
朝日新聞奈良版(3/29付)に《吉野割り箸売り込み中 「介在」省き中国産と勝負 奈良町「地域活性局」 東京、質・安さPR》という記事が載っていた。藤丸正明(ふじまる・ただあき)くんへのインタビュー記事である。レポーターは高橋尚之記者である。記事全文を紹介すると、
吉野産の割り箸を、「奈良町情報館」(奈良市中院町)を運営する株式会社「地域活性局」が東京の料理店に売り込み、販路を広げている。手触りの良さや香りの高さから高級品として知られるが、介在する流通会社を省くことで割安な価格で売り込んでいる。地域活性局は奈良町の観光案内や県内の特産品販売などが業務。
3年前の夏、京都市中京区の京料理店「魚棚(うおんたな)」の店主山本純示さん(50)が観光客として情報館を訪れ、販売されていた吉野の割り箸の安さに驚いた。山本さんが店で仕入れていた吉野の割り箸は複数の流通会社が間に入っていたが、情報館は下市町の問屋のみを介して仕入れているため、価格は安く抑えられていた。山本さんは地域活性局社長の藤丸正明さん(28)に「取引がしたい」と持ちかけ、以前より1~3割安い1膳約5.9円で仕入れることに。
山本さんの紹介で情報館から神奈川県箱根町や福岡市の料理店に出荷することも決まった。県外で販売されている吉野の割り箸の高さに気づいた藤丸さんは、東京の料理店などに尋ねて回ったところ、「同じ値段なら少しでもよい箸を使いたい」との声を多数聞いた。「直接取引で従来品より安く出荷すれば勝負できる」。今後の需要拡大や観光情報の発信を見越し、東京での営業を決めた。
昨秋、県の緊急雇用対策事業を活用して東日本大震災で被災した福島県と千葉県の20代の男性3人を雇い、東京都にオフィスを開設。11月から料理店への営業を始めた。福島県いわき市出身の柿崎智広さん(28)は、約30種類の箸を持って日本料理店に営業に出向く。国内に多く流通している中国産が1膳1~3円に対し、吉野産は約3.5~30円。中には値段が大差ないものもある。「ひとくちに吉野の箸と言っても、これだけの種類と価格帯があることが知られていない。『この価格で買えるのか』と驚かれることも多い」と柿崎さん。これまでに41軒との契約に成功。「木目がきれい」「香りが全然違う」など評判は上々という。藤丸さんは「県の特産品への潜在的な需要は確実にある。生産者の利益になるよう、適正価格で取引を広げたい」と意気込む。
早速、森林ジャーナリストの田中淳夫氏が、ご自身のブログで、この記事を「吉野割り箸のコスト・パフォーマンス」として紹介されていた。《山村と観光地を結びつけて地域を活性化しようというのが狙いだ。実際に吉野を歩いて、川上村の高原野菜などに目をつけて直接仕入れて、奈良町で料理店に卸すなどしている。そして割り箸の販売もしていた。その地域活性局が、首都圏まで営業の手を延ばしたのだ。それも割り箸というアイテムで》。
《すると、次々と注文が取れた。その理由は、「安いから」。これまで吉野の割り箸は、いくつもの問屋を通って高くなっていたが、直販するとかなり安くなる。1膳5.9円で扱うらしい。この価格は、中国産よりは高いが、その品質を見れば、十分に戦える値段となった。これまで10円以上するケースだって普通だった。これは、ちょっとした眼からウロコである。「品質がいいから高くてもいい」あるいは「箸は食べられたら安いもので十分」ではなく、「品質がよくても許容価格があり、その範囲なら多少上乗せしてもよい箸を使いたい」だったのだ。これって、値段設定が間違っていたということ?》。
《ようは、コスト・パフォーマンスだ。品質差と価格差が釣り合わないと売れないのだ。これまで、その割合を間違っていたのかもしれない。中国産元禄箸が原価1円以下なのに対して、同じ品質(元禄箸など)の国産箸に3円つけていたら、売れない。かといって天削・利久箸など高級箸だから差別化だと言って10円という値段をつけても売れない。もちろん、箸袋などで工夫して20円~50円で売るケースもあるが、それは例外的な付加価値だろう》。
