多摩てばこ通信

食べもの、祭り、テニス、お酒、こだわりものを中心とした情報発信とひとりごと

今年の読書H30

2018年12月31日 | Weblog
今年も年末なので恒例の今年読んだ本で個人的に気に入ったものを選んでみた。
第一位 「信長の原理」 垣根涼介著 角川書店
第二位 「AI vs教科書が読めない子どもたち」 新井紀子著 東洋経済新報社
第三位 「雲上雲下」 朝井まかて 徳間書店
第一位は織田信長の心理をついた傑作。こういった新鮮な歴史小説も楽しい。第二位は今流行りのAIと子どもたちの学習能力の低下を連動させた警告の書。日本の未来を心配させる。第三位は一種のファンタジー。民話の主人公たちが繰り出す話は楽しい。民話が無くなっていかないことを望む。
 私の理想の読書スタイルは、静かに売れている心暖まる本を探すこと。来年もどんないい本に出会えるか楽しみだ。
特別賞 「忘れられた巨人」 カズオ・イシグロ著 早川書房
ノーベル文学賞作家のベストセラーから。6~7世紀のイギリスが舞台だが読みごたえがあった。お勧めの本。

最近読んだ本(その70)

2018年12月08日 | Weblog
最近読んだ本から
「すぐ死ぬんだから」内館牧子著 講談社
前作「終わった人」が定年直後のサラリーマンの悲哀がテーマなら、今回は70歳代~80歳代の女性をターゲットにしたもの。ストーリーは面白く設定されて読みやすいが、やや非現実な設定が気になる。まあ、小説とはそういうものだろう。
 今の70~80歳代の女性は元気だ。老人クラブでもパワー全開である。少なくとも私達60歳代の男性より元気だ。主人公の言う「品格ある衰退」「自分が自分に関心を持っている」ことは重要である。平日街を歩くといかにも老人スタイルの人が多いことに気付く。その風貌に拒絶反応がある。少なくともしたいこと、出来なくとも目標を持っていることは一生ものだと思う。すぐ死ぬんだからという開き直りもいいが、だからこそ今しておくものがあるのでは。
「信長の原理」垣根涼介著 角川書店
前作「光秀の定理」も良かったが、信長も面白い。信長は悩んでいた。最強の軍団を作っても必ずや落ちこぼれが出る。優秀な人材を集めてもまた一定数の落ちこぼれが‥‥。その原理からすると自分を裏切る者も出ることになる。定番のストーリーも心理描写により新鮮な話となる。次は秀吉、その次は家康を期待したい。
「お金2.0」佐藤航陽著 幻冬舎
これからの経済は資本主義から価値主義に変わって行く。価値とは有用性・内面的・社会的。お金から解放される生き方へ、お金のためではなく価値を上げるために働くという。今の私の働きかたの方向だけど、世の中の経済が本当にそうなるとはまだ想像出来ない。今の資本主義の中で居場所のない人もまったく違うルールで回る経済では活躍する場があるというのだが。お金だけではないかも知れないが、やはりお金は必要だ。