武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

ピトグラム的な(色鉛筆作品616)と オリンピックあれこれ

2021-07-27 11:27:44 | Weblog

この絵が、壁に貼られていました。

丸い赤に目をうばわれ眺めています。

ポスターのような感じもして、

いつもの色鉛筆画とは随分違う。

色合いも独特で、いつもと違う。

新手のヒトグラムのような雰囲気。

オリンピックに影響を受けて描いたのか?と思い、

「この絵は、昨日描いたの?」と聞いてみた。

武内曰く、「いや、2年ぐらい前じゃないかな。」と。

「そんな以前の作品だったの?」

「そして、今、急に取り出してきて貼ったの?」

それには、答えてくれない。

ふ~んと、思いながら、見ていると、

お辞儀をしている人のように思えてきたから不思議。

ピンクの輪は、エネルギーのようにも感じられる。

形を追求するのは、武内の絵の特徴なのですが、

くっきりとした形が特に印象的。

東京オリンピックで夜空に浮かぶ、

ピトグラムの形をいいなぁ~と見ていたので、

ピトグラムのように感じてしまった私がいます。

 

そんなヒロクニさんは、テレビで東京オリンピックの開会式を見ていました。

「始まるまでは、色々あったようだけど、

始まってみると、やっぱり成功した方がいいよね。」と言う。

ヒロクニさんて、意外と素直なところがあると思い、感心した。

確かに、そうだ。

「いろんな国があるのだねぇ~。」とも言い、感心して見ているよう。

また、

「オリンピックというのは、クーベルダン男爵という人がいてねぇ~。」と。

えっ、クーベルダン男爵って何?と思い、

聞いたことのないクーベルダンという単語を頭の中で反芻した。

響きがドイツ語のような雰囲気。

続けて、「クーベルダン男爵というのは、今のオリンピックの創立者でね。」と言う。

クーベルダン男爵は、フランス人だった。

ここで、ヒロクニさんのことを「隠れインテリ」と言う呼ぶ人がいることを思いだす。

映画好きなマスターがいる店で、そう呼ばれていました。

意外なことを知っていて、物知りなのです。

店で、ふざけていたり、変な冗談を言っていたりするので、

しょうがないオッサン(今は、爺さん)という扱いを受けているが、

意外な博識ぶりを発揮すると、「隠れインテリだ。」と、いう反応になるらしい。

「クーベルダン男爵」は、古代オリンピックを復興させ、近代オリンピックの基礎を築いた人で、

教育に重きを置き、五輪のマークをデザインした人でした。

 

古代オリンピックは、元々は神々の神託を受けて開催されるようになったもの。

確か、アポロン神の神託で、ゼウス神に捧げるための競技と記憶している。

その間は、戦争をしていても休戦しなければならないという決まりになっている。

古代オリンピックは、紀元前8世紀から紀元後4世紀の間、行なわれていたというから驚き。

それを、今現在にもしていることを思うと不思議であり、

今、私達人類がオリンピックをしているという事実は凄い。

この話もヒロクニさんにすると、

「ほんとォゥ♪。」と、語尾を上げて、聞いてくれています。

その態度は、気に食わないのですがね・・・・。

また、続けて、「ギリシャやローマの頃は、全裸で競技していて、

オリーブ油を身体に塗って、その上からすべらないように粉をかけて競技にのぞむ。

天候も炎天下で行なわれるようで、観客も大変だったらしい。

ただ、観戦出来るのは男性と既婚の女性だけという規制があった。

ギリシャ、ローマはキリスト教ではないので、

男色の為に好きな男性を見つける格好の場所だったというのも凄い。

一般人も無料で見れるが、遠いところから歩いて行くのは、大変だったようだよ。」と。

こういうことを、マッサージしながら、語りかけていましたが、

すっかり寝ていたヒロクニさんでした。

ゆすって起してやった。

「すまん。すまん。」と言って、「あっちで寝てくる。」と去っていった。

マッサージしている時は、だまってやっていると退屈なので、

ヒロクニさんに教訓とか、自分が思っていることや、自分の中で感心のあることを

ひたすら話しながら、マッサージをします。

長いマッサージに望むときの秘訣はこれ!

