情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

NHK橋本会長は、上告費用を明らかにせよ~番組改編事件上告申立は経営委員会に無断だったことが発覚!

2007-04-15 23:07:54 | NHK番組改編事件
 先日、日本放送協会第1040回経営委員会議事録(平成19年3月27日開催分)が、NHKのウェブサイト(←クリック)で公表された。それによると、NHKは番組改編事件の控訴審で敗訴した後、直ちに上告したが、上告について、経営委員会に諮っていなかったという。上告審の費用は弁護士費用や鑑定費用を含むとかなりの高額となっていることが予想される。これって、「皆さまの受信料」の無駄遣いでは…?!

ウェブサイトに掲載された問題の部分は次のとおり。

■■引用開始■■
(小林委員)
 “約束”の中に「報道」という言葉がないという菅原委員のご指摘はもっともだと思いますし、報道に関して、やはり一番問題なのは、保委員がご指摘になったETV問題の対応だと思います。これに関する不信感がますます強くなっていると感じています。ETV裁判については、上告してしまったからには、しばらくは見守る時間も必要かもしれませんが、これについて、きちんと話し合うことが必要だと思います。また、あらためて考えてみますと、世界中が注目しているETV裁判の結果について、執行部が、経営委員会に何も相談なく上告したということは、それでよかったのでしょうか。東京高裁の判決が出てすぐに上告し、そのことが当日のニュースで放送されましたが、NHKの最高意思決定機関である経営委員会として、どのようにそれに対してかかわっていくのかという疑問が当然わいてくると思います。ですから、上告する前に相談というか、何らかの説明があってしかるべきではなかったのかと今あらためて思っております。また、昨年3月31日に公表した「新放送ガイドライン」でも冒頭部に自主自律を明示していますので、その点からも、今回上告したことについては、それなりの説明があってしかるべきだと思っています。

■■引用終了■■


委員も、今回の上告について、報告なくしてなされたことに不快感を表している。当然のことだ。

NHKは、不祥事などについて反省したと述べてはいるが、相変わらずの独断専行ぶりだ。

放送法によれば、「会長は、協会を代表し、経営委員会の定めるところに従い、その業務を総理する」(26条1項)とされており、番組改編事件のように社会的に注目を集めている事案について、経営委員会の意見を聞いた上で判断しなければならなかったことは明白だ。橋本会長は、NHKが上告審で負担することになる全ての費用を明らかにするとともに、そこに合理性がない場合には、直ちに自らの資産で補填しなければならないのではないか?











★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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日本の情報鎖国化はここまで深刻だ~好きな人調査で明らかとなった大学生の情報格差

2007-04-15 16:07:39 | メディア(知るための手段のあり方)
 3回連続で書いたメディアのシステム上の3つの問題による弊害を示すいい例が、今日のニュース(←こちら。読売)で流れている。日本と中国の大学生に、それぞれ相手の国の好きな人をアンケートしたところ、日本の大学生は、国際派女優チャン・ツィイーさん(8%)、ジャッキー・チェンさん(6%)、孔子、諸葛孔明(各4%)、劉備(3%)の順だったという。
 これに対し、中国の大学生は、ノーベル賞作家の川端康成氏(11%)、数学者でフィールズ賞を受賞した小平邦彦氏(8%)、高倉健(7%)、村上春樹(6%)、黒沢明(5%)、松下幸之助(同)、豊臣秀吉(同)の順番だったという。

 この顔ぶれの差から両国の大学生が入手している情報の質の違いが明らかに分かる。日本の大学生の情報は、芸能関係(しかも米国映画経由の情報)とゲーム関係(三国志)だけに限定されているのに対し、中国の大学生は、現代の日本社会についてよく知っている。この格差はまさに普段、両国の大学生が接する情報の差によるものであることは明らかだろう。

 日本のメディアは、中国の現代の姿を伝えようとはしない。伝えるのは、反日運動のシーンだけだ…。これでは、日本の若者が中国について無用な偏見を持つことになるのも不思議はない。

 現代中国の実像について、例え芸能界関係であっても、米国経由でない情報が入っていればまだましなのだが、それすらない…。

 これは、何ですか、米国で認められた情報以外は、日本では検閲にひっかかるってことですか?っと皮肉も言いたくなるほど…。

 米国の中南部の人たちは、世界情勢について関心がなく、世界地図で日本の位置を示すこともできないなんて話を聞いて、私たちは「馬鹿だよね」って笑っていたが、その私たちも、実際には情報鎖国で暮らしているってことです(ハンカチ王子やイチロウ松坂対決に、あれだけの紙面、時間を使っていることからも情報鎖国ぶりははっきりしている)。

 クロスオーナーシップの禁止、広告代理店の一業種一社制の導入、放送行政を担当する独立行政委員会の設置、この3点を本気で求めていかないと、市民のためのメディアを実現することはできない…。

★なお、護憲+グループ・ごまめのブログさんが、ここここで、憲法改正国民投票法案の最低投票率に関する図解について、関連する記事を書かかれているので、ぜひ、ご覧下さい。









★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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独立行政委員会による放送行政がなされていない「未開の国、日本」~図解バージョン

2007-04-15 02:21:10 | メディア(知るための手段のあり方)
 最近、考えることを楽しむテレビ番組、政府・行政のあり方を厳しく批判するドキュメンタリーなどが減っていると思いませんか? また、最近話題になった「騒音近隣女性」なんかを取り上げるくらいなら、税金の使い道などもっと追求しなければならないことはいくらでもあるはず…。それなのに…。

 ちょっと脱線しましたが、日本におけるメディアのシステム上の問題点第3弾は、独立行政委員会の不存在です。

 放送に使用できる電波には限りがあるため、テレビ局は免許制度のもと、事業をしてきました。通常の業界であれば、当然、政府が直接、免許を与え、様々な指導をすることになります。

 しかし、そうすると、図解のように、免許の更新をしないとか、行政指導をするなどという形での圧力が直接テレビ局に加えられることになります。あるある問題はその典型例でしょう。納豆を食い過ぎようが、健康に害があるわけでもなく、そんなに大騒ぎするほどのことではない。むしろ、NHKの番組改編事件で、政治家の圧力によってNHKが番組を改編したことが裁判所の判決によって明らかになったことの方がよほど、問題だが、こちらについては指導はまったくされていない。

 このような政府にとって都合のよい放送を押しつけることは民主主義にとって、危険であるため、欧米をはじめとする先進諸国は、いずれも、政府が直接、免許権などを行使するのではなく、政府、もしくは、議会が選任する「独立行政委員会」が間に入るシステムが設けられている。そろいも揃って、わざわざこのような仕組みにしているのだ。

 こうすることによって、政府から独立した放送をさせることが民主主義にとって不可欠だと先進諸国の市民がよく分かっているからだ。

 実は、日本でも、戦後の占領下で、独立行政委員会制度が設けられたが、主権を回復すると同時にこの制度を廃止した。当時は、テレビ局の影響力が現在ほどの明白でなかったため、さほど議論もなく、廃止され、そのまま、現在に至っている。しかし、自民党が長期政権を維持することができたのは、ここに大きな原因があったと言っても過言ではない。

 テレビ朝日局長の椿発言以降、特に、テレビ局の政治的中立が「政府によって」求められるようになった。しかし、テレビ局に求められるのは、「政府からの中立」であって、「政府による中立」や「政府のための中立」ではない!

 いまこそ、放送法を「改正」し、放送行政に、独立行政委員会のシステムを盛り込むように求めなければならない!
 








★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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