多摩てばこ通信

食べもの、祭り、テニス、お酒、こだわりものを中心とした情報発信とひとりごと

最近読んだ本(その81)

2020年10月25日 | Weblog
最近読んだ本から。
『熱源」川越宗一著 文藝春秋
 第162回直木賞受賞作。樺太(サハリン)のアイヌ人ヤヨマネフクとポーランド人ブロニスクフ。日本人にされそうになった者とロシア人にされそうになった者が樺太で出会い、明治初期から太平洋戦争の終焉までの壮大な歴史が繰り広げられる。金田一京助の「あいぬ物語」が題材との様だが、そのスケールの大きさに圧倒される大作だ。

「超入門 失敗の本質」鈴木博毅著 ダイヤモンド社
 名著「失敗の本質」の解説本。8年前の刊行だが当時から読みたかった。いかに日本軍がずさんな敗北を帰したか、その反省に立ち現代人は昨今ビジネス書として本書を持ち上げた。しかし過去の反省ではなく、同じ過ちが今も繰り返されている。「愚かなリーダーや意志決定権者の中には耳に痛い情報や都合の悪い可能性を警告する人物を遠ざけるという、極めて危険なことを行ってしまうケースがあります」あれ!最近似たようなことがあった気がするのは、私だけかしらん。

「ツナグ~想い人の心得」辻村深月著 新潮社
 ツナグの続編。死んだ人との再会を望む人と死者とをつなぐ使者(ツナグ)。真意を確かめたい人、伝えたいことがある人、とにかく会いたい人。それぞれの人に色々な人生と別れがある。再会の思いが叶うのはフィクションの世界だけなのかなあ。

ナショナルギャラリー展

2020年10月15日 | Weblog
 昨日、国立西洋美術館で開催中の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」に行って来ました。以前から行きたかったが、コロナ禍で延び延びになり、今月18日までなので意を決して予約し行くことにした。今から42年前ヨーロッパへの卒業旅行で、ロンドン・ナショナル・ギャラリーへ行った時以来の絵画たちとのご対面と相成った。
 ゴッホのひまわり、レンブラント、フェルメール、ベラスケス、ゴヤ、ルノワール、モネ、ターナー、ヴァン・ダイクと美術遺産の宝庫だ。当時も美術教科書に載っている絵画が目の前にある驚きと感動は自分には大きな宝物だった。人数制限もありゆっくり堪能できたが、懐かしさと同時に、あの美術館前のトラファルガー・スクエアとネルソンの像、遠くに見えるロンドン塔と夕陽の光景が目に浮かぶ。

最近読んだ本(その80)

2020年10月11日 | Weblog
最近読んだ本から。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディみかこ著 新潮社
 ロンドン郊外のブライトン&ホーヴ市に住む一家。カトリック系小学校から地元の元底辺中学校に進学することになった長男を中心に世界の縮図のような日常を生活する。日常茶飯事のように人種差別、貧富の差、アイデンティティの問題が降りかかる中、確かな視点で克服していく親子の成長物語だ。課題図書にピッタリという意見もあるが納得。現在の英国が抱える問題もよくわかる。

『猫を捨てる~父親について語るとき」村上春樹著 文藝春秋
 ある夏の日、著者は父親と一緒に猫を海岸に棄てに行った。少年の日の思い出というのは日常の中でふと思い出すことがある、忘れていたものが何かをきっかけに、あるいはきっかけなしに呼び起こされる…。私もつい先日父親の23回忌があり、コロナ禍で帰れなかったけど一段落した。父親と行った明石公園やトラックに同乗しての四国・九州の旅など未だ時々子供のころを思い出す。いつかは語って残しておくべきと思っていた著者の気持ちもよくわかる。

「むかしむかしあるところに、死体がありました。」青柳碧人著 双葉社
 2020本屋大賞ノミネート作品。一寸法師は悪人だった?竜宮城に起こる殺人事件の犯人は誰か?桃太郎は時代を越えて生きていたのか?昔話がまさかのミステリーになるとこんなに面白いかと変に納得した。

Web飲み会の日本酒

2020年10月03日 | Weblog
先日、Web飲み会でかの有名な多摩の小山商店の『Web懇親会セット」で小山社長見立ての地酒二本を楽しんだ。
銘柄は、『信州亀齢(きれい) 純米 無濾過 ひとごこち 火入れ」と『屋守(おくのかみ) 純米 中取り無調整 火入れ」の二本。うんちくはさておき、亀齢は癖がある独特の風味、甘くもあり辛口でもある楽しめる味だ。一方、屋守は日本酒らしい伝統的な風味。個人的な好みで申し訳ないが、私には合わないタイプ。ごめんなさい。
 元々私は日本酒を飲まない。というのは、冷やや常温は好きなのだが熱燗は駄目なので、昔の熱燗全盛時代は日本酒は飲んでいず、その後の地酒ブームになって飲み始めた。でも、好きなタイプの銘柄を楽しみながら飲むのがいい。もちろん個人的好みで楽しみたい。強くないが、楽しみながら飲む日本酒もいいものだ。