強い夏の日差しの中でニオイバンマツリが咲きました。 本来5月に咲く花です。 この木も、もちろん5月にも咲きました。
5月の雨に濡れたニオイバンマツリ。
おもしろいのは、一本の木に、紫や、薄紫や、白の花が咲くことです。 そして良い匂いがします。
ある学校に勤務していたとき、通勤途中の畑に大きなニオイバンマツリの木がありました。 そして5月中旬になると花が咲き始めるのですが、木全体が紫の花で埋まってしまいます。 毎年この木を見るのは楽しみでした。
今年の5月、久しぶりにこの木を見たくて会いに行きました。ところが・・・・・・
なんということ。 あの大きな木がありません。 そのかわりに小さな木が2,3本あの木のあった当たりに生えていました。 もしかしたら古い木は枯れてしまったのかもしれません。 ちゃんと跡継ぎを植えているところを見ると、このうちの人もこの木が大好きだったのでしょう。
この木を見た人は皆好きになるようで、隣近所どの家もニオイバンマツリを植えていたりします。 わたしもあちこち探し求めてようやく手頃な木を買い求めました。
植えた次の年、2,3輪の花が咲いただけでしたが、5年たった今はこんなに花をつけました。
5月のニオイバンマツリです。
夏に咲いた花は、さすがに5月の半分くらいしかありません。 この日差しの中ではかわいそうな気もします。やはりこの花はさわやかな5月が似合いそう。
ところで、なぜいろいろな色の花が咲くのかですが、最初から色の違う花が咲くのではなく、どうもひとつの花がだんだん色を変えていくようなのです。 初めは濃い紫色、それが咲いてからしばらくたつと薄い色になって、枯れ落ちる前には白い花になってしまうようです。
たとえば、あるおうちの庭先で見つけたニオイバンマツリ。
ほとんどが白い花で、一部枯れかけています。
昔、お花の先生が、紫の色は色変わりしやすいので婚礼の席には活けないようにと言われたことを思い出します。 色変わり=心変わりなんだそうです。 紫の色が変わりやすいって本当だったんですね。