ねちねちした妻を演じます。

夜空に浮かぶ球体のドローンも美しかった。

ヒロクニさんはテレビで。

わたしはネットでオリンピックを見ています。

↑遺跡より発掘されている壺。

古代のオリンピックの様子が壺に描かれています。

この赤茶と黒のコントラストが美しい。

これは、短距離走の絵でしょうね。

モダンな感じがしてセンスがいい。

文化的にも目を見張るものがある。

 

そんな私達2人の横にいる我家のピピ。

↑鼻を押さえても嫌がらず、されるがまま。

暑いのか、よく伸びて寝ています。

↑角度を変えて。

ずーとこの状態は嫌じゃないようで、このままで居てくれます。

部屋の温度が高くなると、ヒロクニさんのアトリエのどこかへ巣篭ってしまい、

姿が見えなくなる。

そして、クーラーをかけると、わたしの部屋へやってきて寝たり、

刺繍のじゃまをしたり、わたしの身体を登ったり降りたりとせわしい。

↑もう、寝る体勢に入っていくピピ。

夏は、よく寝ます。

コガネムシが網戸の隙間から入ってきて、照明の笠にカツンという当たる音や、

頭のまわりで唸られ、頭にくっつくと、

「ああ、嫌だ~。」と、汗が出る。

我家の夏の風物詩なのです。

ヒロクニさんは、「こいつら、けっこうしぶといから。」と言い、

捕まえては、外のコンクリートに投げつけています。

「こいつら死んだフリしていていやがる。」

「俺、こいつらが起き上がって飛んでいく瞬間見た時、驚愕したわ。」と、

言いながら家に入ってきたりする。

話題は、コガネムシに集中する我家の夏。

ピピちゃんも歩いているコガネムシにフックをしかけて遊んでいます。

もう少し、クーラーを入れる時間を長くして欲しい。

夜になったら、コガネムシが大活躍よ・・・・。

また、ヒロクニさんは、寝ながら壁にとまっている蝉を見つめているそうです。

「俺、蝉と一緒に寝るのは始めてだよォ。」と、報告してくれます。

 

 

 

 

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空に浮かぶもの(色鉛筆作品615)と 制作における語録

2021-07-21 09:48:20 | Weblog

やっと梅雨が明け、青い空を見上げる日。

ヒト型のような形が空に浮かんでいる。

守り神のようなものであればいいと思いつつ、絵を見ています。

表情は、微笑んでいるように見える。

可愛らしく控えめな微笑みで、どことなく静けさを感じます。

この形は、よく武内の絵に出てくるのですが、

元々は、一筆描きの形から発展していったもの。

何度も、何度も、6Bの鉛筆でデッサンしていました。

それを色鉛筆の作品にしたものです。

浮遊感覚と自由な発想をを楽しんで頂けたらと思います。

私は、変な絵だなぁ~と思いつつ、可愛い感じがいいと思っています。

 

そんなヒロクニさんは、話好き。

暑くなってから、アトリエで過ごせない時間になると、

クーラーのかかっている部屋(台所ですが・・・)にやってきます。

肩のマッサージが終わると、ムクッと起き上がって、私と話します。

話すというより、話を聞いて欲しいという感じ。

話は絵のことばかりで、難解な時が多い。

↑話をしている時は、こんな風であります。

遠い目をしている時は、絵の話をしています。

上半身裸というのは、定番というか見慣れた姿。

「芸術家は、上半身裸が当たり前なんだ!!」と言って、

私の絵画教室の子供達と言い争ったりしたことのある人です。

「服着ろー!!」という、子供達と真剣に張り合って、

わざわざマルセル・デュシャンの写真、それも上半身裸の写真を見せて説明していました。

「芸術家は、これが普通なの。」と、写真を指さして言い、

次にその写真を額に入れて、これを見よ!とばかり、目立つところに飾る始末。

子供達には、その写真は古く思えるようで、「古臭い~。」と、ワイワイ。

(それも言えてるので、もうなんともねぇ~。)

良人と子供達の間での、教室以外の珍事が多く、とても教室は賑やかで、

仲裁に入る忙しいわたし・・・・。

本当にワイワイ、ガヤガヤ、ケンケンガクガクで、

その様子は、いい思い出になっている。

話が横道にそれそうなので、話を戻します。

こういう時は、絵を描いている続きの状態なので、

現在描いている絵をどうするか?という思いの話が多く、

その時の気合や思っている言葉をよく話す。

(左上に見える猫の絵は、ふたりで飼った始めての猫ちゃんの絵、キタハマちゃん。

 ヒロクニさんが絵を描く横でぐっすり寝ている様子の絵)

