多摩てばこ通信

食べもの、祭り、テニス、お酒、こだわりものを中心とした情報発信とひとりごと

今年の読書2019(令和元年)

2019年12月31日 | Weblog
今年の気に入った本ベスト3は、
1. 童(わらべ)の神 今村翔吾著 角川春樹事務所
2. ベルリンは晴れているか 深緑野分著 筑摩書房
3. いつかの岸辺に跳ねていく 加納朋子著 幻冬舎

多忙な年だったので、今年は読む本の数が少なかった。仕事がらみの実務書や参考書を読むことが多かったので、どうしても印象に残るのはフィクションものになってしまった。3冊とも読んでいくうちにこのあとどうなっていくんだろうか、と引き込まれた。舞台は歴史伝説、海外、学生時代と異なるけど著者の色々な力が凝縮されている。

特別賞は「ゴリラの森、言葉の海」山極寿一・小川洋子著 新潮社。対話集だが、山極先生のゴリラの話は教科書にも出てくる。ゴリラのヒトとの違いが意外であったり、そこから展開する言葉の海を漂う二人の掛け合いを楽しく読んだ。

さて、もうすぐ2020年。来年はどんな本に巡り会えるか、楽しみだ。

最近読んだ本(その77)

2019年12月20日 | Weblog
最近読んだ本から
「キラキラ共和国」小川 糸著 幻冬舎
 「ツバキ文具店」の続編。遅ればせながら読む。主人のポッポちゃんはQPちゃんの母親に。ミツローさんと結婚したのだ。新しい鎌倉生活が始まる。今の時代に手紙でしか伝えられないことがある。代書の仕事をする鳩子さんを見ていると美しい文章とは何かを感じられずには居られない。本人の気持ちを上手く伝え、文字が人の心をうごかす文章のお手本を知る。表題の「キラキラ共和国」の意味や漂流郵便局も出てくる。書き言葉の教科書だ。

「わたし、定時で帰ります。ハイパー」朱野 帰子著 新潮社
 テレビドラマにもなったお仕事小説のこれも第二弾。主人公の車山結衣は今日も健在。IT企業も残業だらけのようだ。会社を定時で帰るのは難しい。私がサラリーマンだったころ、定時帰社は夢だった。初出社の日に今日はもういいよと先輩に言われ、当時の定時16時20分に帰った記憶はあるが、後は会社の忘年会かなにかの行事で定時で終わって会場に行く時など数えるほどしかない。定年の最終日も少し早かったか。以前取引先へ行く途中、港区大門の秋田屋で夕方4時から飲んでいる人たちが羨ましかった。働きかた改革で少しは残業は減ったようだが、定年までに中身も含め充分労働時間では会社に貸しがある‥‥。定時や残業の話になると止まらなくなるのでこの辺で。

「大家さんと僕 これから」矢部 太郎著 新潮社
 大家さんが亡くなられた。主人公の僕と大家さんとのほのぼのとしたやり取りは可笑しくもあり、楽しくもあり。四コマの中でも楽しい物語は続いていたはず。永遠ということはないけど、心地よい今がいつまでも続いて欲しかった。