tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

四半期GDP:10-12月速報

2020年02月17日 17時55分48秒 | 経済
四半期GDP:10-12月速報
 今日、四半期GDPの2019年10-12月分が発表になりました。
 数字は、実質で前期比マイナス1.6%、年率換算6.3%の急な落ち込みです。
 説明は、10月からの消費税の増税で、消費が落ちたということのようですが、単に消費税だけではないような気もして、気になることが多い昨今です。

 先日、2019年7―9月の第二次速報が発表になり、設備投資が増えたということで、対前期比の実質経済成長率は、第一次速報のプラス0.1%から0.4%に大幅な上方修正があり、年率換算では0.2%から、1.6%に急上昇ということで、内外から「修正が大きすぎる」といった批判があったようでした。

ということで、7-9月の大幅上方修正が裏目に出たななどと感じて、今日発表の資料の中の7-9月の数字(確報値?)を見ましたら7-9月期の数字は0.1%に戻っていました。(四捨五入しているので、細かく言えば、0.0.8%から0.12%ぐらいの上昇.のようです)

 第二次速報の修正はなんだったのかということになりそうですが、それはそれとして、10-12月期の落ち込みを前期比ではなくて、いつものように対前年同期比で傾向的な動きで見てみましょう。

対前年同期比の伸び率の推移を直近5四半期、2018年10-12月期~2020年10-12月期について、主なものを見ますと(実質値、単位:%)、
・GDP  -0.3 0.8 0.9 1.7 -0.4    
・国内需要  0.9 0.3 1.3 2.3 -.0.8
・消費需要  0.0 0.3 0.7 1.4 -1.9
・設備投資  2.0 1.4 0.4 5.4 -3.3
・政府需要  0.8 0.6 1.8 2.9  3.1
・純輸出  -0.5 -0.2 -0.4 -0.6 0.4
となっています。

 つまり、昨年10-12月期は、民間需要についてはすべてマイナスで、財政赤字を増やしての政府需要(特に公共投資)と輸入の減(輸出より大幅の減少)のお蔭でマイナス0.4%にとどまっていますが、民間の経済活動は前年同期を2%程も下回っていることになります。

 消費税増税の反動という説明になるのでしょうが、消費の落ち込みは駆け込み需要より大きいようですから、やはり景気は減速と見なければならないでしょう。もう「緩やかに回復」ではなさそうです。

 2020年の1-3月期になると、今度は頃はコロナウィルスの影響が出てくる事でしょうから、政府経済見通しの2019年度0.9%成長は、とても無理のようです。

 米中摩擦、自然災害、コロナウィルス、人災がひどくなると、天災も誘発されるのでしょうか、昔だったら、「天が怒っている」などと言って自戒したところでしょうが、日本経済も、何か「弱り目に祟り目」のようです。