最近の秋田市中心市街地

最近の秋田市中心市街地の様子をいくつかお伝えします。
現在進行中の事案であるため、状況は日々変化していると思われます。また、調査不足・勘違いによる間違いもあるかと思いますので、ご了承ください。

●仲小路
5月下旬から日赤病院・婦人会館跡地の再開発で“分断”されてしまった、「仲小路」。
現在の様子
歩行者専用“通路”（道交法が適用される“道路”ではない）となっている。乗ったまますり抜けていく自転車が多いんだけどね…
これにより、両端の信号機の一部が用済みになっていた。
6月に入ると、車両用はそのまま作動している（緊急車両や軽車両用か）が、歩行者用は通行止め後しばらくすると、
「工事中」のカバーが掛かった
通常なら供用前の信号機に掛けられているカバーだ。取り外すのが面倒だから、隠したということか？ 「工事中」じゃないと思うけど…

カバーが掛けられたのは4台の信号機だが、いずれもLED式。うち2台は薄型の最新式だ。
まだ新しいから、いずれは取り外してよそへ“転用”されるのではあると思うが、各地には視認性が低下したボロボロの信号機や、新設の要望が出ている交差点だってあるんだから、少しでも早く作業して、有効に使ってやってほしい。
それにカバーを掛けっぱなしにすると、すき間から雨水が入り込んでたまり、本体が錆びたり汚れたりしないだろうか。
【8月27日追記】8月20日頃までは上の写真の状態のカバーが掛かったままだったが、27日に信号機が撤去されているのを確認。


ところで、前回の記事アップ後、再開発組合が、分断された区間の仲小路を避けるように設置する計画であった施設内の通路を、仲小路と同位置の直線に変更するという計画に変更したらしい。（正式に決定したかどうかは不明）
周辺商店街や市民の声に押されて変更する気になったようだが、う～ん。


そして、個人的に気に掛けていることがある。
今月中旬には、歩行者もここを通れなくなるはず。
これは「工事が始まるから」ではなく、「土地の権利が市から再開発組合に移行するから」らしい。（参考：秋田市市勢活性化推進本部サイト）
ゆくゆくは着工するわけだが、7月中旬に完全通行止めになるのは、工事を始めるからというよりは、市の管理下になくなるためということのようだ。

さて、通行止め後の8月上旬からは、秋田市最大のイベント「竿燈まつり」が行われる。
JR秋田駅から夜のまつり会場の竿燈大通りへ行くには、仲小路か広小路を通るのが一般的。
実際には、横断歩道の配置等の関係で広小路経由の方が便利かもしれないが、まったく予備知識のない人（かつ地理感覚のある人）が、地図で道を探したり、駅の自由通路「ぽぽろーど」を歩いていると、自然に仲小路に足が向いてしまうと思う。だが、その道は途切れている。

秋田市は、市街地に案内地図や道しるべが比較的設置されていると感じている。（先日行った、Ｍ県Ｔ市にはまったくそれらがなく、迷子になるかと思った…）
その点では秋田市は親切だが、
赤矢印の間が通行止め区間。ちょうど「仲小路」の文字がかかっている
市内各所にあるこれらを全部、通行止めに修正するんでしょうか？
さらに観光案内所などで配布する地図、旅行会社など民間が配布する地図、旅行客が持参する古いガイドブック、すべてを修正するのは、絶対に不可能。
真夏の暑い日に、駅から仲小路の分断区間まで歩いて来て、「この先、通行止め」という表示があって迂回させられたら、僕が旅行客だったら怒りますよ！

当日、大きな看板や案内の人員を配置するつもりなのだろうか。
あるいは、特別に通行止めを解除する（特別開放する）という“奥の手”があってもいいのではないだろうか。

というか、多くのお客様をお迎えする、秋田市の最大のイベントなのだから、最初から竿燈終了後に完全通行止めにする考えはなかったのだろうか。
それに、例年、竿燈期間中だけ、日赤・婦人会館跡地が観光バスの臨時駐車場として使われていたが、それはどうなるんだろう？
既に対策が立てられていればいいのだが、再開発組合や市当局は、一刻も早く再開発ビルを建てたいという、自分のことしか考えてないように感じるのは僕だけだろうか。
【14日追記】その後、秋田市サイト内の6月1日の秋田市長定例記者会見の内容を見ると、

