情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

聖武天皇いわく~人民が多く罪におちている責任は朕一人にあり、よろしく寛大に罪を許し長寿を全うさせよ

2009-10-12 14:02:00 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 天皇の権威を利用するつもりはないが、奈良の大仏を建立したことで有名な聖武天皇は、罪を犯す人がいることは自分の政治が不十分なためであると考え、何度か恩赦を繰り返している。犯罪を犯した者を死刑・厳罰にすることで、責任逃れをしてきた自民党政権、その責任逃れ政策にまんまと乗せられたメディア及び市民に、聖武天皇の次の言葉を贈りたい。

「朕が人民をいつくしみ育てることになってから何年かたった。しかし教化はまだ充分でなく、牢獄は空となっていない。夜通し寝ることも忘れて、このことについて憂えなやんでいる。この頃天変がしきりに起こり、地はしばしば震動する。まことに朕の教導が明らかでないために、人民が多く罪におちている。その責任は朕一人にあって、多くの民に関わるものではない。よろしく寛大に罪を許して長寿を全うさせ、きずや汚れを洗い流し、自ら更生することを求め、天下に大赦を行なう。ただし八虐や故意の殺人、謀殺の実行犯、別勅による長期の拘禁者、強盗で人を、傷つけた者、官人・史生の違法の収賄、管轄する所から盗んだ者、誤って人を死んだことにしたり、良人をさらってとしたり、強盗・窃盗など、通常の赦で許されないものはこの対象に入れない」(続日本紀(上)宇治谷孟訳)


 さらに、聖武天皇の前の天皇、元正天皇は、次のように語っている。

 「朕ははるかに千年の歴史を思い、広く学問の諸流を見て、くわしく政治の方法を考えてみたが、あわれみと思いやりに基づく方式より勝れたものはない。それ故遠方の地域も差別することなく、あわれみ恵み、国内の隅々まで慈しみ育てる思いやりを及ぼした。今、有司の奏言によると、諸国の罪人はすべてで41人、法に照らすと全員流罪以上に当る者であるという。朕はこの秦言を聞いて大へんこれを哀れに思う。国中何処でも罪を犯す者があれば、その責任は吾一人にある。そこで奏上された在任およびその罪にかかわりのあった者は、全員認釈放せよ。あとから取り調べすることも禁ずる」(同上)

 なぜ、罪を犯すことになったのか、厳罰に走っている裁判員裁判でも、この二人の天皇の議論が戦わされているのだろうか…


【追記】
 聖武天皇ら2天皇の語録について、殺された政敵の祟りを恐れていただけであり、そんなにほめられた話ではない、というご指摘をいただいた。そういうレスがあるだろうな~と思っていました。その通りなんですね。動機としてはけっして褒められたものではなかったかもしれません。ただ、為政者が自分で責任をとり、被疑者・被告人・受刑者を解放するということをいまの為政者は国にすらできないわけですから…。
 



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