情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

えん罪乱発支援システム~警察庁のDNA型記録検索システム

2005-12-01 04:58:14 | 適正手続(裁判員・可視化など)
警察庁がDNA型記録検索システムに関する情報を自らのウェブサイトに掲載し、システムの概要が明らかとなった。このシステムは、犯行現場に残された遺留品から検出されたDNA型とこれまでに蓄積された被疑者らのDNA型を比較し、犯人の割り出しをしようというものだ。このシステムについては、運用に気を付けないと簡単にえん罪事件を引き起こしてしまうことは前にもここここで指摘していた。

さらに、今回の警察庁のウェブサイトからとんでもないことが分かった。というのは、取扱規則3条によると、警察は,被疑者全員からDNA型情報を採取できるようなのだ。しかも、その情報を抹消するのは原則として被疑者が死亡したときだけ(7条)。

そうだとすると、まず、でっち上げの被疑事実(例えば痴漢)などで、ターゲット(例えば、政府の目の上のたんこぶの野党議員など)を被疑者に仕立てたうえ、その被疑者からDNA型情報を入手し,その日のうちに釈放する。そして、さらに別のでっち上げの犯行現場(例えば強姦)にそのターゲットの髪の毛を数本おいて、その髪の毛のDNA型情報を調べたところ、ターゲットのものだと分かったというストーリーでそのターゲットを逮捕する。仮に有罪にまでは持ち込まれなくとも、強姦の被疑者とされたという情報がリークされるだけでその者の政治生命は失われるだろう。最初の痴漢については根拠は薄弱だからメディアにリークできないが、DNA型情報によって裏付けられた2回目のでっち上げ事件は、それなりの根拠があるのだから、メディアにリークしても、何ら問題ない…ということになるわけだ。

つまり、問題なのは、被疑事実がえん罪だと分かったとき(不起訴処分などになったとき)にも、採取したDNA型情報を抹消しないというシステムだ。これでは、危なくて坊主頭にでもするしかない。

確か、被疑事実の容疑が晴れた後までもその者のDNA型情報を保存し続けるのは先進国ではほとんどなかったはずだ。

そもそも、こんなに大切なことを法律で決めないで、警察庁の規則で決めてしまうというのが怖い!

国会議員の皆様、警察に対してきちんと民主的コントロールを利かせてくださいよ!!

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1 コメント

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警察の信用度 (yaruka)
2005-12-02 02:30:07
実況見分調書添付写真のねつ造の例

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