水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

人間像

2024年03月01日 | 学年だよりなど
3学年だより「人間像」




 筋トレ、メンタルトレ関係の本をたくさん書かれているテストステロン氏は、「人間を信頼していない」という。
 なぜか。
 そもそも「人間が弱い生き物だと知っているから」だと。
 だから、かりに友人が悪い事をしてメディアでバッシングされたとき、「あいつがそんなことをするはずがない」などとは絶対言わないそうだ。




~ どれだけ立派な人間でも魔が差す事はある。
 第一に、人間は環境に強く影響される。特殊な環境下に置かれ、普段なら絶対に取らないであろう行動を取ってしまうような外圧が高いとき、人間の自制心やモラルなんてもんは簡単に崩れ去る。俺にも自制心とモラルはあるが、今後の人生で自分が自制心やモラルに反する事を絶対にしないなんていう自信は一切ない。自分の事すら確信が持てないのに、他者に確信など持てるはずがない。俺が悪い事をしなくて済んでいるのは、環境に恵まれているから。こっち側と向こう側なんて、紙一重だと思っている。
 第二に、人間の脳は暴走する事がある。慢性的な睡眠不足だったり、ストレスがかかりすぎたりしていると、自分自身の制御が効かなくなる。制御が効くのであればアルコール依存症も摂食障害も存在しないはずだ。人間には、正しいと思っているわけでもないしやりたいと思っているわけでもないのに、その行為を避けられない、どうしてもやってしまうという事が往々にしてあるのだ。そこに論理は存在しない。そういうもんなのだ。
 第三に、他人が腹の底で何を考えているかなんて絶対にわからない。絶対にだ。
 ということで、俺は基本的に人間を信じてない。なんなら、自分の事すら信じられていない。
 では、俺は人間が嫌いなのか?というと、そんな事はない。むしろ、大好きだ。 (Testosterone「X」)~






 この先、いろんな人に出会うだろう。
 自分の想定している「人間像」が狭いままだと、想定外の人に出会ったときに、とまどい、圧倒され、ときに傷つく。
 「そんな人はいるはずがない」ではなく「こんな人もいるんだ」と受けとめていけるようになることが、大人への大事な階段だと思う。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« その後の成瀬(3) | トップ | 何をやるか »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

学年だよりなど」カテゴリの最新記事