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小保方晴子さんの記者会見(4/9)または「それでも地球は回っている」!

2014年04月15日 | 意見
小保方晴子さんの記者会見(4/9)をテレビの生中継で見たあとの感想は、自分のFacebookに書いたり、知人のKさんのFacebookにコメントしていたところ、先輩から「いっそ、ブログに書けば?」というアドバイスをいただいた。以前、政治問題や時事問題に関する記事を書いたとき、ブログ読者から「tetsudaブログにあのような意見は書くべきではない」というご指摘をいただき、遠慮していたのだが、すでにこれほどの「事件」に発展したのなら、私のスタンスも示すべきだろうと考え、思い切って書くことにした。

4/9(水)13:00から、大阪の新阪急ホテルで小保方晴子さんの記者会見が行われ、ほぼ全貌がテレビで生中継された。動画配信サービス「ニコニコ生放送」も、会見をすべて生放送したという。この日、私は朝から大阪へ出る用があったので(ありがとう 浜村淳です)、まる1日、休みを取っていた。帰宅してテレビをつけると、ちょうど会見が始まったばかりだった。

私は長年、勤務先で広報(対マスコミ情報提供)の仕事を担当してきた。記者会見は、記者クラブで行うのが原則だ。ホテルでやるとなると、相当高額になる。あとで知ったが、新阪急ホテル2階・花の間だと、250人収容。2時間で23万7600円、1時間延長するごとに11万8000円なのだそうだ。弁護士費用もかかる。すべて小保方さん個人持ちだろうから、これは大変な負担である。逆にいえば、それだけの覚悟で臨んでいるということなのだ。

我々一般市民は通常、記者会見を「リアルタイム」「ノーカット」で見ることはできない。あとで編集されたニュース映像や記事を見るのが関の山である。しかし、こうして全貌をくまなく見ていると、編集されたものでは見えないモノが見えてくる。報道陣がごったがえす会見場の異常な雰囲気、焚かれるストロボの光、テーブルに置かれたたくさんのマイク、質問する記者の声音、真摯に答える小保方さんの態度。4/11(金)、私はFacebookにこう書いた。

小保方晴子さんの2時間半の会見は、リアルタイムで見ていました。彼女は、とてもウソをついているようには見えません。「STAP細胞は間違いなく存在し、200回以上作製に成功している」は本当で、それはこれから明らかにされることでしょう。最後のところで「理研に対して、裏切られたと思うお気持ちはおありですか」という質問に対して「(しばらく躊躇し言葉を探したあと)そのような気持ちは、持つべきではないと思っております」と答えた。この返答は素晴らしい。理研を批難せず、しかし本音をチラリと見せている。理研さん、トカゲの尻尾切りは、もうたくさんです。

一方、知人のKさんは、ご自身のFacebookにこう書かれた(4/10)。

研究者としてSTAP細胞にしがみつくために、研究の肝心な部分を隠す小保方氏。理研の処分阻止に的を絞って、科学的な話を法律論にすり替える代理人。STAP細胞があるのかないのか、科学的な手がかりを得られず苛立つ科学者。科学的なことがわからないから、割烹着や私生活などサイドネタに逃げるマスコミ。若い女性がいじめられているように見えて、情にほだされている一般人。議論のベクトルがてんでバラバラ。

「割烹着や私生活などサイドネタに逃げるマスコミ」は、全く同感だ。4/9の会見を見るまで「実験室の壁がピンクや黄色」「ムーミンのキャラクター商品でいっぱい」「おばあちゃんの割烹着」などの報道に接し、うさんくさいものを感じていた。しかし会見をくまなく見て、考えが変わった。

私はKさんの「研究者としてSTAP細胞にしがみつくために、研究の肝心な部分を隠す小保方氏」というところに引っかかった。本当に彼女は「肝心な部分を隠」しているのだろうか。Kさんの指摘は「STAP細胞作製レシピが公表されていない」というところを突いたものだろう。会見で彼女は「ちょっとしたコツとかレシピが必要」とも言っていた。しかしこの点については、KさんのFacebookに眼科医で、大学院時代に再生医療領域の研究をしていたというK山さんがこのようにコメントされていた(4/10)。

