広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

駅の杉

2015-04-22 21:59:24 | 秋田の季節・風景
4月から秋田駅自由通路「ぽぽろーど」の中央改札口前周辺に、あるモノが置かれている。
東側

西側・みどりの窓口前
いずれも木製の「屋根っぽい上部構造物付きベンチ」的なものと、「テーブル付きベンチ」が1つずつ設置された。
※こういう物体を「ジャイアントファニチャー」とかなんとか呼ぶらしい。

さらに、天井耐震補強工事(前回の記事)が終了した改札口内は、
改札外から ※改札口上部の発車標は交換されなかった、というか全体的には以前とまったく変わらない
写っていない右側の新幹線側も含めて、壁、在来線精算所の外壁、在来線/新幹線の仕切りのそれぞれが、木の板で覆われた。

今のところ現地に説明書きのたぐいはない【23日訂正・末尾の追記の通り説明書きが置かれた】と思われるが、3月20日付でJR東日本秋田支社ホームページに、秋田公立美術大学と連名で「秋田駅中央改札口付近において市街地木質化実証モデル事業を行います」とのプレスリリースが掲載されている。
美大では、秋田県から研究助成を受け、公共施設等への県産材の利用促進の可能性を調査する「市街地木質化実証モデル事業」を行っており、その一環でJR東日本が協力して秋田駅周辺が「秋田杉を用いた木材を基調とするデザインに」なったとのこと。
4月1日から1年間が実証期間。

秋田市はまったく関与していない(大学の設置者としては別に)ことになっているけれど、改札前の自由通路って秋田市の管轄では?


自由通路に置かれたものは、屋根っぽい上部構造物付きのものを「木製ベンチ」、テーブル付きのベンチは「木製テーブル」と表記している。【23日追記・末尾の追記の通り、テーブルは「ハイカウンター」とも称している】
これによって「人々が自由に利用し滞留できる憩いのスペースをつくります。」としている。
木製テーブル
細長いテーブル(【5月16日追記】長さ4メートル)に、向き合った2人分と3人分の椅子が互い違いに配置。背もたれはなく、着座位置は高め。

木製ベンチ
座る部分は直線からなる不揃いな形のものが不規則に並び、中央の1つ以外はそこから柱状の角材が上へ伸び、それらが連結されて天蓋のようになった構造物で覆われている。
 
座面はまっ平らで、薄い板を何層も重ねた構造。上の部材はボルトで固定。
柱が生えている部分は座面より1段高くなっているが、そこに座ってもいいのだろうか。(位置的・構造的に座ることは可能で、問題はなさそう)
クッション付きとか、座面がカーブしたりとかで座りやすい形状ならばなお良いのだけど、場所柄、耐久性や居座り対策として、あえてこうしているのかもしれない。
内側向きに座った視点
天蓋による圧迫感はなく、これがなければただのベンチで味気ないのだろうけど、デザインの意味が分からない。大丈夫そうだけど、何かの拍子に崩壊しそうな気がしなくもない。


昨今の首都圏の駅などは座る場所がなくて困るけれど、秋田駅の自由通路は比較的ベンチは多く、旅行客や買い物客などに利用されている。
今回設置されたテーブルとベンチは、改札口からいちばん近い座れる場所になったためか、座る人は多い。

おもしろいのは、テーブルとベンチで利用者層がはっきり区別されること。
テーブルのほうは、若者とサラリーマンばかり。1~2人程度で飲み物を飲んだり、書類やパソコンを広げたりするのに都合がいいようだ。座面が高くて背もたれがないので、高齢者は座りづらいこともあるだろう。
ベンチのほうは家族連れや若い人もいるが、年齢の高い人たちがよく座っている。既存のベンチと異なり、向き合って座れたり、せわしない通路向きでなく内側を向いてゆったり座れるのがいいのかもしれない。
若い人もけっこういますね
「人々が自由に利用し滞留できる憩いのスペース」としての目的は達成しているし、デザインとしても悪くはないと思う。
だけどこれでは、「秋田駅にちょっとおもしろいベンチがある」で終わってしまう。設置の意図や設置者についての説明表示は必要だ。


