徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

創作実験クラブ / 12日目 複製の実験:その後の展開 & 作品制作報告...etc.

2021年03月31日 | クラブ活動

創作実験クラブ12日目
今年度最終日の活動レポートです。



この日は実験に取り組む前に
お二人のプレゼンの場を設けました。



まずは「読み聞かせ」という
表現行為を提示いただきました。

読み聞かせと聞くと子供を相手に
絵本の読み聞かせを思い浮かべますが
今回はTIPAメンバーに向けて
石牟礼道子さんの「椿の海の記」の
一説を読んでくださいました。



眼を閉じ、耳を傾けながら
語られる情景を脳裏に描いた数分間。

シンプルな表現行為と鑑賞法
情報過多の時代ゆえ新鮮な体験でした。

2021年度の創作実験クラブ初日にも
読み聞かせの依頼をさせていただきました。
次回は絵本の読み聞かせで。
楽しみです。



もうお一人のプレゼンは
ここ3年間継続されている作品の経過報告です。



今回は動きを伴う展開を提示いただきました。
マジックショーを見ているような
手さばきに一同驚きました。



以下、本題となる
複製の実験・応用編の報告です。

今や原本不在とも言える時代となりました。
そのような中
今回は事前にカーボン紙を配布し
「複製」する実験に取り組みました。

この日は
各人、複製に向き合う作戦を立てて参加。



驚いたことに二人がコイン持参・・・。
(一人は私)



モチーフはユーロ登場につき
今は亡きフィンランド・マルッカと
アイスランド・クローナ。

ネガ・ポジ、正像・鏡像
頭が混乱する結果となりました。
カーボン紙に刻まれた凹凸が儚く
実態がないながらも存在感がありました。





こちらは色紙とカーボン紙を重ねて
強く丸め込み、広げています。
凸版、凹版、どちらとも認識できる
図柄を得ることができました。





絵本の一場面をトレースし
自身の手のひらに転写。
手相を描いたとも言える
夢ある画面が仕上がりました。





モチーフは
幼少期の心をつかんだ「アルプスの少女ハイジ」
その輪郭を抽出して制作ノートに転写。
子供の頃の意識を
コレクトする行為ではないかと思いました。





ZOOM画面越しに繋がるメンバーの制作物です。



折り込んだ色紙にフロッタージュ。
フロッタージュ画面を解体して見えた図像を
完成形とした取り組みです。
・・・その意図は?
様々な制作意図を与えることができそうです。



以上、当日の成果の一端を紹介しました。


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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて
写真・写真表現・シルクスクリーンetc.
表現の研究活動をおこなっています。 

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2021年度 徳永写真美術研究所 活動要項 案内

2021年03月21日 | お知らせ



徳永写真美術研究所における
2021年度の活動要項を
ウェブページに掲載いたしました。



2021年度は経験を重ねる活動を主とし、
深める活動や制作サポートは
個別で対応する体制としました。

また
遠隔地にお住まいの方、多忙な時には
オンラインにて参加いただける
プログラムも一部準備しました。

現在
私どもの活動へのご参加を承っております。
どうぞよろしくお願いいたします。

なお
案内ページ作成にあたり、78枚の写真を
スライド形式にまとめて紹介しています。
ぜひ、当研究所サイトにて
たくさんの写真と合わせてご覧ください。

下に概要を転記します。


***

<銀塩写真講座>


暗室で仕上げる
銀塩写真技法に触れる講座です。
フィルム現像によりネガ像を作り、
プリント作業により諧調を
反転させてポジ像にします。
ネガ・ポジという写真用語が
使用されることが少なくなった現在、
その言葉を意識して写真に向き合います。

受講後に当暗室設備を使用して
自主制作をおこなっていただくことも可能です。

***

<古典印画技法研究講座>


19世紀に発明された印画技法を再現、
そして
現代においての
新たな魅力研究に取り組みます。

今年度は4種の技法を紹介します。
どの技法も既成の感光材を用いず、
薬品の調合から始め
感光液・感光紙(印画紙)を
作りプリントします。
また、デジタルネガフィルム作成も
実習中におこないます。

***

<版表現研究講座>


「版画とは、印刷をおこなう紙以外に、
彫刻や細工を施した版を作り、
インクの転写・透写等によって
複数枚の絵画を刷る技法、
またはそれにより制作された絵画のこと。」

辞書に記されています。
本講座では多様な版表現を体験することで、
版を媒介して生まれる魅力を研究します。

***

<作品制作研究講座>

技法を限定せず
視覚芸術に関わる全ての方を対象とします。
自身の制作を
客観的に検証する場として活用ください。
本講座は対面を基本としますが、
今期からオンライン参加もお受けします。

***

<創作実験クラブ>


創ることに関心のある皆さんを
対象とした活動です。
創作の源泉となる体験を
重ねていただけると思います。
技能は問いません。準備物は好奇心。
まずは手を動かしましょう。
制作者・鑑賞者、そうでない方もご一緒に。
(オンライン参加も対応)

***

<講座外の対応>


個別対応での作品制作研究
個別対応での実習各種
出張ワークショップ
グループレッスン
など
ご依頼内容に基づき検討します。

また
講座受講生・修了生には
施設使用など
相談の上、随時対応します。

皆さんの作品制作や日々の営みに
お役に立てるよう
徳永写真美術研究所としての活動を
充実させてまいります。

ご要望など、ございましたら
お気軽にお声がけください。





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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて
写真・写真表現・シルクスクリーンetc.
表現の研究活動をおこなっています。 

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