tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経済成長を取り戻す方法 その2

2010年04月11日 19時47分14秒 | 経済
経済成長を取り戻す方法 その2
 今回は「経済成長を取り戻す方法」の「その2」ですが、もう1度、「こうなったら成長を取り戻すことは容易でない」というシナリオを、そうならないことを願いながら、見てみたいと思います。

 今、日本経済は、その年に創り出したGDPを、消費と投資で使いきれないという縮み思考の縮小均衡型 で来ています。使いきれなかった分は、経常海外余剰となって外国が使っています。
 外国が使ったのでは、日本のGDPも雇用も増えませんから、それは、国内で使った場合に比べて経済成長のマイナス要因、雇用不振の要因になっているわけです。

 そこで、国内でもっと使おうという事になるわけですが、消費者も企業も消費や投資を増やしません。そこで、政府が国民から金を借りて(国債を発行して)、それを公共投資などいろいろなことに使って景気テコ入れをしているわけです。

 その結果が財政赤字の累積で、中央・地方政府の国民からの借金は、GDPの2倍近くに膨れ上がり、もうこれ以上借金は無理ということで、財政の「仕分け作業」などで節約を心がけますが、焼け石に水で、国債残高は膨れ上がる一方です。「もうダメだ」ということで消費税増税の検討に入ることになります。

 消費税を増税すれば、日本財政は少しは健全化するでしょう。その際問題が2つあります。
・ 1つは、増税で消費がさらに縮小しないかという問題です。国民の理解と対応が鍵です。
・ 2つは、日本の財政が健全になったということで、円高になる可能性があることです。
本当に重大な問題は2つ目の方です。

 国際投機資本がどう判断するかですが、もし「財政赤字がなくなったから、いよいよ日本は健全だ」と判断して円高になったら、これは大変です。これ以上の円高は日本経済には致命傷になりかねません。「 円高とデフレのスパイラル」で失われた10年が20年になり、30年になったとき、日本の生命線である技術開発への投資、企業の教育訓練への投資がますます先細りになるでしょう。
 今でも企業は技術開発投資の財源に苦慮し、教育訓練への投資は大幅に削っています。

 その結果、日本の唯一の競争優位だった「人材と技術力」がジリ貧になると、「縮み志向」の中で日本経済は「茹で蛙 」になってしまう危険性が極めて大です。

 それなら、茹で蛙にならないうちに、「日本は財政破綻だ」といわれて円安になり、その結果、デフレも終わって日本企業は大いに収益を上げ、経済は活発化し、内需拡大で縮小均衡型経済から脱出するほうが余程いいようにも思われます。
 因みに、$1=¥120なら、日本航空も何とかやれたのではないかと思ったりします。


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