最近気になっているのは、関西のかけうどんのツユ(汁)がやたら辛い(塩味と醤油味が濃い)、いわば「しょっぱい化」しているという風潮である。これまで関西のうどんツユといえば、昆布ダシをよく利かせ、薄口醤油を使った「まろやか味のツユ」が売り物だった。しかし、最近は関西のあちこちで塩辛いうどんツユに出くわすようになった。関西人は、辛口好みに宗旨替えしたのだろうか。
ことの発端は今年の2月、大阪市内のうどん屋さんでいただいた「きつねうどん」(600円)だった。うどんも具のきつねも申し分なかったが、ツユを口にして、その塩辛さに驚いた。ダシはとても上手く取れているのに、なぜ、こんなに塩をたくさん入れるのだろう、と素直に疑問を感じた。
京都ではどうか。今年の4月、京都市内の某有名店で「志(し)っぽくうどん」(椎茸、筍、蒲鉾、卵焼き、ほうれん草などが載っている 950円)をいただいた。お酒の後だったが、このツユも塩辛くて、とてもガッカリした。
志っぽくうどん950円(4/12撮影)
大阪のうどんも京都のうどんも、ツユの色は飴色だった。白醤油を多用しているのだろうか。トップ写真のtetsuda家のまろやか味のうどんと見比べていただきたい。もともと関西のうどんは、ツユが飲み干せる程度の味付けになっていたはずだが、こんなに塩辛くてはとても飲む気になれない。もし飲めば「塩分取りすぎ」で、腎臓病や高血圧症の心配が出てくる。
立て続けに塩辛いうどんを食べ、文字通り後味が悪かった。私の知らないうちに、関西のうどんはこんなに辛くなっていたのだ。そもそも、私はあまり外で(特に大阪や京都で)うどんは食べない。うどんは好きだが、もっぱら家で食べる。外では麺類なら蕎麦かラーメンだったし、急ぐ場合はカレーライス、時間があれば栄養バランスの良い定食もの。だからこれまで、うどんツユの変化に気がつかなかったのである。
それにしても、なぜこんなに辛くなったのだろう。最近は若者を中心に濃い味のファーストフードに慣れているから、うどんも塩味の濃いのを好むのだろうか。知人に疑問をぶつけてみると「カップうどんが辛いから、お店のうどんもそれにならったのでは」「化学調味料の旨みを引き出すには、塩分を濃くしなければならないから」「色は薄いが塩分の多い白醤油がよく使われるから、自然とツユが塩辛くなったのでは」等々という意見をいただいた。いずれの意見にも説得力がある。
このままでは、関西のうどんはどんどん辛くなってしまう、その行き着く先は…、と考えると暗澹たる気分になった。
しかし、この現象はごく一部なのかも知れない。一方では「減塩醤油」が売れ、健康志向から「塩分を控えましょう」と呼びかけているのだ。で、気を取り直し、この3月から、外食の機会をとらえては、ひたすらうどんを食べ歩くことにした。
このあと当記事は、ブログ読者の皆さんからのご意見やご感想をいただきながら(2)(3)、と断続的に連載していく予定である。ぜひ皆さん、この記事のコメント欄にご意見・ご感想をお寄せいただきたい。
※トップ写真はtetsuda家のうどん。家内の手料理で、ご覧の通りツユは薄口醤油を使い、超あっさり・まろやか味(丼の底に、とろろ昆布と花かつおが沈んでいるので、かきまぜて食べる)。ワカメの下には卵が隠れている。エビ天は市販品(5/10撮影)。
ことの発端は今年の2月、大阪市内のうどん屋さんでいただいた「きつねうどん」(600円)だった。うどんも具のきつねも申し分なかったが、ツユを口にして、その塩辛さに驚いた。ダシはとても上手く取れているのに、なぜ、こんなに塩をたくさん入れるのだろう、と素直に疑問を感じた。
京都ではどうか。今年の4月、京都市内の某有名店で「志(し)っぽくうどん」(椎茸、筍、蒲鉾、卵焼き、ほうれん草などが載っている 950円)をいただいた。お酒の後だったが、このツユも塩辛くて、とてもガッカリした。
志っぽくうどん950円(4/12撮影)
大阪のうどんも京都のうどんも、ツユの色は飴色だった。白醤油を多用しているのだろうか。トップ写真のtetsuda家のまろやか味のうどんと見比べていただきたい。もともと関西のうどんは、ツユが飲み干せる程度の味付けになっていたはずだが、こんなに塩辛くてはとても飲む気になれない。もし飲めば「塩分取りすぎ」で、腎臓病や高血圧症の心配が出てくる。
立て続けに塩辛いうどんを食べ、文字通り後味が悪かった。私の知らないうちに、関西のうどんはこんなに辛くなっていたのだ。そもそも、私はあまり外で(特に大阪や京都で)うどんは食べない。うどんは好きだが、もっぱら家で食べる。外では麺類なら蕎麦かラーメンだったし、急ぐ場合はカレーライス、時間があれば栄養バランスの良い定食もの。だからこれまで、うどんツユの変化に気がつかなかったのである。