「竿燈については、実行委員会の方でも、商工会議所等々のボランティアの方々がかなり参加してくれますので、適当な場所に配置しながらご協力をいただいて、観光客がスムーズに流れるようにしていきたいと思っておりますし、歩行者については、竿燈期間中は通行できないか、今検討しているところであります。」

と、市長が話していたのを見つけた。
竿燈期間中の対応については検討しているようだ。
※続きはこちら

●産業会館跡地って

以前も触れた、仲小路西端、竿燈大通り東端（二丁目橋の東）にある空き地、「産業会館跡地」。
建物解体後、ずっとアスファルト敷きの空き地になっており、若者のスケボーなどの練習場や隣（協働社跡）にできたマンションの子どもなどの遊び場になっている。
マナーの悪さなどは目に付かなかったが、自然発生的なもので、行政も黙認しているのかと思っていた。ところが、

今まで気付かなかったが、隅っこに傾いた看板があった。
［市民の憩いの広場］の利用について
秋田市が設置した看板。
「市民の憩いの広場」という名前だとは知らなかったし、部署は分からないが、市の管理なのか！
使用のルールとともに、末尾には「この場所は、市民が誰でも利用できる広場として、秋田市が県から一時的に借りている土地です。」とあった。
さらに下に「看板掲示機関　平成17年3月31日まで」とあるが、上からシールを貼って隠している。

調べてみると、昨年2月の県議会定例会で、ここと隣接地に秋田市役所を移転してもらったらどうかと質問した議員に対し、知事（テラタ前知事ですね）は「今後、秋田市から相談があった場合には積極的に協議に応じてまいります。」などと答弁している。
市も県も自分から何かしようとは思ってないのだろうか。いつまで「一時的に」貸し借りするつもりなのか？

以前も書いたが、ここも市街地活性化の1つとして、何かに活用するべきではないだろうか。秋田市役所移転はともかく、「街区公園」化するとか、「憩いの広場」のままとしてもトイレやベンチくらいあってもいい。
いつまでこうしておくつもりなんだ？

そうそう、竿燈の時は、ここに屋台村みたいなのができ、けっこう賑わう。今年は、仲小路分断の影響で客足が落ちる可能性もあるが、どうなるんだろう。

●広小路アーケード撤去
仲小路の1本北側の道、「広小路」。
かつては秋田県最大の商店街で、たいへん賑わった。今は次々に商店が移転・閉店し、“シャッター通り”どころか、ただの道になった感もある。
ここには、歩道上にアーケードが設置されていたが、このほど、商店街側がそれを全面撤去する意向であることが分かった。
「行政に融雪歩道（ロードヒーティング）設置を働きかけ、その確約を得てから撤去すべき」という声があるようだが、撤去はやむを得ないという考えが多いようだ。

維持費用は商店街が支出しており、電気代（蛍光灯がたくさん付いている）だけでも年間約100万円（毎日新聞秋田版）かかっていたそうだ。数少ないお店に負担させるのは酷。
また、街灯が少ないのでアーケードの照明が落ちると、下手な道路よりも真っ暗になってしまう、ビル解体などでアーケード自体が途切れ途切れで、アーケードとしての用をなさない（結局傘が要る）、など、現状では存在意義が低くなっていたので、僕も撤去は仕方ないと思う。
アーケードが途切れてしまった場所
先代のアーケードが、大雪で崩壊した事故（1984年3月1日）があったように、雪国では積雪による老朽化も激しいに違いない。弘前の中土手町商店街のように、アーケードを撤去する例も多い。
広小路も、その中土手町のような素敵な雰囲気になってくれればいいが…