私は、時々、それをメモしている。

↑メモの紙

たくさんあって、これが部屋のあちこちに。

ちょっと書いているものを見てみると・・・。

ヒロクニさんの言葉のメモを一部、紹介。

■ちょっと走るから(←絵を描くことを走るという)

■優秀なアーティストは、心の根を描いている。

■制作の意識が沈んでから寝ることにしている

■対立するものがある時に出てきたもので、そういうのはもういい。

■時代が運び去ったものって凄い。そこに意味がある。

■絵って見つけないとあかんものがある。溜め込んできたものがあるんよ。

■それをそういう時は、つかんでしまうねん。

■何の値打ちもないねぇ。(←この言葉はよく使う)

わたし自身のメモもある。

*好悪の感情に縛られているだけでは、真の自由な意志などどこにもない。

*言葉というのは、どれもが仮のものであり、あくまで1つの方便

*過剰な繊細さに陥らない

ヒロクニさんの言葉とわたしのメモを改めて読んでみると、

関心ごとの違いがよくわかる。

こうやってメモをしておかないと、すっかり忘れるので、やっているのですが、

実は、聞いていても「何のことを言っているのかな?」と、分からないことが多く、

後で分かることもあるかもしれないし、他の人の方が分かるかもしれないと思い、

メモをつけはじめました。

部屋は、紙くずだらけの家になっていて、それがあっちこっちに散らばっていて、

夫婦共々、紙に埋もれそう・・・・。

お互い「これは捨てないで!」と言い合っています。

 

朝、ヒロクニさんから、

「ここからひまわりが見えるから、椅子を入れて写真を撮って。」と言われました。

↑朝日が入ってきています。

背もたれの付いた椅子に座れるようになり、楽になったそうです。

以前は、丸椅子でした。

「楽やねぇ~。」と、何度も言われます。

前はしんどかったのを強調したいのだと。

「椅子は、まだ買えません。がまんしなさい。」と、

言って取り合わなかったから、何度もいうのでしょうね。

私とよく似てきたと思います。

何度も言うというところが・・・。

 

↑こちらが制作中。

風が吹いて、紙が飛ぶので窓はすぐ閉められます。

紙はあちこちに散らばって置かれているので、紙の山が崩れると困るから。

朝のひとときの時間の写真です。

 

↑ひまわりの背が伸びてきています。

朝、この時間ひまわりをよく見ているらしく、楽しみにしてくれているみたい。

ひまわりは、ヒロクニさんのリクエストで植えています。

今日も暑くなりそうです。

がんばろうね。と言いたいのですが、マスクは暑いし、

部屋も暑いし(クーラーを入れるのにお許しがいる。ヒロクニさんは寒がり・・)、

ピー(猫)はくっつくし、蚊も多いし、部屋はムチャクチャだし、

まず、掃除をしなくては・・・、と思うのでした。

 

 

 

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神様は大あくび(作品紹介614)と 茄子といんげんの煮物

2021-07-14 10:26:52 | Weblog

この絵は、「神様は大あくび」という詩集の本の装丁の為に描かれた絵。

和紙にインクで描いた絵になります。

ヒロクニさんが40代の頃の作品。

和紙にペン先にインクを溜め、埋め込んでいったという。

「和紙にペン先が引っかかるから、難儀してねぇ~。」と、

よく口にしていました。

和紙にインクだと滲むのに、どうやって線をひいたのだろう?と、

素朴な疑問を持ったことを思いだします。

土着的な雰囲気と形而上学的な雰囲気が混ざり合って、

幻想的な感じの作品です。

私達のお仲人さんのような方、美術研究家の山本芳樹先生(故人)から、

伺ったことがあるのですが、

この仕事を請けた時、

「あんたに、本の装丁の仕事が務まるとは、思えん。と、

言ったらねぇ~、この男、発奮したのか、いい仕事をしてねぇ~。」と。

「私が、くそみそに言ったので、くそ~と思ったのかねぇ。」と、

おしゃっていました。

この話は、印象的でした。

芸術家は賛美を求める者ですが、

たまに、貶されることも必要なのかもしれません。

■【形而上学】というのは、哲学の一種なのですが、

 アリストテレスの表題なしの著作を「形而上学」と呼んだことから出来た言葉です。

 存在するモノの本質と、

 心の対象である抽象的なモノの関係を考える思考とでも言えばいいか?

