4階だけソフトバンクの無線が契約者には使える。
あと、4階でよくちょっとした展示会(無料)が開催されるので、気分転換にいい。
展示会は国会図書館でも開催されるが頻度がずっと少ない。
それと、開架資料も多いので(国会は辞書以外はほとんど閉架)、気分転換の読書もしやすい(とりわけ旅行ガイド)。

国会図書館の席数以外のアドバンテージは、食事の選択肢が多いこと。
食堂が2軒のほか、喫茶室でも昼食がとれ、売店でも和洋の弁当やカップ麺を購入できる(食べるのは食堂内で)。
総じて両館とも私基準で昼食代は500円前後で済む。
中央図書館では私には「広東麺」(480円)と「揚げ焼そば」(580円)しか選択肢がないが、
国会図書館では目玉焼きの乗った焼そば(400円)で満足できる。
そばの天ぷらも自分で選べる(少々割高だが)。
国会図書館のメニューでは「国会丼」(カレーと牛丼の二色丼)というオリジナルメニューが話題になった。
新館だとソファも数ヶ所に置いてあり、そこに体を沈めてゆったり読書できるのもいい
(ただし先客がいること多く、しかも睡眠中なのでなかなか動かない)。

国会図書館のデメリット
は、まずは入館規制が厳しいこと
(初回利用時に登録して利用カードを発行してもらう)。
持込めるバッグの大きさがB5の面積までなので、それ以上の荷物はロッカーにしまう必要がある
(中央図書館にも規制はあるがもっとゆるい)。
私はこれにパスするために、規制に合うバッグをわざわざ買った。
まさに許容限界サイズなので、入り口でよく警備員に呼び止められて、バッグにチェック用のB5図版を当てられて、
うーんとうなった後OKをもらう(ちょっとバッグが膨らんでいると規制外に見えてしまう)。
うっかりヘッドホンをしたまま入ろうとした時は、中央図書館では耳からはずせと言われるだけだが、
国会図書館ではヘッドホンを持ち込まずにロッカーにしまうよう要求される※。
すなわちヘッドホンをその場でバッグに入れるのも許されない。

※その後、国会図書館(新館)でもヘッドホン使用がOKになった。

もうひとつ大きな欠点は、夏の空調が弱いこと。
省エネ基準の28℃に設定してあるのだろう※。
人やパソコンの熱源が入るとさらに高くなってしまう。
暑さ、とりわけ蒸し暑さは集中する頭脳労働には不向きなのに。
中央図書館はその点、涼しく感じられる空調にしてある。
もっとも、歩いてきた直後は着席して汗が出て扇ぎたくなる(実際、今日も暑かった)、
ただ、しばらくして体が落ち着くと、なんとかしのげる。
夏季に利用する時は扇子を持参する。

※これも改善され、扇子は不要。

あと、ごく希だが、国会図書館では職員や警備員にどなり散らしている客を見かけることがある。
”国立国会”図書館側の”権力”行使に不満を爆発している様子だ。
実際には、館内の人たちは委託の人たちが多いので、ちゃんと客に対する応対をする
(そういえば私も資料複写で文句を言った覚えがある)。

客の年齢層は中央図書館の方が若い(国会図書館は16歳以上という年齢制限がある)。
そうそう、客層でいえば、中央図書館には、簿記の勉強にくる人がいて、
同じ4人掛けのテーブルに着かれると、電卓の音と震動に悩まされる。
なんであんなに力を込めて電卓を打つのだろう。
国会図書館の新館は一人用卓なので、少なくとも振動からは逃れられる。
第一、簿記の勉強に来る人が見当たらない。

中央図書館は有栖川公園内にあるので、退館後に林や池の周囲を散歩できる(入館中の一時退館は不可)。
広尾での買い物(外人用のスーパーやMEIDIAがある)でもいいが、
私は地下鉄の運賃を1区画分安くするために六本木まで歩く。

国会図書館は道路の向側が国会議事堂。
もちろん、議員会館や首相官邸も近い(たから路上の警官が多い)。
憲政記念館も道路の向こうで、そのまま皇居の向かいまで公園になっている。
両館とも周囲の環境は散歩向き。

かくして甲乙つけがたいが、席と飯で国会図書館に軍配が上る。
家から地下鉄で1区間分安いのも理由の1つだ。
帰京した時、平日は国会図書館、日曜は中央図書館と使い分けている。

※この記事の続編に「国会図書館のアドバンテージ」(2014/2/24)を追加したのでそちらもよろしく。


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