透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

突き上げ屋根

2011-09-28 | A あれこれ


民家 昔の記録 791021撮影

 先日東京した時、電車の窓から火の見櫓をさがしていたことは既に書きました。数年前までは諏訪から茅野にかけては「たてぐるみ」と呼ばれる、土蔵とすまいが一体になった民家や「つまだれ」をさがし、甲府駅を過ぎ、塩山辺りになると「櫓造り」と呼ばれる民家をさがしたものでした。

1979年ですから、もう30年以上も前のこと、塩山駅で途中下車をして櫓造りの民家を見てまわったことがありました。当時でも茅葺きの民家は既に少なく、トタン(着色亜鉛鉄板)葺きの民家が大半でした。日帰り東京記2に載せた写真がベストですが、今回は別の写真を載せます。

この民家は突き上げ棟の原形を思わせる小屋根と瓦葺きの「突き上げ屋根」を組み合わせています。棟はトタンで包んでありますが、昔は芝棟だったことを示す資料(下)があります。


木版画(甲斐桃源/山高 登)  2008年のカレンダー

これはいつ頃の風景を描いた作品でしょう。火の見櫓も立っています! こんな風景が今も残っていたら・・・。ああ、消えゆく民家、消えゆく火の見櫓・・・。



「たてぐるみ」の民家  7905撮影




群馬県水上町(現 みなかみ町)の突き上げ屋根の民家 7910撮影

塩山の民家は切妻屋根ですが、水上の屋根の妻側はかぶと造りです。突き上げ屋根を支える構造などは両者よく似ています。