今のアーケードは1984年に2億8000万円で建設したとのこと。
何となく当時の記憶があるが、庶民的な以前のものと違って、よそよそしい感じがしたものだが、それも消えていくのか。

アーケードの屋根などは白っぽいが、その柱は何度か塗り替えているようだ。古い写真を漁ってみた。
2002年撮影
昔は柱も白く、根元部分にだけ淡い色（緑とピンク？）がついていたらしい。
2004年撮影
やがて濃い緑になった。上の写真では、融雪がないため、雪が吹きだまっている。
現在
2006年前後ではないかと思うが、柱が真っ赤になった。（屋根の一部は黄色になった）
2007年の国体に合わせたのか、イメージチェンジを狙ったのか、当初はものすごくドギツク見えた。（今は見慣れたが、違和感は感じる）
しかも、なぜか、木内百貨店前から旧協働社前は緑色のまま。（下の写真、向かい側のバスの辺りが協働社跡）
【16日訂正】協働社跡（現マンション）のアーケードは赤く塗り替えられていました。正しくは、「木内の駐車場」です。
なくなると本当にただの「道」になりそう
※続き（融雪装置設置決定）はこちら

●「ニューたけや」跡
仲小路の秋田駅側にあった、元祖ファミレス「レストランニューたけや」。
昨年末に閉店し、「ニュー金座街ビル」への改装工事が行われている。
昨年12月（閉店直後）
最近は暑くてバスに乗っているので、歩いてここを通ることがなく、久しぶりに通ったら、
こうなっていた
外壁がきれいになり、1階にはコンビニのサンクスが入るようだ。2階以上に飲食店が入るのだろうか。
※続きはこちら（リンク先の記事は上記仲小路通行止めと同じです）

●ニューシティは今
4月13日に閉店し、解体を待つ「秋田ニューシティ」。
タクシー乗り場だけは今も機能しているが、建物は
現在はひっそりとしている

6月25日付で所有者の辻不動産による「ご案内」が貼られていた
「長い間ありがとう。4月でやめたよ。今後解体するけど、詳細が未定なので、決まったらマスコミを通じて発表するよ」という内容。
閉店直後でなく、2か月以上経ってから唐突に貼られた感もあるが、26・27日に周辺で行われた「ヤートセ秋田祭」に来た人向けなのだろうか？
北側の外壁
何かの掲示（頻繁に目にしていたはずなのに思い出せない。駐輪関連の掲示だったか？）がはがされたようで、色が違う部分が露出していた。
現在は白っぽい外壁だが、たしか10年近く前（ダイエー末期）に塗り替えられたもの。以前は、はがされた跡のような、肌色だった。懐かしい。
【21日追記】8月20日から3月末までかけて、解体されることが発表された。跡地の利用法は検討中。
※その後の様子はこちら。

●ヨーカドーの後継は？
撤退が決まっているイトーヨーカドー秋田店。
その地階の食品フロアの後継テナントについて、「ヨーカドー撤退後の食品売場／スーパーと出店交渉／ASC来月中の合意目指す」という記事が、6月25日の秋田魁新報に載った。
　※ASC＝ヨーカドーが入るビルを経営する「秋田ショッピングセンター」のこと。

それによれば、
　「同じセブン＆アイ・ホールディングス傘下にある「そごう・西武」グループの食品スーパーと、テナント契約の締結に向けて協議を進めている」
　「食品スーパー側は、同ビルの立地や周辺商業施設との相乗効果などに関心を示しているという。同スーパーはこれまで（秋田）県内に出店していない。」とのこと。

僕は最初、「西友」かと思ったが、現在は外資系になっており、セブン＆アイ傘下ではない。
じゃあ、食品スーパーの「ヨークベニマル」かな、と思ったが、同社は「そごう・西武」グループというより、むしろヨーカドー系列だから、それも違いそう。
なんだかよく分からないが、近いうちに明らかになるのだろうから、待つことにしたい。
※続報