改札の中は、ただ壁を木で覆いましょうというだけなんだろうか。
(再掲)在来線改札内から見た、新幹線側との仕切り。ここも木材になった
気になるのは4月1日からとなっているのに、未だに工事途中っぽい感じがすること。
精算所の壁の一部(ドアや窓周辺)は以前のグレーの壁が見えているし、窓枠には緑色の養生テープみたいなのが見えている。
それと、在来線側の改札内側に、新たな窓口みたいなのができそうな雰囲気。
現在はそのすぐ隣に駅弁の売店があること、この事業にはJR東日本とともにJR東日本リテールネット(旧・キヨスク)と日本レストランエンタプライズ(旧・日本食堂)が協力していることから、そこに売店が移るのだろうか。
【5月10日追記】ゴールデンウイーク明け頃、予想通り駅弁屋がこの窓口に移動。従来の店は撤去された。(5月9日に確認)
【6月2日追記】5月末頃までには、精算所のドアや窓周辺がきれいに処理され、やっと完成した模様。

発車標の周りとか高い位置は従来のままのグレーなので、木質化されたのが部分的で統一感がないように見えてしまう。

天井工事の足場がなくなると、かなり広々と見えてしまった。(発車標上に広告がないことも一因)
改札内の様子はこちら。なお、4月末には発車標の上の広告が復活した。


選挙ポスター掲示板にしても、バスターミナルにしても同じことだけど、せっかく秋田ならではの杉を使っているのだから、もっとはっきりとアピールすればいいのに。みんなが「秋田杉」を知っているわけではなく、知らない人には「ただの木」なのだから。
【23日追記】23日に現地に行ってみると、ラミネート加工された紙が、テーブルとベンチの上に数枚ずつ置いて(貼っていたわけではなさそう)あった。自由に使っていいこと、事業の説明、美大や制作業者の名前などが書かれていた。テーブルのほうは「ハイカウンター」と表記されていた。

【5月16日追記】5月15日付秋田魁新報 秋田市地域面に記事が掲載された。
「公共性の高い場所に用いられた木材に対し、利用者がどんな印象を抱くかなどを検証するのが目的。県の助成金約1600万円を活用して工事を行った。」
利用者の印象はどうやって検証するんだろう。アンケートでも取るのか。

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2 コメント

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Unknown (ガンメタ)
2015-04-23 19:18:07
秋田はPRが下手なような気がしますね。小さなことでもどんどん情報発信をすれば、もっと多くの人に理解して貰えると思うのですが・・・話は少しズレてしまいますが、秋田はスポーツ王国なんて謳っていますがハピネッツのアリーナ問題は何でも行政に頼るのはどうだろうなんて言っています。確かに何でも頼るのはってのは分からなくもないのですが、ハピネッツが秋田のスポーツに貢献しているのは間違いないのであってもう少し言葉を選んで発言して貰いたいとも思いました。関係はないかもしれませんが、こんな行政じゃまともにPRも出来ないかなとも思ってしまいました。もちろん行政だけでなく企業もですが・・・(PRが下手なバス会社にいる自分が言える立場ではありませんが)そういえば広報あきたオンラインに東北六魂祭の交通規制が秋田駅前から臨海十字路までが規制の対象というのを見つけました。これで秋田のメインストリート(?)は全線が規制の対象となりますね。失礼ながら最後に告知を。来月より雄和線は切上~仁井田横町が工事のため通行できないため、13号線を迂回しての運行になります。ホームページにはすでに詳細が出てますのでご利用のお客様は確認願います。毎度長々と失礼しました。
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アリーナ (taic02)
2015-04-24 00:25:03
アリーナはいろいろ駆け引きがありそうで、よく分からないですが…
個人的な素朴な疑問ですが、県民会館と市文化会館の複合施設は是が非でも必要なのか。同様に老朽化しているであろう県立体育館はあのままでいいのか。いっそ市立体育館と統合して、それをアリーナにすればいいんじゃ? とか考えてしまいます。
外(県外)にも内(県民向け)にももっと情報を出して、多くの人が判断できるようにするべきでしょうね。

六魂祭は観覧席の発売は盛況なようですが、いい加減そろそろ交通規制などの情報を出してほしいものです。
何度か書いていますが、大野口から先はほとんど乗らないもので、路線網がちんぷんかんです。運転する方も乗る方も、よく間違えないもんだなぁと、他人事の気分ですが、どちらも要注意ですね。
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