tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

頭を使った経済政策

2009年04月15日 11時03分43秒 | 経済
頭を使った経済政策
 大型の財政政策の出動で、赤字国債を沢山出さなければならなくなってしまいました。
 政府の中にも、こんなに赤字国債を出したら、今まで「財政節度」ということで守ろうとしてきた「プライマリーバランス(注)」が守れなくなるから、何か別の基準を考えなければ・・・、といった論議があるようです。
 基準を変えても実態は変わらないわけで、こういうときは基準を変えるのではなくて、緊急経済対策が終わったら、早く基準に戻すような努力をすると決めることが基本でしょう。

 景気対策は相変わらずの財政支出主導 です。財政支出が効果を持つというのは、国民(家庭や企業)がカネを使ってくれないから経済活動が停滞するので、それなら、国民の代わりに政府が金を使って、経済活動を活発にしようということでしょう。

 国民に金がなくて使えなくても、政府なら借金してでも何とでもなる。返済のほうは後から考えれば、というのがケインズ以来の考え方です。プライマリーバランス再検討というのも「返済は後から考えれば」の表れです。

 ところで、海外から借金をしているアメリカと違って、日本政府が金を借りているのは、日本国民です。日本国民は、カネがないから使わないのではなく1500兆円の個人金融資産がありながら、なぜか(将来不安などといわれます)金を使わないのです。

 ということですから、今回の補正予算の国債増発分(10~11兆円)を、政府に貸して使ってもらうのではなく、国民が自分で使えばどうでしょうか。
 国民一人ひとりが自らケインズ政策を実行することになり、政府経由よりもよほど効率的です。国民1人当たり平均にすれば、年間10万円弱です。政府に金を使わせるといろいろと不適切な使い方が多いようですが、国民が自分で遣うのなら、納得した使い方が出来ます。

 国民一人ひとりにケインズ政策を分担してもらう。国民がその気になるよう政策を考える。まさに金を使わず、頭を使った政府の経済政策でしょう。
それとも政府はやっぱり自分で金を使いたいのでしょうか。

(注) プライマリーバランス: 税金などの政府の経常収入で、政府の経常支出をまかなえる財政状態。この場合借金は増えないので、最低限健全といえる。利息が利息を生んで借金は増えるが、サラ金と違って国債利息は経済成長率程度なので、国民経済に対し、政府の借金が雪だるま式に増えることはないという前提。


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