tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

外国人が熱狂するクールな田舎の作り方(山田拓著)

2018年06月02日 | ブック・レビュー
奈良県生駒市ご出身の山田拓さんが書かれた『外国人が熱狂するクールな田舎の作り方』(新潮新書)をお読みになっただろうか?Amazonの「商品の説明」によると、

内容紹介
岐阜県最北端の飛騨市に、世界80ヵ国から毎年数千人の外国人観光客を集める人気ツアーがある。その最大の売りは「なにげない里山の日常」だ。小学生のランドセル姿に、カエルの鳴き声の拡がる田んぼに、蕎麦畑の中に立つ古民家に、外国人観光客は感動する。なぜ、なにもない日本の田舎が「宝の山」になりうるのか。地域の課題にインバウンドツーリズムで解決を図った「逆張りの戦略ストーリー」を大公開。

著者について
1975年奈良県生まれ。株式会社「美ら地球(ちゅらぼし)」代表取締役。横浜国立大学大学院工学研究科修了。コンサルティング会社に勤務の後、夫婦で525日間の世界旅行を経験。2007年、岐阜県飛騨市古川で「クールな田舎をプロデュースする」株式会社美ら地球(ちゅらぼし)を創設。


本の要約サイト「 flier(フライヤー)」の無料で読める部分に、やや詳しいレビューが載っていてる。

海外へ行くと、自分が慣れ親しんだものとは異なる風景や価値観がかくも人の心を動かすものかと驚くことがある。現地の人にとっては当たり前の日常でも、それは自分にとっての非日常である。たとえ小さな違いだったとしても、興味深くまた物珍しく感じられることがある。

著者が飛騨古川で手がけるツアー事業、「SA TOYAMA EXPERIENCE」(里山エクスペリエンス)におけるサイクリングツアーでも同様のことが起こっている。歴史的建造物でも世界遺産でもない飛騨の 里山のごく普通の風景は、外国人観光客にとっては非日常なのである。水田を初めて目にする人にとって、それは興味を引く対象になりえるだろう。初めて見る人にとっては、アマガエルでさえ、思わず写真を撮ってしまう「人気キャラ」になりえるのだ。

里山の景色に価値を見出す着眼点と、小学生の通学風景でさえも外国人観光客に喜ばれるだろうというひらめきは、525日もの間、世界を旅してきた著者だからこそのものと言えるだろう。

本書には、著者が飛騨古川の地で取り組んでいる里山サイクリングツアーの立ち上げについて、その全貌が書かれている。コンサルタント経験のある著者だが、企業のやり方が地方では機能しないこともあったと、その苦労の数々についても明かされている。

地域課題の解決を目指す方にとっては、どのような点で苦労するのか、また事業をいかに継続させ、収益化を図るのかという点で大いに参考になるだろう。インバウンドを狙う地方においては、救世主となる一冊かもしれない。


日本人にとっては何気ない日常風景でも、外国人観光客には新鮮に映る。まさに「逆張りの戦略ストーリー」である。ぜひご一読ください!
コメント (3)
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