この世界は厳しい世界です。つまりは足の引っ張り合いの状況です。なぜなら1番に発表しなければ意味がないからです。同じような研究をしている科学者は世界中にたくさんいると思われます。論文では作製方法は記載されていると思いますがちょっとしたコツ(ここが再現するうえで重要!)は記載しません。記載してしまうとマネされてしまうからです。肝心の部分を隠すのはある意味当然と思われます。もしかしたらパテントを取ろうとしている可能性もあります。再生の研究者は皆、わかっていると思われます。あまりたたきすぎると有能な人材が米国へまた流出するのではと危惧しています。

論文にミスがあったことについては、小保方さんが素直に認め、謝罪している。しかし肝心なのはそのような「プロセス」ではなく「結果」である。彼女は「200回以上、STAP細胞の作製に成功している」と断言している。論文作成上のミスと研究の真実性は、分けて考えるべきであり、STAP細胞の研究そのものを否定すべきではない。「それでも地球は回っている」。だから私はKさんのFacebookに、このように書いた(4/12)。

写真の取り違えは「元データに遡らず、自分の作った Power Point 資料から取ったので間違えた」ということでした。初歩的なミスですが、私もたまに、こんがらがることがあります。故意ではなく、本人曰く「不勉強、不注意、未熟さ」故の過ちでしょう。いずれにしても、再現実験が行われれば、すべて明らかになることです。評価はそのあとで良いと思います。

4/12付の朝日新聞朝刊に「STAP論文新疑惑」という記事が出た。英科学誌ネイチャーに掲載されたSTAP細胞の論文には、メスのマウスのSTAP幹細胞に関するデータが載っているが、幹細胞を作った山梨大の若山照彦教授は「オスしかつくっていない」と話していることがわかった、というものだ。

これが本当なら「新疑惑」だが、これについては、小保方さんが昨日(4/14)、「4月9日の記者会見に関する補充説明」という文書を配布し、きちんと反論されていたので、単なる「誤報」であることが判明した。それにしてもこの若山教授、小保方さんの実験を指導する立場にあったのに、一連の報道で無責任な発言を乱発し過ぎるのではないか。小保方さんの「補充説明」の末尾には、このようにも書かれている。

4月9日の会見は「不服申し立て」に関する記者会見であり、準備期間も不十分で、しかも公開で時間も限られた場であったことから、STAP細胞の存在や科学的な意義についての説明を十分にすることができませんでした。しかしこのような事情をご理解頂けず、説明がなかったとして批判をされる方がおられることを悲しく思っております。理研や調査委員会のご指示や進行具合にもよりますし、私の体調の問題もあるので確かなお約束はできませんが、真摯な姿勢で詳しく聞いて理解してくださる方がいらっしゃるなら、体調が戻り次第、できるだけ具体的なサンプルや写真などを提示しながらの科学的な説明や質問にじっくりお答えする機会があればありがたく存じます。

4/9の会見後のツイッター分析では、小保方さんを「応援・支持する」が16%、「批判・不支持」が7%で、応援・支持が批判の2倍以上だった。会見を見ての感想を聞いていると、男性は概して同情的で、女性は厳しい。香山リカは《「彼女は『あざとさ』と『かわいらしさ』を併せ持った、『あざとかわいい』女性です》《『やる気は十分。でも未熟な女性科学者』VS『マスコミ』『権力を持った理研の上司』という対立構造を見事に演出していました」》と言ったとか(花田紀凱の週刊誌ウォッチング)。

花田紀凱は《それにしても、もしたった今、世界のどこかの研究所でSTAP細胞が再現できたらマスコミはどんな大騒ぎになるのか。想像するだけで楽しい》とも書いているが、私も同じ思いである。

STAP細胞の作製は、ES細胞やiPS細胞の作製方法に比べて極めてシンプルなので、ノーベル賞を受賞する可能性が高いといわれている。未熟さ故のミスをあげつらうあまり、人類を救う可能性を秘めた研究を、棒に振ってはならない。

[ P R ]
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