情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

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弁護士に岡っ引きになれというのか! パート7:日切れ扱い法案として密告義務化法案を強引に採決へ

2007-01-21 03:00:01 | ゲートキーパー(一億総密告社会)制度
 朝日新聞(←クリック)によると、【犯罪組織のマネーロンダリング(資金洗浄)などを防ぐ社会の「門番役」として、弁護士らに「疑わしい取引」の届け出を義務づける「ゲートキーパー(門番)法案」(犯罪収益移転防止法案)について、政府が年度内の成立を目指す「日切れ扱い法案」として2月上旬に提出し、3月中のスピード成立を図る構えでいることがわかった】という。

 聞き慣れない言葉だが、【「日切れ法案」や「日切れ扱い法案」は、予算措置を伴い、年度初めから予算執行しなければ国民の生活に支障が出る緊急性がある法案が主な対象。ほかの法案に優先して審議に入り、長く審議をしないまま「特急」で処理されるのが通例だ。】という。

 したがって、【「刑事弁護などで鋭い緊張関係に立つ警察への密告を強制される」などとして弁護士会が反対を強める中で、与野党の意見が割れる「対立法案」が対象になるのは珍しい。】らしいのだ。

 確かに【今回の法案では、関連経費が07年度の警察庁予算に計上されている】ため、それを理由に「日切れ扱い法案」とすることは可能かもしれない。すなわち、これまでは疑わしい取引に関する情報を集約・分析・提供する業務を行う資金情報機関(FIU)は金融庁に置いていたが、次年度から国家公安委員会(=警察庁)に移行するため、法案が成立しないと金融庁に予算がついていないため、業務が滞るという問題があるのは事実だから、それを避けるために、仕方なく日切れ扱い法案とするということもありうるわけだ。

 しかし、FIUを警察庁に移すというだけでも重大な問題があるわけで、それが国会で採決されてないのに、それを前提に予算を組むということ自体が問題なわけだ。順番が違うだろう。政府がしていることは、北朝鮮などの独裁国家と何ら変わらない。

 本来であれば、来年度の予算に警察庁への移行は組み込まず、法案が成立してから、再来年度予算に移行を組み込めば足りるのだ。

 あえて、予算措置を先行させた上で、日切れ扱いにしたことについて【「おざなりな審議で通してしまおうという意図を感じる」とする声が出ている】のは当然だろう。【野党側は「これほど露骨な日切れ扱い法案が出るのは最近例がない」として、議院運営委員会で法案の扱いを問題視する構えを見せている。】らしいので、頑張ってほしい。

 さらに朝日新聞は、密告が義務づけられる業種について【弁護士や司法書士、行政書士、宅地建物取引業者、クレジットカード業者など当初案で対象だった事業者のほかに、「郵便物受取業者」「電話受け付けサービス業者」が新たに加わった】ため、50業種以上となったと報じている。

 密告を義務づける制度を強引に通す政府…これって許していいの?完全に選挙民を馬鹿にしていない?


※写真はこちら(←クリック)より









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★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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