徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

作品制作研究講座 / 5日目 表現をおこなう2:制作物とステイトメントの照合

2019年12月30日 | 研究講座


全10回で完結する作品制作講座は
前期5回・後期5回で構成。
今回は前期の最終レポートです。



「表現とは何か」

考える事からスタートし
エクササイズで取り組んだ
制作物に対し
ステイトメントを作成する。



自分が作ったモノは何なのかについて
文章化することで
次のミッションを確認する。



この工程を幾度となく繰り返すなかで
表現者としての土台を仕上げていきます。



前半部を終えた段階では
可能性を秘めた取り組みを
複数確認できました。



その後の展開を期待して
受講生の皆さんの状況にあわせ
2カ月後となる
後期初日までの宿題を課しました。


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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて
写真・写真表現・シルクスクリーンetc.
表現の研究活動をおこなっています。 

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古典印画技法 ヴァン・ダイクブラウンプリント講座 / 1日目 基礎実習:感光薬品の調合&データチャート作成

2019年12月28日 | 古典印画技法講座


全2日で完結する
ヴァン・ダイクブラウンプリント講座
初日のレポートです。

サイアノタイププリント講座と同様に
既成の感光液を使用せず
薬品を調合する事から始めます。

ブラウンプリントという名の通り
茶色に発色しますが
宮廷画家アンソニー・ヴァン・ダイクが描く
格調高い絵画世界と似ているため
ヴァン・ダイクブラウンプリントと呼ばれているとの事。
故に
格調高い写真が仕上がるはずです。
(?)

 

本技法に関係する
資料やサンプルを紹介。
その後
作業工程を説明し
実作業に取り組みました。



ヴァン・ダイクブラウンプリントは
硝酸銀
クエン酸鉄アンモニウム
酒石酸
3種の薬品を調合して感光液を作ります。
サイアノでは1グラム単位の
はかりで計量しましたが
今回は小数点以下の数値も測れる
精密はかりを用いました。



また
本技法は感光性が高いため
薄暗い環境での作業となり
小数点以下を計量する際は
息を止め、目を凝らしての作業となります。



紙に薬品を塗布し乾燥。
この日は
20段階のグレースケールを
露光機で焼き付けしました。



露光直後は
黄色味の強い飴色ですが
定着後は茶系に変化します。



講座後半は
完成したデータチャートの発色を参照しながら
デジタルネガフィルム作りに取り組みました。

次回はネガフィルムの出力
そして
8×10インチサイズ程度の大きさの
ヴァン・ダイクブラウンプリントを完成させます。


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創作実験クラブ / フォトグラム:体験を深める

2019年12月24日 | クラブ活動





暗室にて光と影を操り描く
フォトグラム2日目のレポートです。



前回の体験をもとに
この日は各自モチーフを持参。



2回目の暗室作業のため手際よく
それぞれの実験に励みました。



3時間ほどの実習でしたが
たくさんの制作物が仕上がりました。



その一部を紹介します。










上の円の中が気になりますね。
もう少し近づくと・・・



???
モチーフはコチラ




ますます
???

このモチーフが
シャーレに入った状態で
感光紙に印画されていました。



ちなみに
この黄色いモノは
モジホコリという
粘菌です。

実習後
創作実験クラブの部員4人は
シャーレを持ち帰り
自宅にて
粘菌観察をおこなうこととなりました。




コチラは私が育てている粘菌です。
アクリルトレイの中で
様々な図柄を見せてくれています。


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銀塩写真講座 Step1 / 5日目 プリント実習2:引伸機の使い方を学ぶ

2019年12月19日 | 銀塩写真講座


モノクロフィルム現像
コンタクトプリント

実習を経て
いよいよ
引き伸ばしプリントに取り組みます。



まずは
前回に作成した
コンタクトプリントを見ながら
引き伸ばす写真を決めます。
この時
写真を選ぶ際に使用する筆記用具は
ダーマトグラフ

ワックス分の多い柔らかな芯です。
「Dermato」はギリシャ語で「皮膚」
「Gragh」は「書く、記録する」
つまり
「皮膚に書けるもの」という意味で
もともと医者が手術の際
切開する部分を示すなどの目的で開発されたとの事。
詳しくはwikiにて確認ください。



選んだ写真のフィルムを
ネガキャリアにはさみ・・・



ブロアでほこりを除去し・・・



引伸機にセット。



イーゼルに投影される
画像の大きさを調節し・・・



テストピースを幾度かとり
引き伸ばしプリントを完成させました。

この日は
体験する事を目的としましたが
次回からは
焼き込み・覆い焼き
マルチグレードフィルターの理解など
完成度を高めるための
学びを進めます。


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作品制作研究講座 / 4日目 表現をおこなう1:制作物を観察する

2019年12月13日 | 研究講座


表現とは何かを確認し
いよいよ
自身の制作について
検証をおこなう段階に入ります。



まずは気軽に手を動かした制作物の検証から。



各制作物をじっくり観察するなかで
画面で何が起こっているのか
何を読み取ることができるのか



どのような展開が期待できるのか
など
それぞれに秘められた可能性についての
ディスカッションをおこないました。



これまでに
作家活動をおこなってきた方は
制作中の作品資料とステイトメントについての
検証をおこないました。

以降は受講生の皆さんの状況にあわせた
ディスカッションを繰り返し
制作の土台固めを進めていきます。


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古典印画技法ブループリント講座・サイアノタイプ / 4日目 デジタルネガフィルムからのプリント&支持体研究2

2019年12月03日 | 古典印画技法講座


美しい青を発色する
古典印画技法・サイアノタイププリントを
学ぶ最終日のレポートです。



この日は
デジカメで撮影した写真データから
ネガフィルムを出力する
一連の作業の復習からスタート。

テキストを指さしながら各作業を確認。



細かな部分は随時モニターを撮影して
講座終了後も自宅で
フィルムを作成できるように対処。



ネガフィルム出力後は紙の準備。

この日は受講生が持参した紙を使い
感光紙を作りました。



薄い和紙は繊維が刷毛に絡むなど
支持体となる紙によっては
これまでのようにムラなく
感光液を塗布できないものもありました。



始めて使う紙の場合は
グレースケールも含めて露光して
紙の特性を確認します。



この人物画像は非常に薄い和紙のため
現像中に破れないように注意が必要でした。



左は薄い和紙、左は版画紙。
発色や中間トーンの描写が異なる結果となりました。



コチラは
A3ノビのデジタルネガフィルムからのプリント。
本研究所で可能な最大サイズのプリントです。
美しいサイアノタイプのプリントが完成しました。

徳永写真美術研究所では
受講後も研究所で作業を
おこなっていただける体制です。

本格的に作品制作が始まることを期待して
全4回の講座を終えました。


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