串カツ子の旅日記

美しい国、日本。まだまだ見たい所がいっぱい。
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青根温泉 不忘閣の風呂

2015年01月11日 | 宿-東北

 伊達藩の御殿湯を守り21代目というご当主の温泉に対する想いがひしと伝わる風呂揃いだった。

まずは前回宿泊時には工事中だった大湯から。

今回、宿泊者はそう多くないという事で、3ケ所の風呂が貸切対応となった。

混雑時には時間によって男女入れ替え制となる。

一人で大湯へ行った私、浴室の戸を開け思わず「おぉ~」っと声が出た。

広い、泳げそうな長さの湯船に毎分50Lもの源泉が投入され掛け流しにされている。

使われている木は青森ひば、内壁の土は茶室の炉を造るのにつかわれるもので、京都の稲荷山から運ばれた。

この土、火が当たると赤く染まるので、火伏せの意味で熱したものが使われている。

湯船は1546年に造られた古い石組みの浴槽をそのまま使っている。

以前はしきりを設けた男女別の共同浴場だったが、その当時の事は私は知らない。

2006年、老朽化のため町は別の場所に共同浴場を造ったが、壊してしまうのはもったいないと、
不忘閣が土地を借りて2年の歳月をかけこの宿泊者専用の大湯を造られた。 

石鹸類は使えない。湯と雰囲気を味わう。

蔵の湯も貸切対応だった。

部屋に一番近い風呂だが、いったん外へ出て、いくつかの蔵の前を通り最奥へ。

 蔵は3棟あったかな?

使っていない蔵を風呂に変えてしまうそのアイデァに驚く。

広い蔵の奥に鎮座する湯船。

奥に脱衣カゴ。

こちらも石鹸類はなく、湯を楽しむ。

フロント横に「大湯」「新湯」「蔵の湯」と、貸切対応になる風呂の札が置かれている。

3つ札が揃っているのは、どの風呂も空いているという事で、入りたい風呂の札を持って浴室へ。

浴室前に置かれた台の上に札を置くと、使用中という合図で、風呂から出た時は必ず持ち帰り、フロント横に返却しなければいけない。

この台の上には、混雑時に男女別になる時間帯が書かれている。

連泊だった男性、前日は男女別だったので、そのつもりで札も置かず入浴されていた。

そこへ私が「空いているわ・・・」と、浴室へ。

「おぉ~、見てはいけない。」私も驚いたがその男性も「宿からそんな事聞いていなかった。」と。

宿側もちゃんと説明しなくちゃ。

新湯は建物の一番奥にあり、更に階段を下る。

こちらも古くからある湯船のようで、石造りの湯船が一つあるだけ。

シャンプーが置かれていた。

シャンプー類が使えるのは、男女別の「御殿湯」だけと聞いていたが・・・。

チェックイン時女性用だった「御殿湯」。

カランは1ケ所あるのみ。

混雑した時、女性には辛い。

男女の入れ替えは、20:00と8:00。

20:00~8:00までは女性用となった一方の「御殿湯」。

やはりカランは1ケ所あるのみ。

湯は単純泉で、飲むとごくわずか塩味を感じ、湖沼臭に近い香りがし、ややとろみを感じる。

半露天の「亥之輔の湯」は、青根御殿への渡り廊下の下に造られている。

露天風呂はこの1ケ所だけで、青根御殿の石組みしか見えない眺めはいただけないが、当時の石組みを見てるのも興味深いかも。

こちらは札はなく、中から施錠して貸切対応。

 廊下に興味深いものが架かっていた。

今なら当たり前の事ばかりだが、当時はこういう注意書きも必要だったんだと、ほほえましく眺めた。

貸切対応の風呂も含めて全ての浴室が一晩中解放されている。

おまけにどの湯船も源泉掛け流し。

カラン・シャワーが1ケ所しかないという不便さはあるが、温泉、湯を楽しむ事においてはピカ一の宿だ。

 


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