多摩てばこ通信

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最近読んだ本(その103)

2023年08月19日 | Weblog
最近読んだ本から
「極楽征夷大将軍」 垣根涼介著 文藝春秋
今年の第169回直木賞受賞作。足利尊氏・直義兄弟と執事の高師直を中心とした鎌倉幕府滅亡~南北朝~室町幕府の激動の時代を描く。著者の歴史物は定評があるが、余り脚光を浴びていない時代を詳しく書いていることからも日本史好きには嬉しい。この時代戦国時代前とはいえ日本の至るところで紛争が頻発していたことを最近知ってきた。中学・高校の歴史教科書にはほとんど記載がないところ。また、尊氏の不人気や楠木正成人気など歴史観の偏りなどにも色々と思うところがある。楠木正成の神戸湊川神社は昔良く行ったし、皇居に像もある。新田義貞は東京府中の分倍河原の戦いで有名。後醍醐天皇のイメージは変わらないが。

「ある行旅死亡人の物語」 武田惇志・伊藤亜衣著 毎日新聞出版
行旅死亡人とは、病気や行き倒れ、自殺等で亡くなり身元が判明せず引取人不明の死者をいう。共同通信大阪社会部の二人の記者がふとしたことから、尼崎のアパートで高額の大金を残し死亡した老女のルーツを追う。親戚や知人は見つかるのか、その人がどう生きてきたかはわかるのか。

「高学歴親という病」 成田奈緒子著 講談社+α新書
衝撃的な表題だが、高学歴な親ほど子育てに悩むという。その人たちにアドバイスを届ける本。脳には育つ順番があるようで、間違った早期教育に走ってしまう親に警告。幼児にスマホを与えない、成功談より失敗談を語る等が重要という。習い事や勉強よりも、まずは自然な明るい対話で親子の信頼関係を築くことが大切だ。