《そこそこ安くすると売れるのかもしれない。もちろん、製造価格を下げては何にもならないので、流通コストの削減が重要だろう。生産者と小売り店を直に結ぶか、産地問屋が直に消費者(外食店)と結ぶか。まだまだ国産割り箸に可能性があることを感じる。ちなみに東京の営業を回っているのは、緊急雇用対策による男性3人。みな震災被災者だそうである》。
かつて東京大学の林周二教授が、「問屋無用論」を説いた(『流通革命』1962年)。いわゆる「中抜き」である。ダイエー創業者の中内功氏も、その信奉者であった。その後、大型ショッピングセンターや「B to C」(e コマース)などが登場したが、日本では問屋(中間流通業者)が健在である。日本の消費財はアイテム数が膨大であり、小売業が欧米ほど寡占化されていないので、問屋の調達・供給機能が求められるのである。その裏には、日本の消費者ニーズの「細やかさ」が挙げられるかも知れない。
それにしても1膳5.9円というのは、魅力的な価格設定である(もとは1~3割高だから、6.5~8.4円ということになる)。県内には製造業者が82社(軒)あるとのことだが、ほとんどが零細業者(いわゆる家内制手工業)なので、価格決定権はない。「中抜き」による割安設定で、「許容価格の範囲内なら、多少割高でも品質のいい箸を使いたい」という買い手の心をつかんだのである。
先日、藤丸くんはFacebookに《東京での弊社の取引契約軒数が30軒を越えました。50日に満たない営業日数でしたが、開始は上々です。吉野の割箸の現在での年間出荷本数は20万3000膳。吉野本葛が年間45kg。「本物が届くのが良い」とよく言われる》。さらに今日は《3月末で41軒でしたが、今月は来週には50軒目を取ることが出来そうです。昨日、京都祇園2軒と、北新地1軒・難波1軒いただきました。今日もスタッフが祇園で紹介を貰って回っています》と、頼もしいことを書いておられた(「地域活性局が5周年」)。吉野割り箸の販売は、ほとんどすべてが中国産割り箸からの乗り換えなのだそうだ。1膳5.9円なら太刀打ちできるのである。
私は大阪へ出ると、よく道具屋筋を歩く。かつて、店頭は「中国産の木製割り箸」(アスペン、白樺など)で占められていた。その後中国で木がなくなってきたので「これは吉野割り箸のチャンス到来!」と思っていたが、結局「中国産の竹製割り箸」と「プラスチック箸」に置き換えられただけだった。有害な薬品(漂白剤や防カビ剤)が検出された竹箸は論外だし、プラスチック箸は、あまりにも口当たりや手触りが悪い。
最近、国会議事堂の議員食堂で国産割り箸を置くようになったという話を聞いたが、私の勤務先の社員食堂でも、月に1度の「地産地消の日」にはヒノキの天削箸(B級品)が出てくる。これは口当たりも触感も良いし、値段も安い。以前私は「県下飲食店で提供する全ての料理に、エコ商品である吉野割り箸をつけよう」という提言をしたことがあったが、やはりこれは間違っていなかった(「観光立県・奈良への提言」)。
藤丸くんの尽力により吉野割り箸のコストパフォーマンスが改善され、東京など大都市の料理店に普及しつつあるのは、とても有り難いことである。私も、もっと吉野割り箸の良さをPRしたいと思う。小学生だって、あんなに頑張っているのだから。
※参考:「環境にやさしい吉野割り箸を使おう」(小学生の卒業論文)、「割り箸鑑定団」(インターネット新聞「JanJan」)
吉野産の割り箸を、「奈良町情報館」(奈良市中院町)を運営する株式会社「地域活性局」が東京の料理店に売り込み、販路を広げている。手触りの良さや香りの高さから高級品として知られるが、介在する流通会社を省くことで割安な価格で売り込んでいる。地域活性局は奈良町の観光案内や県内の特産品販売などが業務。
3年前の夏、京都市中京区の京料理店「魚棚(うおんたな)」の店主山本純示さん(50)が観光客として情報館を訪れ、販売されていた吉野の割り箸の安さに驚いた。山本さんが店で仕入れていた吉野の割り箸は複数の流通会社が間に入っていたが、情報館は下市町の問屋のみを介して仕入れているため、価格は安く抑えられていた。山本さんは地域活性局社長の藤丸正明さん(28)に「取引がしたい」と持ちかけ、以前より1~3割安い1膳約5.9円で仕入れることに。
