情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

弁護士会は、裁判員110番を行わないのか?~誘導されたら苦情はどこが受け付けるのか?

2009-05-31 05:51:10 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 証人尋問などが終わった後で、裁判員と裁判官が有罪か無罪か、刑罰はどの程度にするかを決める評議が行われるが、そこで知識・経験に優れた裁判官が裁判員を誘導するおそれがあるのではないか、ということが心配されている。この心配に対し、裁判所はウェブサイトで、【そのようなことはありません。事件について裁判員と裁判官が議論(評議)する際,裁判長は,裁判員に対して必要な法令に関する説明を丁寧に行うとともに,評議が裁判員に分かりやすいものとなるように整理し,裁判員が発言する機会を十分に設けるなど,裁判員がその仕事を十分に行えるように配慮しなければならないとされています。裁判員制度には,法律の専門家ではない裁判員の経験,感覚を裁判に生かすという目的がありますので,裁判官は,評議において,裁判員が気軽に意見を言えるような雰囲気を作るとともに,裁判員の意見を先に聴くなど,裁判員に意見を十分に述べてもらえるような工夫をすることになります。】と回答している。

 しかし、誘導しないように努力しているから、その心配はないというのでは不十分だ。当然、制度上、誘導しないことを裏付ける仕組みが必要だ。たとえば、評議を録音することが考えられよう。もちろん、録音すると、評議で自由に発言できなくなるという批判がでるだろう。

 そこで、弁護士会が、裁判員110番を行ってはどうか?具体的な事件の内容を話すことはできないかもしれないが、誘導されたときにどうふるまうかという一般論であれば、十分対応できるし、そういう窓口があることだけでも、裁判官が誘導することを躊躇するだろう。

 できれば、法務省、裁判所、日弁連で協議して、守秘義務を解除してでも相談できる場を設けるべきだ。もちろん、事件の内容に踏み込んでまで相談することはでいないにしても、特定の裁判で、裁判官が誘導していることを告発できれば、その裁判官に対し、そのような告発が来ていることが伝わり、以後は、誘導を差し控えるのではないだろうか。

 評議が一日で終わることが多いため、実際には、評議途中での告発が可能かどうかは不明だが、本格的な評議に入る前の承認尋問後の軽い打ち合わせのような場における裁判官の態度などを告発することで、本番の評議の場がずいぶん違ってくるかもしれない。

 精神論だけでなく、仕組みが必要だ。裁判員制度を良くするために、その仕組みの一環として、弁護士会は、裁判員110番を実施してほしい。まじに、そうしないと、個別の弁護士のところに、いろいろな相談が直接来ることになるだろう。その際、いやぁ、あなたには守秘義務があるから、相談を受けるわけにはいかない…というわけにもいかんでしょう?

 そうそう、仕組み、といえば、遅れて民主化されたがゆえに、先進的な民主的システムが備わっている韓国の視察に、本日出発します。場所はソウルです。昼と夜は、視察で結構忙しいので、深夜でも楽しめるスポットや夜食のうまい店などあったら、ぜひ、コメント欄で教えてください。



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