ヒロクニさんは、「観念」という言葉をよく使っていました。

「私の絵画は、観念だから。」とも。

ぼんやり聞いていました。

わたくしの頭には、濃い霧がかかり煙幕が広がるのでした。

 

そんなヒロクニさんの日常は。

血液検査の結果を伺いに町の診療所へ。

これがまた、他の人と違う風貌と服装で。その上、奇行もあり。

前もって、時間のゆとりを与え、身支度の時間を長くとっているにも関わらず、

病院へ着いて、服装を見ると、

上半身裸の状態で、白い麻の長袖のジャケット姿。

座ると胸がはだけている。

理解を示して下さる看護婦さんだけが、

「セクシーですね。」と、声をかけてくれました。

一安堵つく私。

ヒロクニさんは、髭ボウボウの84歳、髪は白い。

ヤァ!とその看護婦さんに手を大きく振る。

それで、しばらくして待合で、フッと顔を見ると、マスクで目と鼻と口を覆っている。

目が覆われていると異様な感じで、妖怪か・・とドキリ。

「目まで覆って、暑くないの?。」と言い、マスクを引っ張って目が見えるように直す。

すると、また持ち上げて目を覆う。

笑いもせず、そうしているので、

「呆けてないよね・・・。」と、心から心配になったのでした。

血液検査の結果は、栄養素が足りてないぐらいで、異常なし。

鉄分が不足なのは、解消されていたようです。

あと、アレルギー反応が少しあり、それは「老人性しっしん」のせいかもしれない。

家に着いて、着替えをしているのを見ると、

パンツをはかずに、ズボンだけはいていたようで、

裸体をみて、あきれていたのでした。

 

その日、まだまだ梅雨空の続く日、

フッと思いついたことがあり、その言葉を紙切れに書いておいた。

これ↓

そうねぇ~、「心は、カラッと明るく。」これいいヮ!と。

テーブルに置きっぱなししていたら、

ヒロクニさんから、「これは、何なの?どういうことなの?」と、大声で呼ぶ声がした。

何か、怒っているのです。

「心はカラッと明るく行こうって良くないですか?」

「いいと思って書いて置いたのだけど。」と答える。

随分前、「清らかな心でいたい。」と言った時、

「清らかぁー?」と、素っ頓狂な声で驚かれたことを思い出し、

「まあ、あなたは混沌の元凶だから、ゴキブリが光りを嫌うように、明るさが嫌いなのか?」と、

思い、今度は私にどす黒い気持ちが出てくる。

反応に不満をつのらせる私。

ヒロクニさんは、いつも渦を巻いているような感じがする。

時に、ごねて動かない様子は、蛇がトグロを巻いているように思えたりして、

大蛇ではなく、アオダイショウといったところ。

それならと思い、次の日にメモを書いて置いた。

これだったら気に入るか!

↓これ

朝、このメモを見たらしく、

「気持ち悪い!」と、声を上げていました。

呪いの手紙でも見たような反応。

そして、また怒っている。

どっちがいいかな?と思ってと、種明かしをしたが、真顔のままでした。

私は、いたずらめいたことを思い付くと、ウキウキする。

そして、機転が利くわねぇ~と自分自身にいいます。

もっと違うことで、機転が利いたらいいのだけど、

そこは難しいようです。

「じめじめ暗く」は、嫌なようでホッとしました。

 

そんな日の夕食。

茄子とさやいんげんの煮物

鶏肉のオリーブオイル炒め(にんにくはこちらの料理を作ったときのもの)

ししとうのかつお節炒め→ししとうを油で炒め、塩、コショウ。それにかつお節をまぶします。

もずく

オニオンスライス

きゅうりの糠漬け

*最近は、みそ汁は飽きたからいらないそうです。

 

夏に「なすといんげんの煮物」は、よくします。

↑こちら

干し海老を使った出汁に、みりん(多め)としょうゆ、高唐辛子の輪切りを2つで、

煮ていきます。途中で出汁の味をみて、醤油やみりんを足します。

(出汁が薄いと感じたら、顆粒の鰹のだしを足すこともあります。)

煮上がりかけたら、サラダ油を少したらして少し煮ます。

どういう分けか、油を少し入れてあげる方が美味しい。

なすはやっぱり油と合うということなのか?といつも思います。

あっさりしていて、夏によく合います。

この料理は、季節にあっていたのか、

「美味しい。美味しい。」と言ってくれました。

 