山本さんの紹介で情報館から神奈川県箱根町や福岡市の料理店に出荷することも決まった。県外で販売されている吉野の割り箸の高さに気づいた藤丸さんは、東京の料理店などに尋ねて回ったところ、「同じ値段なら少しでもよい箸を使いたい」との声を多数聞いた。「直接取引で従来品より安く出荷すれば勝負できる」。今後の需要拡大や観光情報の発信を見越し、東京での営業を決めた。
昨秋、県の緊急雇用対策事業を活用して東日本大震災で被災した福島県と千葉県の20代の男性3人を雇い、東京都にオフィスを開設。11月から料理店への営業を始めた。福島県いわき市出身の柿崎智広さん(28)は、約30種類の箸を持って日本料理店に営業に出向く。国内に多く流通している中国産が1膳1~3円に対し、吉野産は約3.5~30円。中には値段が大差ないものもある。「ひとくちに吉野の箸と言っても、これだけの種類と価格帯があることが知られていない。『この価格で買えるのか』と驚かれることも多い」と柿崎さん。これまでに41軒との契約に成功。「木目がきれい」「香りが全然違う」など評判は上々という。藤丸さんは「県の特産品への潜在的な需要は確実にある。生産者の利益になるよう、適正価格で取引を広げたい」と意気込む。
![]() | 割り箸はもったいない?―食卓からみた森林問題 (ちくま新書) |
田中淳夫 | |
筑摩書房 |
早速、森林ジャーナリストの田中淳夫氏が、ご自身のブログで、この記事を「吉野割り箸のコスト・パフォーマンス」として紹介されていた。《山村と観光地を結びつけて地域を活性化しようというのが狙いだ。実際に吉野を歩いて、川上村の高原野菜などに目をつけて直接仕入れて、奈良町で料理店に卸すなどしている。そして割り箸の販売もしていた。その地域活性局が、首都圏まで営業の手を延ばしたのだ。それも割り箸というアイテムで》。
《すると、次々と注文が取れた。その理由は、「安いから」。これまで吉野の割り箸は、いくつもの問屋を通って高くなっていたが、直販するとかなり安くなる。1膳5.9円で扱うらしい。この価格は、中国産よりは高いが、その品質を見れば、十分に戦える値段となった。これまで10円以上するケースだって普通だった。これは、ちょっとした眼からウロコである。「品質がいいから高くてもいい」あるいは「箸は食べられたら安いもので十分」ではなく、「品質がよくても許容価格があり、その範囲なら多少上乗せしてもよい箸を使いたい」だったのだ。これって、値段設定が間違っていたということ?》。
《ようは、コスト・パフォーマンスだ。品質差と価格差が釣り合わないと売れないのだ。これまで、その割合を間違っていたのかもしれない。中国産元禄箸が原価1円以下なのに対して、同じ品質(元禄箸など)の国産箸に3円つけていたら、売れない。かといって天削・利久箸など高級箸だから差別化だと言って10円という値段をつけても売れない。もちろん、箸袋などで工夫して20円~50円で売るケースもあるが、それは例外的な付加価値だろう》。
《そこそこ安くすると売れるのかもしれない。もちろん、製造価格を下げては何にもならないので、流通コストの削減が重要だろう。生産者と小売り店を直に結ぶか、産地問屋が直に消費者(外食店)と結ぶか。まだまだ国産割り箸に可能性があることを感じる。ちなみに東京の営業を回っているのは、緊急雇用対策による男性3人。みな震災被災者だそうである》。
![]() | 流通革命は終わらない―私の履歴書 |
中内功 | |
日本経済新聞社 |
かつて東京大学の林周二教授が、「問屋無用論」を説いた(『流通革命』1962年)。いわゆる「中抜き」である。ダイエー創業者の中内功氏も、その信奉者であった。その後、大型ショッピングセンターや「B to C」(e コマース)などが登場したが、日本では問屋(中間流通業者)が健在である。日本の消費財はアイテム数が膨大であり、小売業が欧米ほど寡占化されていないので、問屋の調達・供給機能が求められるのである。その裏には、日本の消費者ニーズの「細やかさ」が挙げられるかも知れない。
