情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

右翼と政治エリートの関係からファッショ化を解き明かす~梓澤弁護士の読書日記から

2007-02-19 23:11:22 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 梓澤和幸弁護士の読書日記に興味深い記述(下記引用)を見つけた。モブ (mobー暴徒)と堕落する政治エリートの関係から社会全体のファッショ化の起源を解き明かすというものである。NHK番組改編事件の判決にその深い意義が見られるという。確かにこの判決は、登場人物からしても、ファッショ化に向けた動きへの警鐘と言えなくもない。

■■引用開始■■

 次は池明観氏の 「日本の右傾化と日韓関係」 というタイトルのものである。
NHK番組改変事件の判決 (東京高裁07年2月29日) の評価の糸口を得ることのできた文章であった。
  池 (チ) 氏は、ハンナアーレントの著作 (全体主義の起源 みすず書房) をひいてモブ (mobー暴徒) と社会全体のファッショ化の関連を説く。

  日本でいうと右翼団体と政治エリート、知的エリートの関係である。

  「──このように考えてみれば、今日の日本の右傾化について思い当たる節が少なくないのではなかろうか。「新しい教科書をつくる会」 の声は、最初は 「あらゆる階級的脱落者」すなわち日本の正常な社会領域では受け入れられない者たちのあまり問題にならない憤懣の声と考えられていたかもしれない。中略 しかしそれが資本と結び、政治勢力となって無視できないものとなっただけでなく衰退期に入った政治勢力がそれにたよるようにまでなってくるのである。このような道筋はかって (の) 戦前の日本の右傾化と今日の右傾化においてほとんどかわらないものといわねばならない。(世界憲法論集 413ページ)」

  ある概念を獲得するとそれですうっと何かが可視的になるということがあるものである。これを私は内田義彦先生の 「作品としての社会科学」(岩波書店) から学んだのだが、池明観氏の論稿は目の前をすっと明るくしてくれるものであった。

  NHK事件判決の意義、とくに放送局の幹部らが官邸の副官房長室で安部副官房長官と会い、政治家の従軍慰安婦問題についての持論を聞き、公正中立の立場で放送すべきとの指摘を聞いてから後、番組がぼろぼろと崩壊してゆくさまを詳細に認定したくだりの評価のうえでこの指摘を生かせると思った。

■■引用終了■■









★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
×:日本の右傾化 (宇宙戦士バルディオス)
2007-02-23 22:18:00
○:左傾化からの脱却

 これまで朝日新聞やらTBSやらが並べて来た嘘が、ネットの発達によって、素人にも容易に暴かれ、たちどころにさらし上げされるようになった。
 パンピーが「騙されていた!」と気がつくようになった。それが、騙していた側からすれば、自分達に対する批判が、現実を直視する勇気がないため、軍靴の音に聞こえるだけ。
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意気地なしの宇宙戦士さんへ (ヤメ蚊)
2007-02-24 07:01:05
継続的にコメントするなら、ブログか何か立ち上げて同一性くらいは分かるようにして下さいねってお願いしているのに、そのことは無視をして、幼稚な議論を繰り返すのはそろそろご遠慮下さい。いまの政策が一般市民のためになるのか、そうでないかは明白でしょう。組合潰し、弱者保護切り捨て…。

一体、誰が何のために誰をどのように騙していたというのか?

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そんなことも、分りませんか (宇宙戦士バルディオス)
2007-02-24 09:28:27
>一体、誰が何のために誰をどのように騙していたというのか?

 どうせ読まないでしょうけど、稲垣武『「悪魔祓い」の戦後史―進歩的文化人の言論と責任』(文春文庫)には、これでもか、これでもか、というくらいに戦後犯罪のA級戦犯たちが実名でどんなことを言って世間を騙していたか、その背後にはどのような動機や理由があったかが解明されているので、ご紹介だけしておきます。
 これを読まずとも、NEWS23という報道を装ったお笑い番組を見れば、筑紫哲也というジャーナリストを名乗るコメディアンが、自己の親中・親朝感情から、毎晩連発する偏向ギャグを手軽に実視できまつよ。
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Unknown (冥王星)
2007-02-24 15:25:19
宇宙戦士バルディオスさんよ・・あんたも数多くの”うそ”を並べ立てる人間なんだが?俺の質問に全て回答できたいかい?
そういう高説できるならば、俺程度の質問に明確に十全を尽くして回答してからやればいいよ・・説得力を誰も感じてないし
一応確認しておくけど、
<貨幣信用は政府の信用と合致すること>
(その反証として)①フランス政治の事例、②中央銀行と政府の独立性の目的とその事例としてのアメリカ通貨、③北朝鮮のような内部支持の構造があっても貨幣政策が失敗すれば、貨幣信用が失墜する事例など列記ししたが反論さえないのだが?
こんなのは、初頭国際政治学の部類だよ。あんた、それも知らないで国際法を語る詐欺師なんだから、信用される素地なんかないよ・・言っちゃ悪いが、大学の国際関係学(一般教養の部類の話だ)
実際、反論できてないし、そういうヘタレを相手しても仕方ないけど、まともに反論できない奴が高説しても何も影響力がないことだけは指摘しておく
価値観の差異で見解が違っても、あんたのように事実を歪曲する人間とは価値観が一緒でも許容できないのが冥王星のスタンスなので、あしからず。(結局、反論しにこいないヘタレという事実が残るだけのこと)

ヤメ氏も他者にブログを強制するのは、筋違いじゃないだろうか?当事者の発言の自由を制約したいなら、ブログ主としてすればいいだろうし、晒すように同じコメントを重複させることに対外的な意味があるのだろうか?こういうのをマルチポストの類似系だと思うのだが、いかがだろうか?
もっと言えば、あなたが他者のブログをみて反論することがあるのでしょうか?
冥王星のブログでも心霊問題で反論しましたが、あなたはTBは送付しても反論はしなかったわけで、そういう意味では、このヘタレがブログを開設しても見ない、反論しないでは、無意味だと思うのだが、指摘に対する整合性はつけるのだろうか?
そういう部分で指摘すれば、言ってることに道理が通っているとは冥王星からすれば考えられない。これは悪意ではなく、純粋に自分がこのヘタレの立場になった場合での反論である。
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一言だけ (宇宙戦士バルディオス)
2007-02-25 01:40:49
>(その反証として)①フランス政治の事例、②中央銀行と政府の独立性の目的とその事例としてのアメリカ通貨、③北朝鮮のような内部支持の構造があっても貨幣政策が失敗すれば、貨幣信用が失墜する事例など列記ししたが反論さえないのだが?

 反論はしたつもりだが、分らないなら今一度。
 信頼するしないと、好き嫌いは全く別。
 嫌いだが信頼する。これは、パレスチナを含めアラブの米国に対する心証。だから、パレスチナ和平で、パレスチナもイスラエルも結局は米国を仲介者として期待するし、それが故ドルは中東でも信頼を確保している。
 好きだが信頼しない。これは、日本のブサヨクの特定アジアに対する本音。だから、土井たか子も辻元清美も若宮敬文も、財産の一部を人民元やウォンで持とうとは絶対にしない。
 君の反証は、反証になっていないよ。
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この世は銭でおます。 (田仁)
2007-02-25 15:37:29
銭が如何に回るかで、右翼団体の命運も左右されるって法則も、付け加えてあげて下さい、ヤメ蚊(ブン)様。
かの国粋会会長が、政治信条と無関係に死を迎えた事は、間違いない事実でしょう。
(多分、サーベランスと関係あるんでしょ?)
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