田中雄二の「映画の王様」

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『男はつらいよ 噂の寅次郎』

2019-10-04 13:33:39 | 男はつらいよ

『男はつらいよ 噂の寅次郎』(78)(1984.10.10.水曜ロードショー)

 サブストーリーの、寅さんと博(前田吟)の父・諏訪飈一郎(志村喬)との信州での再会が味わい深い一編。マドンナは寅屋で働く早苗(大原麗子)。寅さんの恋敵役に室田日出男。

 「分かるだろ。惚れてんだよ。不器用だから言えないんだ。行ってやんな」寅が早苗に言ういいセリフ。

(2009.12.31.)
 まさにマドンナを演じた大原麗子の全盛期。きれいだけど、かわいくておしゃれ。そして色っぽい。でも、彼女が亡くなった今となっては、志村喬扮する博の父が語る「今昔物語」の一説がなおさら心にしみた。

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『男はつらいよ 寅次郎頑張れ』

2019-10-04 13:02:14 | 男はつらいよ
『男はつらいよ 寅次郎頑張れ』(77)(1985.10.13.日曜洋画劇場)
 
 
 マドンナは藤村志保。寅さんが、彼女の弟の電気工夫(通称ワットくん=中村雅俊)と、食堂で働く娘(大竹しのぶ)の恋の橋渡しをする。ワットくんが失恋したと勘違いしてガス自殺未遂(最後にたばこを一服でどかーん)をするシーンが笑える。
 
【今の一言】この話は、後の『寅次郎サラダ記念日』で、寅さんが大学生相手に面白おかしく語っていた。
 
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『男はつらいよ 寅次郎と殿様』

2019-10-04 10:26:03 | 男はつらいよ
『男はつらいよ 寅次郎と殿様』(77)(1983.4.12.月曜ロードショー)


 久しぶりに、寅さんの姿に笑いながら泣かされてしまった。おいの満男のために買ったミニこいのぼりと、トラと名付けられた犬をめぐる一悶着は傑作だった。お節介を焼いて、気が付けば自分はただの道化者になってしまう悲しさ、それなのに相手に気を使ってしまう優しさ、言いたいことが言えずに終わってしまう歯がゆさ、そんな自分を嘆いてしまう弱さ…。この映画の寅さんはいつにも増して悲しく、愛おしく感じられた。
 
 さて、今回は殿様役でアラカンこと嵐寛寿郎が登場するから、冒頭の夢の場面は鞍馬天狗だった。彼と寅=渥美清と、執事役の三木のり平が繰り広げる“喜劇”はなかなか面白かった。
 
 この日は、二か国語放送ということで、随時英語版も聴きながら見ていたのだが、声優たちが、オリジナルの間の取り方やセリフ回しをきちんと踏襲して、ほぼ完璧に演じていたのには驚いた。寅さんの世界は外国人にも通用するのか。まあ、考えようによっては、山田洋次の描く世界は、フランク・キャプラ的だと言えなくもないが。
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