透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

― ランドマーク

2011-09-01 | A 火の見櫓っておもしろい




幕末の浮世絵師・歌川国芳の作品「東都三ツ股の図」

 毎朝、NHKBSで7時半から「おひさま」をみています。昨日(31日)は杏子ちゃんのかわいそうな境遇に涙しました。

「おひさま」の前の「額縁をくぐって物語の中へ」という15分番組で名画の解説をしています。この番組がなかなかおもしろいんです。昨日(31日)はこの作品を取り上げていました。隅田川の岸で舟底をこがす職人がふたり。こうすると舟が腐りにくくなるんだそうです。川の中では漁師が貝をとっています。以前もここに取り上げた浮世絵です。

対岸の塔状の工作物、右はスカイツリーだ!と話題になりました。番組ではこれは井戸を掘るための仮設の櫓ではないか、と解説していました。この説は前にも何かで読んだ記憶があります。左側は実在した「火の見櫓」だそうで、高さは5間、およそ9メートルだそうです。このころは建物はみな木造、2階建てどまりですから火の見櫓の高さとしてはこの位で十分だったのでしょう。2基とも高さが随分誇張されています。火の見櫓が江戸のまちのランドマークとして意識されていたことがこの絵から窺えます。

ランドマーク・・・、火の見櫓がランドマークであることは昔も今も変わりありません。江戸という都市全体のランドマークといえば富士山でしょう。同様に安曇野のランドマークといえば常念岳と有明山でしょうが、もっと身近な地域のランドマークとしての火の見櫓の凛とした姿が遠くからでも見えます。