徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

シルクスクリーンプリント講座 / 1・2日目 刷り体験&写真製版原稿作成

2020年11月29日 | シルクスクリーンプリント講座



2日連続を2回、計4日間で完結する
シルクスクリーンプリント講座
前半部のレポートを記します。

<1日目>



まずは
シルクスクリーン技法に関する基礎講義から。

1970年代の黄金期とは異なる
現在においての
実現可能な展開を幾つか紹介。



一連の作業工程、道具の説明後は
さっそく刷り作業の体験。



本講座では
数種類のインクを適宜使い分けます。

最初に扱うインクは
濃縮インクをバインダーに混ぜて
必要とする色のインクを作るタイプ。



ベタ面を刷る練習・・・



グラデーションをする練習と続け
初日の実習を終えました。




<2日目>

講座前半部では
描画スクリーン作り。



下図をスクリーンにトレースして



描画ペンでスクリーンの目を埋めます。



そして
黄色い乳剤を塗布し
乾燥後に描画ペンインクを
洗い油で溶解して製版完了。



発泡系インクでひと刷り・・・
アイロンで熱を加えると
インクが膨らみ質感が変わります。



次は
蓄光バインダーでひと刷り・・・



照明を消すと刷り終えた画像は
ほのかに光ります。



講座後半部では
3日目以降に予定している
写真製版でのシルク展開の
原稿作りに取り組みました。



フォトショップを使用して
製版原稿のバリエーションを紹介。



フォトショップを介して
同じ写真から幾通りもの原稿を
作成できることを学びました。

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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて
写真・写真表現・シルクスクリーンetc.
表現の研究活動をおこなっています。 

2021年1月30・31日 
古典印画技法
ヴァン・ダイクブラウンプリント
2days講座受付中

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大型カメラ体験講座 / 2・3日目 シートフィルム現像&プリント作業 

2020年11月27日 | 銀塩写真講座



大型カメラ体験講座(全3回)
2日目と3日目のレポートです。



2日目は
初日に4x5カメラで4枚
8x10カメラで2枚を撮影した
合計6枚のフィルム現像作業に
取り組みました。



大型カメラで使うフィルムは
シート状です。

35ミリやブローニーフィルムのように
リールにフィルムを巻いて
タンクで現像するのではありません。

フィルム現像をおこなう環境に合わせて
幾つかの現像方法がありますが
徳永写真美術研究所では
最もベーシックな方法で進めます。



ベーシックな方法とは・・・
全暗室(真っ暗)の状態で
バットに入れた薬品に浸す作業となります。

水浴
現像
停止
定着

各処理液を準備
そして
何も見えない闇の空間で
現像作業を進めます。

<全暗作業につき記録写真なし>



現像中の様子を確認する事はできず・・・
定着を終え、灯りをつけた時点が
緊張高まる瞬間となります。



現像を終えた後は水洗促進剤に浸し
水洗器にてしっかり水洗をし
水滴防止剤を通し乾燥させます。



その後は・・・
フィルムをライトビュアーに置いて
仕上がり具合を確認しました。



4x5サイズの現像作業で
行程の流れをつかんだ後は
8x10サイズの
フィルム現像に取り組みました。



8x10フィルムは
4x5フィルムの4倍のサイズとなりますが
作業工程は同じ。
落ち着いて作業を進めることができました。



8x10サイズの水洗器は
既製品のフィルム用ホルダーに合わせて
水洗槽を手作りしました。
流水量を微調整できる仕組みです。



8x10フィルムの場合
乾燥機には3枚が限度となり
フィルムサイズが
大きいことを実感します。





3日目は
現像作業を終えた6枚のフィルムの
プリント作業に取り組みました。



8x10フィルムは密着プリントで仕上げ
4x5フィルムは引伸機を介して
8x10サイズでプリントします。



4×5フィルムは
ラッキー引伸機450MDを使用。
35ミリフィルムで使用する90MDより
ひとまわり大きい機材のため
扱う動作も大きくなります。



今回の2種のフィルムでの
プリント実習では
最終的に同じサイズで仕上げ
フィルムサイズの違いを確認する事を
目的としています。



上は4×5フィルム
下は8×10フィルム



フィルムサイズの違いを
認識できたでしょうか?



3日間構成の大型カメラ体験講座にて
6枚の写真を仕上げる経験を通し
「銀塩写真」とは何か・・・
その存在感・物質感を
実感いただけた事と思います。

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2021年1月30・31日 
古典印画技法
ヴァン・ダイクブラウンプリント
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作品制作研究講座 / 7日目 自作の検証の続き

2020年11月14日 | 研究講座

前回に引き続き
作品制作研究講座後半部における
自作の検証をおこないました。



今回の検証に提示された作品は
すべて過去作です。

これまでの制作を検証し
これからの制作の指針を
立てる事を目的に進めました。



初見となる人には
適宜説明を加えながら自作を紹介。



作品を紹介された受け手は
作品の理解を深める為に
更に詳しい作品解説を求め・・・
2時間を越える質疑応答となりました。



ディスカッションの中で
上の写真の3つの包みに話が及んだ際
包みに使用する紙はフランスの
アルシュ製に拘るとの言葉がありました。



アルシュ製紙工場は
1492年の創業以来5世紀に渡り
高品質の紙を作ってきた歴史があり
ピカソ、ミロ、カンディンスキー、マチスも愛用。
そのような紙で包む事に意味を持たせた
作品の位置づけもできる・・・
など
細部にまで目を配りながら
講座参加者で
ディスカッションを進めました。





いっぽう、前回の自作の検証にて
表現内容と技法についての解説が
如何に難しいか実感された人より
新たなステイトメントの提出を受けました。

詳細な説明が加わった文章について
更にディスカッションが続きました。

作品制作に明確な答えはありません。
おぼろげな輪郭を確認しながら
制作と検証作業を繰り返すことで
表現を深めていきます。

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創作実験クラブ / 8日目 可視化実験:クロマトグラフィー基礎講義&実験

2020年11月13日 | クラブ活動


見えないものを見えるようにすること
これこそが表現ではないでしょうか。

創作実験クラブでは
この観点で
可視化する実験に取り組みました。



可視化にあたっては
ペーパークロマトグラフィー分析法
を用いました。



クロマトクラフィーとは
クロマト → 色
クラフィー → 記録

ロシアの植物学者ミハイル・ツヴェットが
植物色素の分離法として開発したとの事。

その原理の解説
クロマトクラフィーの種類
現代においての活用例
等々・・・



2時間にわたり
その分野の専門家である
TIPAメンバーに講義を
おこなっていただきました。



講義と併せて
水性ペンの色の分析もおこないました。

上の写真は
色を塗った紙の端を水に浸し
色を展開させている図。

業界では<展開する>という言葉を使うようです。



講義後に皆で取り組んだ実験は
持ち寄ったサインペンの黒インクの分析。



分析するまでは全て黒い点。
クロマトグラフィー分析により
黒インクの元色を見る事ができ
胸が高鳴ったTIPA運営者です。



実は今回は
ZOOMを介して北海道からのナビゲート。
遠隔講義を含む充実のTIPA活動でした。
TIPA活動12年目にして嬉しい新展開
昨年には想定できなかった展開です。

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