庭は、緑で覆われて、にぎやかに。

↑里芋なのですが、八つ頭という種類。

普通の里芋より茎が多く伸び、茎は茶色。

里芋の土寄せをしたばかり。

土寄せはもっと早くしなければいけなかったらしいが、

長雨のため、すっかり忘れていました。

追肥を上げる時期は、カレンダーにメモをしておかねば!と思うのでした。

最近、忘れっぽくなっていて、

ヒロクニさんに「まさか・・、呆けてないよなぁ。」と、言われることあり。

そういう時、じっとして不動になり、心に灰色の気持ちが広がります。

物忘れと呆けは、違うと認識しております。

よく、冷蔵庫の前に行って、何しに来たのか忘れることがあるのですが、

皆、「それは、よくある。」と口をそろえて言ってくれるので、普通なのよね。

違うのかな?

怖いわ・・・・。

 

 

 

 

 

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緑の騎士(色鉛筆作品紹介613)と アーサー王物語あれこれ

2021-07-08 15:11:16 | Weblog

この絵を取り上げようと思ったことは何度もありましたが、

文章を付けるのが難しくてお蔵入りしていました。

アーサー王物語に「緑の騎士」というのが出てきます。

そんな雰囲気もあるかもしれないという、

強引な印象で取り上げることにしました。

初めてこの絵を見た時は、黙っていました。

この絵を見せてくれた時、「いいだろ。」と言われましたが、

答えようがなく、黙っていました。

なんか可愛くもあるとは思ったけれど、言葉が見つからなかったのです。

武内の頭の中って、どうなっているのか・・・。

バロックの美術書をよく読んでいた時期もあり、

「マニエリスム」という単語をよく聞いていた頃もあります。

本を覗いたら、わたくしは読まなくていい本と判断して、そうだねと頷くのみ。

難解な美術用語が多く使われている本で、敬遠しました。

しかし、バロックの要素がこの絵にはあるのかもしれないと、思える。

 

このところ、アーサー王物語を読んでいました。

あの円卓の騎士の物語です。

絵画教室をしていた頃、指輪物語にはまっていた生徒さんから、

「イギリスは、建国神話がない国なんだよ。

だから、建国神話の代わりに指輪物語とかがあるんですよ。」と、話してくれた。

確かに!と思い、「ナルニア物語」とかもあるな~と、聞きながら思っていた。

イギリスという国の神話がない?これは思ってもみなかったことでした。

確か・・・、ブリテン島は、ローマ帝国にかなり侵食されていたことも思いだされ、

スコットランドのケルト人がなかなか強く、島の北側は征服できなかったはず・・・、と。

ケルト人は、戦車を駆使していて、獰猛で強かったらしい。

そして、建国神話がない・・・、と改めて考えていた。

 

梅雨の晴れ間を見計らって、図書館に行った。

探していた本は見つからず、手に取った本は、「アーサー王物語」。

これって有名なのに、読んだことがない。

そんな風に思って読み進めると、イギリスの建国の神話じゃないかな?と思える内容。

これが、ヨーロッパの物語の基礎になっているようで、面白い。

あの有名な「トリスタンとイゾルデ」も、アーサー王物語に含まれていて、

ワーグナーのオペラが残っているし、映画やゲームにまで登場しているらしい。

ヒロクニさんには、

「ワーグナーのオペラにトリスタンとイゾルテがあるじゃない、

アーサー王物語からきているみたいよ。」と言うと、

「へぇー、そうなの?」

「そのトリスタンとイゾルテは、どんなお話なの?」聞かれる。

「ドラゴンを退治した騎士は、その国の王様の娘の婿になるという話なんだけれど、

その騎士は、自分の国の王様の妃になる人を探していて、婿になる気がなくて。」

「そして、王様の娘は、すっかり騎士に恋してしまっているが、騎士は恋していないわけ。」

「そこで、王の娘を思う侍女が、愛の媚薬を2人に飲ませるのよ。」

フッとヒロクニさんを見ると、しらけた顔して寝そべっている。

(そういう時の顔の無常なこと。顔中でつまらんという表情・・。)

私の話し方、語り方では、恋の情感がそぎ落とされているので、

つまらないのだと悟り、話すのをやめました。

わたしくしも、良人の顔みてすっかりしらけるのであった。

簡単に言うと、マルク王に仕える騎士トリスタンと、

ドラゴンが出没した国の王の妃イゾルデが愛の妙薬を誤って飲んでしまい、

互いに惹かれ合って命を落としてしまうという話。

恋を語らせる専門は、武内にまかせることにしようと思いました。

あの顔・・・。目が死んでいるし・・。

もういい。話はしない。と、意固地な気持ちに・・・・。

 