それにしても、なぜこんなに辛くなったのだろう。最近は若者を中心に濃い味のファーストフードに慣れているから、うどんも塩味の濃いのを好むのだろうか。知人に疑問をぶつけてみると「カップうどんが辛いから、お店のうどんもそれにならったのでは」「化学調味料の旨みを引き出すには、塩分を濃くしなければならないから」「色は薄いが塩分の多い白醤油がよく使われるから、自然とツユが塩辛くなったのでは」等々という意見をいただいた。いずれの意見にも説得力がある。
このままでは、関西のうどんはどんどん辛くなってしまう、その行き着く先は…、と考えると暗澹たる気分になった。
しかし、この現象はごく一部なのかも知れない。一方では「減塩醤油」が売れ、健康志向から「塩分を控えましょう」と呼びかけているのだ。で、気を取り直し、この3月から、外食の機会をとらえては、ひたすらうどんを食べ歩くことにした。
このあと当記事は、ブログ読者の皆さんからのご意見やご感想をいただきながら(2)(3)、と断続的に連載していく予定である。ぜひ皆さん、この記事のコメント欄にご意見・ご感想をお寄せいただきたい。
※トップ写真はtetsuda家のうどん。家内の手料理で、ご覧の通りツユは薄口醤油を使い、超あっさり・まろやか味(丼の底に、とろろ昆布と花かつおが沈んでいるので、かきまぜて食べる)。ワカメの下には卵が隠れている。エビ天は市販品(5/10撮影)。
私は、うどんの「しょっぱい化」より、“塩からい”の「しょっぱい化」の方が気になります。関東の人が「しょっぱい」と言うのは気になりませんが、関西の人が言うのを聞くとなんか背中がモソモソします。
私は子どもの頃「しょっぱい」という言葉は知りませんでした。初めて「しょっぱい」という言葉を聞いたとき、それは「すっぱい」と言うてはるんかなと思いました。「しょっぱい」が「塩からい」という意味やと知ったんは、私の人生の中では比較的最近です(^^;)。今でも「しょっぱい」と聞くと、「え~っと、これは“すっぱい”やのうて“塩からい”んやな」と頭の中で翻訳せんとあきません(^_^;)。
ということで、私は「しょっぱい」とは言わへんのですが、それを関西人一般に強要するのもちょっと行き過ぎかな~(^^;)。
地元ではうどんは食べません。
自宅で作るにしても、
うす~い味付けにしています。
一般的に最近の人々の味覚が、
落ちてきているんじゃないかな?なんて
感じる今日この頃です。
調味料を使う量が増えていますよね。
ラーメン屋さんでも、
真っ赤になるまで香辛料を使う人をよく見かけます。
お店でもできれば本来の薄味にして、
味覚の鈍い人は調味料を加えるようにしていただければと思います。
地元では「武蔵野うどん」という
ゴツゴツしたうどんの店があるので
時たま食べていました。^^;
甘みのある醤油の濃いつけ汁でいただきます。
つけ汁はあまり好きではありませんが、
うどんのゴツゴツした歯ごたえが好きで食べています。
因みに関西では、
法隆寺や興福寺の法要でいただいたうどんが薄味で
おいしかったです。
おぼろこんぶが乗っていました。
おぼろこんぶ、大好きです。
> 関東の人が「しょっぱい」と言うのは気になりませんが、
> 関西の人が言うのを聞くとなんか背中がモソモソします。
うーん、そうかも知れませんが「うどんの塩辛化」では、タイトルになりません。ま、苦肉の策ということで…。
> 最近の人々の味覚が、落ちてきているんじゃないかな?なんて
> 感じる今日この頃です。調味料を使う量が増えていますよね。
そういう要因が1つあると思います。私はペットボトルのお茶が嫌いですが、好んで飲む人が多いです。「お茶の味は、あんなものではない」と言ってやりたい気分です。特に保存料(「ビタミンC」と表示)の酸味がいけません。
> 関西では、法隆寺や興福寺の法要でいただいたうどんが
> 薄味でおいしかったです。おぼろこんぶが乗っていました。
奈良はまだ薄味のようで、今、あちこち食べ歩いています。
他にも皆さんの周囲で、このような例がありましたら、ぜひ教えて下さい。
「うどん」の出汁で、ウチの他界したオカンを思い出しました。自慢では無いですが、これが美味かったのです。しかし、材料費がメチャメチャかかっていて、昆布とカツブシを大量に使用していました。カツブシなどは、手づかみで鍋に放り込んで居ました。これだけ大量のカツブシと、昆布の出汁と、薄口しょうゆとで美味い汁が取れるのですが、ウチの下の子供が、「おばあちゃんのうどん、もう一回食べたい」なんて言ってます。
