透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

二十三夜塔

2011-09-23 | B 石神・石仏


松本市里山辺にて 110923

 月は古来から日々の暮らしと密接なつながりがあった。立ち待ち月、居待ち月、寝待ち月、更け待ち月・・・。江戸時代には「月待ち」の行事が全国的に行われるようになった。

供養のしるしとして二十三夜塔、二十六夜塔などが建てられた。二十三夜講の晩(十月二十三日)には集落(地縁的な講とした方が正確か)ごとに当番の家に集まって、夜月(月の出は11時頃と遅い)に農作物の収穫を祈念し、酒を飲み、歌い、談じた。このような月待講は昭和初期までは行われていたようだが、その後次第に行われなくなった。

二十三夜塔は道祖神の隣に祀られていることが多く、よく目にしていた(写真には写っていないが、常夜灯の右側に道祖神が立っている)。一体何だろうとずっと思っていたが、先日長野で買い求めた本(下の写真)でその意味が分かった。


メモ
二十三夜塔は本尊として勢至菩薩を祀った。


本稿の参考文献 『道祖の神と石神様たち』 西川久寿男/穂高神社発行