tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

米中関係は「争い」から「競い」に脱皮できるか

2023年06月20日 14時47分53秒 | 国際関係
アメリカのブリンケン国務長官が中国を訪問しました。
マスコミは、習近平主席にまで会えるかと懐疑的な所もあったようですが、この訪中は大成功だったと言えるのではないでしょうか。

秦剛外相との会談は数時間に及んだようですが、長時間の会談は、米中の思いの共通部分を理解し合う成果を齎したのでしょう。
そして、外交トップの王毅氏との会談に進み、最終的に習近平主席との会談も実現することになりました。

アメリカにはアメリカの事情があり、中国には中国の事情があるのでしょうが、現状の米中関係を見れば、客観的には、対立点よりも、共通点(共益点)の方がずっと大きいのはないでしょうか。

世界の覇権を争う立場にあると言われる2つの国が、より大きい共通点の方を理解し優先するという事は時に困難かもしれませんが、それを願うのは人類社会全体としては当然でしょう。

日本にとってはどうでしょうか。地球人類の平和を希求し、多様性の共存、融合、習合についての文化的、社会的な理解をその原点である縄文時代に持つと言われる日本人にとっては大変望ましい方向への一歩と感じられるところでしょう。

こうした動きに対して、アメリカでは来年の大統領選挙を控えて、アメリカ社会を2分するような動きがあり、現政権としては、外交面での安定の確保が極めて重要だからとか、中国ではコロナ対策の問題もあり、経済不振の様相が懸念されることもあって同様に国際的な安定が望まれるからといった見方もあるでしょう。

更には、アメリカは世界における覇権国という地位の確保を最優先する国で、次の覇権国を狙う中国と、今の時点で、徒に対立することは現状では望ましくないという意識に基づく発想であるとか、中国は満を持して覇権国への力をつけるために有利な政策を選ぶ深遠な意図があるといった解説もあるかもしれません。

勿論世界にはいろいろな立場や意識があり、いろいろな識者が論を戦わせ、またいろいろなマスコミがあって、いろいろな論説があるわけですから、それに最近は生成AIの意見も出て来るのかもしれませんから、議論は尽きないのかもしれません。

沢山の議論があることは大変結構だと思います。多様な意見があって、人びとはそれを見聞きし、学び、咀嚼して自分の意見を持つのでしょう。
反対の意見、視点や角度の異なる意見があって初めて気づきがあり、独善が薄められるのでしょう。

多くの意見に触れることで、次第に個人から国までの行動が、社会全体の望む方向に進むというのが、もともとの人類に与えられた知恵の使い方ではないのでしょうか。

最終的には同じ人間同士というところに立ち帰るという事になれば、世のなか平穏無事に近づき、安定発展の基盤が出来るのでしょう。

こうして、米中関係も、争いによる潰し合ではなく、競いによるそれぞれの成長が実現されることが世界にとって最も望ましい事ではないかと思い、今後のさらなる成果に期待するところです。