これがtetsudaさんのおっしゃる出汁の味だったかは、今となっては推し量る術は無いですが、商売的に使用出来る量では有りませんので、当然の事ながら、未だにお目にかかった事が有りません。
誰かから教えて貰ったのですが、現在の加工食品は、薬品で味付けをしています。塩や砂糖では有りません。こんなので味を覚えてしまうと味覚が狂って、だんだん味が判らなくなってくるそうです。だから塩味や甘味が、強くなっていく訳です。その代償として、微妙な味加減が判らなくなり、ただ単に「甘い」「辛い」「苦い」「酸っぱい」しか判別できなくなり、味覚が減退してしまいます。
味覚と云うのは、「甘さ」はブドウ糖で、これは体を造る為に必要です。「辛さ」は電解質、これは血液の素、この2つは、体に必要なモノなので、大量に取れる様になっています。しかし、「苦味」は毒の味、「酸っぱさ」は腐敗の味です。だからこの2つは、少量で判別でき、吐き出させると云う行為を取らせる訳です。しかし、「苦味」の有るコーヒーやビール、「酸味」の有る梅干しや酢の物が旨く感じる、と云う事も有る訳で、これは人間が、味覚を学習したからで有ります。しかし、これがこのままいけば減退してしまいます。
これは、加工食品と云った便利なモノに頼りすぎた結果、どこかへ置き忘れてしまった感覚なのかも知れません。
> 鍋に放り込んで居ました。これだけ大量のカツブシと、昆布の出汁
> と、薄口しょうゆとで美味い汁が取れるのですが、ウチの下の子供が、
> 「おばあちゃんのうどん、もう一回食べたい」なんて言ってます。
「命のダシ」ですね、これは美味しかったでしょう。うらやましいです。
> 加工食品は、薬品で味付けをしています。塩や砂糖では有りません。
> こんなので味を覚えてしまうと味覚が狂って、だんだん味が判らなく
> なってくるそうです。だから塩味や甘味が、強くなっていく訳です。
以前、料理研究家のおぜんさんも同趣旨のことを書いておられました。「本物志向」で、このような風潮が見直されれば良いのですが…。
> 人間が、味覚を学習したからで有ります。しかし、
> これがこのままいけば減退してしまいます。
上北山村のホテルで「栃餅の茶粥」をいただきました。餅に入れる栃は、アクの強いトチの実から、木灰を使ってアクを抜きます。わずかに残った餅の苦み・渋み(アクと木灰からくる独特の味)と、ほうじ茶のスモーク味がうまくミックスして、絶妙の「ふるさとの味」に仕上がっていました。
こういう味はちゃんと伝えていかないと、日本人の味覚から消え去ってしまうのではないかと危惧しています。その第一歩が、加工食品や化学調味料を控える、ということなのでしょう。
> トンと外でうどんを食べていません。そんなに辛くなっていますか
今、調査中です。また記事に書きますが、奈良のうどんはたいてい薄味でした、ご安心を。
> 塩辛いは塩味の食べ物にしか使いません。たとえば「この鮭は塩辛すぎる」
> とか。「しょっぱい」は生まれてこの方、一度も使ったことがない
なるほど「うどんのツユが塩辛い」は使えませんか。ちょっとタイトルを再考してみます。
> 奈良町でいいところがあれば教えてください。
ならまちの北側では「ふく徳」。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/0fa9d232e3fa799c1af9fc54fd17682f
もちいどのセンター街では「麺闘庵」でしょうか。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/4e6ea780690ea178a0e9d447f9eba57c
ならまちのど真ん中では(うどんではなく)いつぞやの「吟松」のお蕎麦と天丼セットをどうぞ。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/5f6ed050888e8a0508c6ae0cc76e2214
早速「Dear Deer」(正確にはDear Deerに併設された別の名前の喫茶店)を訪ねましたが、月曜は定休でした。別の日にも訪ねましたが「本日は午後2時からの営業となります」で、まだグリーンカレーにはありついていません。
蕎麦の「季のせ」の並びでした。再チャレンジします。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/s/%B5%A8%A4%CE%A4%BB
> 次に奈良町で昼食をとるのは21日の予定な
> ので、上記3ヶ所から選んで行ってみます。
いちど、お試し下さい。