多摩てばこ通信

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最近読んだ本(その95)

2022年06月16日 | Weblog
最近読んだ本から。
「塞王の楯(さいおうのたて)」今村翔吾著 集英社
 城の石垣作りの穴太衆飛田組副頭の匡介は、「塞王」と呼ばれる源斎の後継者。戦国から泰平の世に代わる直前の関ヶ原の戦い前夜、大津城の攻防の盾となる。手に汗握る戦いの描写に脱帽。第166回直木賞受賞作。
「北緯43度のコールドケース」 伏尾美紀著 講談社
第67回江戸川乱歩賞受賞作。札幌を舞台にした警察小説。主人公の女性ノンキャリエリートが挑む未解決事件(コールドケース)は少女誘拐事件。組織に翻弄されながらも刑事の執念がみえる。構成より勢いがあり一気に読み終えた。
   
「推し、燃ゆ」 宇佐見りん著 河出書房新社
 「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。まだ詳細はなにひとつわかっていない。……」猫とは違い、アイドルを推す主人公の推しへの思いは純粋だが、推し不在の挫折感は深い。軽薄化した人間関係のなか、推し文化の社会的存在は危うい。164回芥川賞受賞作。