tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

頭を使った経済政策の例

2009年06月12日 10時49分10秒 | 経済
頭を使った経済政策の例
 巨大な借金の背負う日本政府ですが、経済のてこ入れのために政策を打たなければならなくなると、相変わらず同じ手法に縛られてしまっているようです。

 補正予算を組んで、国債を出して国民から借金し、選挙の票につながりそうなところで公共工事や、補助金を出して、出した金額が大きければ、それだけ経済政策の効果は大きいはずだと宣伝する・・・。
 結果、経済効果がほとんどないような、道路、港湾、空港などが作られたり、補助金が勤労意欲をそいだり、自立心を失わせたり・・・。 矢張り、カネより頭を 使いましょうよ。

 それででしょうか、休日の高速料金を一律1000円にすれば、行楽が増えて消費が増えるという政策が出てきました。政府が少しカネを負担すれば、後は国民が行楽でたくさんの金を使ってくれる。確かに高速道路の交通量は増えました。しかし、鉄道や、フェリーの利用が減りました。

 利用交通機関が振り変わっただけでは消費は増えません。何で高速道路にだけ補助するの? 環境問題にも逆行じゃないの、などの意見も出ています。 
 経済効果からいえば、振り替えでなく、絶対額、行楽消費の絶対額がどれだけ増える政策かが問題なのです。とりあえず、頭を使った経済政策のやり始めですからこんなところでしょうか。

 エコカー減税、エコポイントも、「頭を使った経済政策」のハシリでしょう。政府が20~30万円補助すれば、国民が200万~300万円のエコカーを買う。これは現実にかなり大きな効果があるようです。画期的低燃費車の発売と相俟って、「もう1回車検を取ろうか」層をエコカー買い替えに踏み切らせることで自動車業界からは大歓迎のようです。

 テレビの全面デジタル化も、経済効果の面では小さくないと思います。一片の法律で、日本中の家庭が、テレビを買い換えるか、少なくともアナログ→デジタル変換機を買わなければならないわけです。エコポイントと相俟ってメーカーには省エネ家電開発の大きなチャンスにもなっているようです。
 建物の耐震構造化も経済学的には同様のものといえましょう。

 国民が仕方ないから金を使うか、喜んで金を使うかの違いはあっても、国民が消費を増やせば、経済は回り始めます。
 法律で縛るのには異論もありますが、こうした政策を皮切りに、政府には、国民が喜んでカネを使うような「カネより頭」の政策を競ってもらいたいものです。


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