アーサー王物語は、ヨーロッパの絵画に出てくるモチーフを理解するのに役に立ちました。

有名な画家の絵を紹介します。

すべてトリスタンとイゾルテのテーマの絵になります。

↑ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作  1916年

マルク王に仕える騎士トリスタンと、その王の妃イゾルテが愛の妙薬を誤って飲んでしまう。

その場面が描かれています。いかにも中世らしい雰囲気があります。

ただ、この頃の娘は15歳ぐらいが適齢期だと思うと、随分イゾルテは老けて描かれている。

30代ぐらいに思えます。

そして、甲冑。この頃の甲冑は、重さが20~30キロぐらいあるそうで、

それを着て戦うということから考えると、騎士は体力がかなり必要そう。

 

↑こちらは、オーブリー・ピアズリー 1895年作

イゾルテが、妙薬を飲んでいるシーン。

ビアズリーは、竹久夢二に多大な影響を与えた画家です。

グラフィックな要素があり、赤色の印象が強く、

この色によって、これから起こるであろう悲劇を想像させます。

 

↑こちらは、サルバドール・ダリの作品。

あの時計が溶けた絵で有名なシュールな世界の画家です。

狂った情愛を表しているとしたら、ピッタリです。

 

この他にも、アーサー王物語からインスピレーションを得た絵が、

本当にたくさんあります。

画家の源泉になっているようで、ヨーロッパの文化を感じます。

 

アーサー王物語の始まりは、小国同士が争いをすることで、ブリテン島が荒廃に見舞われ、

大きく統一することで、秩序を取り戻し、平和を目指すのがアーサー王なのです。

そして、その志やアーサー王の人徳によって集まった名騎士が集まるのです。

その騎士は、上下関係の関係なく円卓に座る。

秩序は戻り、平和は訪れる。

これでめでたし、めでたしで終わればいいのですが、

平和が続いてからは、騎士は戦うこともなく、自分を向上するための出来事も起こりません。

そこで、見識や冒険心のために、騎士達は、城を出て旅に出て行きます。

長く平和が続きますが、皆が旅に出ている内に、城に不穏な空気が立ちこめ、

アーサー王に裏切りが起こり、アーサー王の息子との戦いに。

そして、2人とも壮絶な死を向かえます。

全編を通じて、勇気や、愛。

そして律する精神、まっすぐな精神、騎士道精神の原型を感じる物語。

わたくしは、「ランスロット」という騎士が好きになりました。

武勇に秀でていて、ちょっと大人な騎士なのです。

酸いも甘いも知った大人という感じが他の騎士にはない魅力を備えていていい感じなのです。

 

そして、この物語を読んで、つくづく思ったことは、

「恐怖と勇気は、ワンセット。」なんだと。

勇気を出すには、恐怖が必要なのだと実感しました。

勇気を出す時というのは、しょっちゅうあるわけではないが、

勇気を出さねばいけない時って、心臓が高鳴っていて、恐怖や不安があります。

崖から飛び降りるような気持ちとも似ていると思います。

どうでしょうか?

私が勇気を出した時って、どんな時だったかな?と振り返っています。

長々と書きました。

絵って面白いと思って下されば幸いです。

 

雨が降り続きます。

そんな雨の日の庭。

↑ひまわりの背が大きくなってきています。

ニューギニアインパチェンスは、かなり大きな鉢に植え替えました。

どれぐらい大きくなるのか?楽しみにしています。

↑昨年採取した朝顔を植えてあります。

ネットを張ったので今年は見ごたえがあるかもしれません。

手前にトマトを植えてしまい、トマトで朝顔が見えなかったら、どうしようか。

落ち着きません。

 

 

 

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Song(作品紹介612)と それぞれの日常

2021-07-02 12:12:28 | Weblog

これから、夏だ!

暑い夏の到来がもう間近。

そんなことを思いながら、この絵を取り上げました。

この絵は、アクリル絵具で描かれています。

この絵も20年ぐらい前の作品。

「Song」と書き込まれている。

この頃は、私は仕事でかなり忙しかったようで、

どうして「Song」だったのか?