それにしても1膳5.9円というのは、魅力的な価格設定である(もとは1~3割高だから、6.5~8.4円ということになる)。県内には製造業者が82社(軒)あるとのことだが、ほとんどが零細業者(いわゆる家内制手工業)なので、価格決定権はない。「中抜き」による割安設定で、「許容価格の範囲内なら、多少割高でも品質のいい箸を使いたい」という買い手の心をつかんだのである。
![]() | 価格破壊 (角川文庫) |
城山三郎 | |
角川書店 |
先日、藤丸くんはFacebookに《東京での弊社の取引契約軒数が30軒を越えました。50日に満たない営業日数でしたが、開始は上々です。吉野の割箸の現在での年間出荷本数は20万3000膳。吉野本葛が年間45kg。「本物が届くのが良い」とよく言われる》。さらに今日は《3月末で41軒でしたが、今月は来週には50軒目を取ることが出来そうです。昨日、京都祇園2軒と、北新地1軒・難波1軒いただきました。今日もスタッフが祇園で紹介を貰って回っています》と、頼もしいことを書いておられた(「地域活性局が5周年」)。吉野割り箸の販売は、ほとんどすべてが中国産割り箸からの乗り換えなのだそうだ。1膳5.9円なら太刀打ちできるのである。
私は大阪へ出ると、よく道具屋筋を歩く。かつて、店頭は「中国産の木製割り箸」(アスペン、白樺など)で占められていた。その後中国で木がなくなってきたので「これは吉野割り箸のチャンス到来!」と思っていたが、結局「中国産の竹製割り箸」と「プラスチック箸」に置き換えられただけだった。有害な薬品(漂白剤や防カビ剤)が検出された竹箸は論外だし、プラスチック箸は、あまりにも口当たりや手触りが悪い。
![]() | 環境問題とは何か (PHP新書) |
富山和子 | |
PHP研究所 |
最近、国会議事堂の議員食堂で国産割り箸を置くようになったという話を聞いたが、私の勤務先の社員食堂でも、月に1度の「地産地消の日」にはヒノキの天削箸(B級品)が出てくる。これは口当たりも触感も良いし、値段も安い。以前私は「県下飲食店で提供する全ての料理に、エコ商品である吉野割り箸をつけよう」という提言をしたことがあったが、やはりこれは間違っていなかった(「観光立県・奈良への提言」)。
藤丸くんの尽力により吉野割り箸のコストパフォーマンスが改善され、東京など大都市の料理店に普及しつつあるのは、とても有り難いことである。私も、もっと吉野割り箸の良さをPRしたいと思う。小学生だって、あんなに頑張っているのだから。
※参考:「環境にやさしい吉野割り箸を使おう」(小学生の卒業論文)、「割り箸鑑定団」(インターネット新聞「JanJan」)
ウチも何年か前から、藤丸氏の扱うハシに変えました。竹製のモノからの転換です。一時期、竹の割り箸が流行って・・竹は再生が速いので、環境に優しい、と云う理論なのですが、見てくれがあまり良くなく、何か良いモノは無いか、と、探しているウチに見つけました。
tetsudaさんの云われる様に、価格が後押ししたのですが、竹に比べれば高いです。しかし、食事の際の雰囲気を考えると格段に違います。
しかし、ウチは、もともと、吉野の箸メーカー直で仕入れていました。祖父の時代からの付き合いの会社だったのですが、私が竹の箸に変えた時から、別の問屋になりました。格段に安くなりました。同等品でもこの問屋の方が安かった。つまり、流通がめちゃくちゃになっているのです。問屋も卸価格を知っていますから、メーカー直でも、問屋価格で卸して、「ぼったくり」ます。しかし、これが日本の流通のシステムな・・・だった訳で、問屋に対しての顔から、直販価格を出せなかった訳です。若し出したら、次は扱ってくれないかもしれない、との心配からです。中内氏も当初は苦労した様にも聞いていますし、城山三郎氏の「価格破壊」は中内氏がモデルです。
ただ、東京でも、安く買いたい、と思えば、今は業務用ネット販売が一般的になりました。私もちょくちょく使っています。吉野の箸も有りますし、そんなに高価ではありません。厨房機械や家具、食品から消耗品まで、なんでも揃っています。ネットの問屋、とでも云うモノでしょうか。
