多摩てばこ通信

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最近読んだ本(その90)

2021年11月30日 | Weblog
最近読んだ本から。
「臨床の砦」夏川草介著 小学館
 コロナウイルスは第五波が大きく収束し東京の感染者も最近は一桁と信じられない数になっている。しかし次のオミクロン株が世界では広まりつつあり予断を許さない。コロナ診療をする医療関係者は本当にご苦労様です。いち早くコロナをテーマにしたこの作品でも、「神様のカルテ」を彷彿させる信濃山病院の敷島医師が主人公である。これ以上に大変だった病院もきっと数多くあっただろうし、書かれたタイミングは後の蔓延前だったので、控え目に見えてしまう。だが、それでも大変さの一端が垣間見える。さらに蔓延しないことを祈るしかない。

「パンデミックを生き抜く」濱田篤郎著 朝日新書
 14世紀のペストの大流行により人類は絶滅の危機に瀕していた。今日の新型コロナウイルスより700年前にヨーロッパ人口の1/3の3500万人が死亡している。生物と病原体の戦いは地球の歴史からするとありふれたことなのかも知れないと著者はいう。コロナはペスト菌のように完全には無くならないかも。共存して生きてゆくヒントがあるかも知れない。  
 
「祈りのカルテ」 知念実希人著 角川書店 
 コロナの暗い話から一転して、読み物として楽しめた、泣ける連作医療ミステリー。大学附属病院での研修医の主人公諏訪野良太は研修で各診療科を回っている。そこで起こる様々な事件、真相は何か。