阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

農業で儲ける! 「めっけもん広場」の挑戦

2008年11月16日 07時48分04秒 | 政治
 連日、農家を中心に訪問し、お話を伺う活動を続けています。「農業では食べていけやん」そんな悲痛な声を聞く毎日ですが、「農業は儲かる!」と自信満々な人もいます。

 金曜日、紀の川市那賀にある「めっけもん広場」を訪ね、創設者の児玉典男さんにお話を伺いました。ここは、農家が農産物を直接販売する直売所とは異なり、スーパーの売り場に直接農産物を出荷する「出張型」の直売システムで地元の農作物を販売しています。児玉さんは改革者としての自信にあふれ、また、農作物を売りに来る方々も笑顔でいっぱいで、希望を持って農業をしているのが印象的でした

 このシステムを一言で表現すると「流通改革」です。

 JAなどの卸売市場流通では、出荷団体や卸売市場、仲卸、スーパーなどが間に入ります。小売りの店頭に多種多様な農作物が並ぶのはこうした仕組みが機能しているからだと思います。しかし、間に入る業者が多いほど農家の利益は減っていき、その結果農業が疲弊してしまっているのです。一方、このシステムでは、農家が集荷場に持ち込んだ作物をめっけもん広場が販売所(スーパーなど)に配送します。従って、中間のマージンが発生せず、農家の手取りは約50%と、従来の倍の利益が確保できるということです。

 「農家の時給は250円から400円と言われています。その一方で仲買いの業者が時給700円で商品のパッケージなどを作っているんですよ。こういう部分を自分でやればいいんです」

 「農家はJAとも付き合っていますよ。外見が一級品のものはJAに卸し、味は変わらないけど外見が二級品のものを持ってくるんです。でも、農家の手取りはこちらに卸す外見二級品の方が遥かにいいんです」
 
 「1000万円をかけてシステムを開発しました。農家は、農作物がどのような値段で、どれぐらい売れたか、すぐにわかるようになっています」

 このシステムのおかげで収穫の調整、品種の選択などが可能になるのでしょう。

 児玉さんは農業の研究者であるとともに、法律、経営、そしてITの知識で理論武装した最強のコンサルタントとも感じました。そして、その根幹には、「農家が儲かる」「農家が自立できる」農業システムを新たな選択肢として提供したい!そんな使命感、熱い思いを感じました。

 児玉さんとはメールを頂いたことがきっかけで知り合い、活動中に偶然出会った時にも意見交換をしました。自信たっぷりでオープンマインド。メッセージの塊のような人と感じました。

 私自身、流通システムに搾取される貧しい農家を支援する活動をフェアトレードを通してカンボジアなどの農家を対象に行っていた経験があり、とても共感しました。農業システムの在り方についても、さらに勉強を続けましょう! 

 (JA紀の里にも「めっけもん広場」があり、こちらも国内・海外からの視察が殺到するほど大きな成果をあげています。ややこしいのですが、これらは異なる団体です!)




 写真:この文章には直接関係ありませんが、四郷の吊るし柿です。