既存の問屋では、販売網に限界が有りますが、これは全国を走ります。物流さえしっかりしていれば大丈夫な訳で、今後も伸びてくる事業体でしょう。
ただ、吉野の箸メーカーも、ちょっと???な所も有って、まぁこれも日本の商店の商習慣なのでしょうか。
> 流通がめちゃくちゃになっているのです。問屋も卸価格を知ってい
> ますから、メーカー直でも、問屋価格で卸して、「ぼったくり」ます。
このような話は、私も聞いたことがあります。ズバリお書きになるところが「ハーフ紀州人」の金田さんらしいところですね。金田さんのコメントをご覧になった森林ジャーナリストの田中淳夫さんが書いておられました。
http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2012/04/post-002d.html
「興味深いのは、コメント欄。ここには、価格のつけ方のいい加減さを指摘している 直で買っても卸で買っても値段が一緒だったりする」「直販で安く売ると、問屋に文句言われるのが怖い、という心理が働くようだ」「現在の価格は安すぎて困る、と文句いいつつも、問屋支配から脱出はしないのだ。多少のリスクは背負っても、自ら販路を切り開く気持ちがあればよいのだが……」。
> 中内氏も当初は苦労した様にも聞いていますし、
> 城山三郎氏の「価格破壊」は中内氏がモデルです。
おおねそうでしたね。アマゾンへのリンクを貼らなければ…。
> 安く買いたい、と思えば、今は業務用ネット販売が一般的になりました。私も
> ちょくちょく使っています。吉野の箸も有りますし、そんなに高価ではありません
BtoCですね。私も覗いてみます。
凄い人に見つかりました。コメントの評論をされるとは思いませんでした。しかし、普段から問屋の持ってくる商品に対する価格が、ここ最近めちゃくちゃになってきた事に、起因する訳です。
この事は、旅館・ホテルの客室販売価格にも同じ事が言えます。直接電話をすれば、旅行会社への手数料分は、本来なら下がる筈ですが下がりません。私的には、下げてあげたいのですが、ここで落とし穴が有って、直接値段を聞いて、このあと旅行会社へ行ってこの価格で買う、と云う強者が出始めて、これはヤバい、となった訳です。また、旅行会社との契約書に、「直で販売した際と同等のサービスを提供する」との項目も有って、旅行会社と契約を結ばなかったら、何ら制約を受けないのですが、契約が有る以上は、これを遵守する必要も有ります。で、直販に近い、ネットエージェントが台頭してくる土壌が有った訳です。で、現在はごらんの通り。旅行会社の勢いが無くなってきました。
同様に、問屋も流行らなくなってきている気がします。問屋の顔色を伺わなくとも、販路が確立すれば何ら問題ない訳で、この様なメーカーさんも多くなりました。しかし、旧来からの取引の地元の問屋さんは、その余波を食らっている訳で、販売量が落ちている訳です。
これもこれで頭の痛い事だと考えますが、如何でしょうか。
> 問屋の持ってくる商品に対する価格が、ここ最近
> めちゃくちゃになってきた事に、起因する訳です。
問屋さんの「価格支配力」という問題ですね。「BtoC」の普及で、次第に変質してきている(変質せざるを得ない)ことは事実です。
> 「直で販売した際と同等のサービスを提供する」との項目も有って、旅行会社と契約を結
> ばなかったら、何ら制約を受けないのですが、契約が有る以上は、これを遵守する必要
> も有ります。で、直販に近い、ネットエージェントが台頭してくる土壌が有った訳です。
何だか、独禁法違反くさい条文ですね。リアルエージェントが衰退するのも、分かるような気がします。
> 地元の問屋さんは、その余波を食らっている訳で、販売量が落ちている
> 訳です。これもこれで頭の痛い事だと考えますが、如何でしょうか。
私は、単純な「問屋無用論」には与しません。日本の消費者ニーズは複雑微妙なので、販売店はどうしても多くのアイテム数を求められるからです。ただ、それはすべての商品に当てはまるとも思いません。「BtoC」の普及で、問屋さんは、淘汰の時代に入るのではないでしょうか。