情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

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強い「番犬」を飼う覚悟がありますか?~政権からの圧力に耐えるメディアを!

2009-03-11 19:54:06 | インターネットとメディア
 駒村圭吾教授慶応大学・法科大学院教授(憲法学)が2001年に著した「ジャーナリズムの法理」の59頁に、いまの市民に向けた強烈なメッセージが掲載されている。

【批判精神・真実究明という使命を果たそうとするジャーナリストの緊張感を社会一般が理解することがどうしても不可欠になる。強い「番犬」を飼おうとすれば、飼い主にもそれなりの覚悟が必要になる。】

 ここでいう覚悟とは、何だろうか?

 駒村教授は、前提となるジャーナリズムの役割について次のように語っている。

【批判精神・真実究明という使命は、ジャーナリストを規範の臨界に立たせる。善と悪、真実と虚偽、正統と異端などの判断の臨界に位置する機能であるからこそ、ジャーナリズムは「強い」のである。しかし、ジャーナリストが規範の臨界に立つということは、社会規範の破壊者として振る舞うことを意味しない。ジャーナリズムが規範衝突・義務衝突を来したとしても、それは批判精神・真実究明の観点から正当化されなければならない。一見すると市民感情を逆なでし社会通念を破壊するような報道を、ジャーナリズムは批判精神・真実究明という使命から正当化する責務を社会に負っている】

 そして、駒村教授は、それゆえにジャーナリストは、説明責任を引き受けなければならないという。

 ただし、社会が冷静に対応せず断罪し続ける場合があることを指摘し、そのような場合には、同業のジャーナリストが冷静に見守る必要があるという。

 【説明責任の遂行、ひいては批判的精神・真実究明の使命の貫徹に不可欠なのは、ジャーナリズム全体がそのような使命を共有しており、そのような使命の遂行の努力を相互に尊重するという信頼なのではないか。
 義務衝突のなかでも放棄版との衝突の場合、公権力は強制力を持って迫ってくるわけで、ジャーナリズムの相互信頼と結束が特に重要になってくる。しかし、法令という実定化された明確な社会規範に対する審判行為を擁護するのはなかなか難しい】


 いまのマスメディアは、果たして、説明責任を果たしているだろうか?権力に襲いかかられる同業者につぶてを投げていないだろうか?

 そして、私たち市民は、ジャーナリストの義務衝突の意味を考え、それが番犬の「強さ」につながることを理解することができているだろうか?

 ひるがえって、今回の小沢問題を理解することの難しさと重なるようにも思う。

 形式的とはいえ違法な献金を受けること、その金額から漂う利益誘導の臭い…それらを批判することは極めて容易だ。

 しかし、たとえば、日本経済団体連合会の2004年度の会員企業団体の政治献金は、自民党向けが22億2000万円であったのに対し、民主党向けはわずか6000万円、2006年の献金額でも、自民党向けの25億3000万円に対し、民主党向けは8000万円にとどまっていること、などを十分に理解しつつ、今回の事件を冷静に眺めることは、単に批判することよりもはるかに難しい。

 私たちがその難しい道を意図的に選ばない限り、私たちは表だけでも20億円以上を寄付する団体に支えられている政党を政権から引きずりおろし、透明度の高い政治を実現することはできない。

 いま、私たちの「飼い主」としての覚悟がまさに問われているし、報道機関にも番犬たり得る資格があるのかが、問われている。
 






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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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