まるで覚えていない。

白の絵具が、水しぶきのように感じられて心地いい。

 

朝、ヒロクニさんは、「思念の外へ、外へを繰り返してますヮ。」と言って、

一枚の絵を持っていた。

その絵は、色鉛筆のドローイングだ。

続けて言うには、

「紙の上に鉛筆をこすっている時は、まだ思念がある。」と言う。

思念の外というのは、自分を離れたところか?

と、思いを巡らすのでした。

哲学のようでもある。

ふっと「座禅みたいなものか?」という考えが湧いた。

未だ、ただ座っているだけの座禅をしている、わたくしですが、

深い座禅では、自分の考えとか、思いとなどが無いところへ行くらしく、

その先があるらしい。

(本にそう書いてあった。)

ヒロクニさんは、絵で修行しているようでもある。

「思念の外」へ出た絵は、どんな絵なのだろう?

座るだけの座禅をしているわたくしですが、こんな風な考えを思いついただけでも、

座禅の効果はあったのかもしれない。

15分座ることが楽になってきたので、今度は、呼吸に意識を向けて、

丹田というところに意識を向けた呼吸法が楽に出来るようになるよう、

やってみるつもり。

何でも楽じゃないな・・・・と、思いました。

(雑念だらけでいいから、出来ることに向けてやっています。)

 

 

そんなことを言った日は、長くやっていない庭掃除に励むヒロクニさん。

↑庭木を剪定したものを、数日放置してありました。

放置されて枯れ木のようになり、カサカサと葉が音をたてるようになったら、

ゴミ袋に入れていきます。

↑「こっち向いて。」と、言うとなかなか向いてくれず、

「ああ、そんなことはどうでもいいんだ。」と、苦笑気味。

(無理やり笑っているのかもしれない。)

上半身、裸。

いつものヒロクニさんです。

 

その他の日常をランダムに。

我家の家族、ピピちゃんの写真。

↑カリカリを食べています。

大きくなって、ダンボールの台の上で食べていたのが、

階段?にいて、カリカリを食べるようになりました。

ダンボールにカバーのようなものを作ってあげないといけないかも?

と思いました。

一応、女の子なので。

この黒がちの茶色の色をヒロクニさんは気に入っていて、

「このブラウンがイイ。」と、ヒロクニさんはよく言う。

わたくしは、「ピーは、本当に顔、黒いよね。」とよく言います。

ゲージも好きらしく、手でクイッと自分で扉をあけて自分で入る様子は、

何時見ても微笑んでしまう。

この頃は、手付きが熟練してきて、早いのなんの!

職人になれたりして・・。(笑)

↑座布団に座って刺繍をしていて、私が立ち上がると、その隙をねらって、

座布団を占領するピピちゃん。

くったくなく伸びをしています。

実は、この座布団カバーは、水玉模様の生地に刺繍がしてある。

赤の水玉に白の糸で、プラスの形の刺繍を交互にしていて、

そうすることで、ただの水玉に味わいが加わって、雰囲気が変ります。

この座布団カバー自体が自作。

そして、ピーは、猫らしく座布団が好きなんですね。

 

そして、わたくしの日常の一コマ。

未だ、作ったことのない料理に「フレンチフライ」があり、

それを作ってみました。

↑この料理を好きな友人がいるので、作ってみたのです。

1、油をフライパン(揚げ物の鍋)に、たっぷりと入れる。

2、スティック状に切ったじゃがいもの水分をとってから、

  火をかける前の油に入れる。

3、入れ終わったら、弱火でジワジワと揚げていく。

4、じゃがいもがカラッとしてきたら、取り出し、塩を振る。

  出来上がりです。

初めて知ったのですが、カラッと揚げるコツは、

弱火でジワジワと時間をかけて、揚げることというのを知りました。

簡単な料理だけど、揚げ方が普通じゃないので、驚きました。

なんでもやってみないと分からないことってあるのですね。

火を点ける前に入れておく、というのがカルチャーショックでした。

ヒロクニさんは、マクドナルドへ行った気分になるそうです。

 

もう次もあって「ヤンソンの誘惑」という料理を作ってみたいと思案中。

これも、じゃがいも料理。

今は、自家菜園をされている方から頂いた、美味しいじゃがいもがあるので、いいかも?と。

食べることには、熱心なのでした。

もう、楽しみって食べることしかないのかも?

もう、動物って感じ。

 

それぞれの日常を過ごしています。

夕食どきは、狭い台所に3人(猫含む)が集まります。

 

 

 

 

コメント (2)
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