昨日も紹介したばかりですが、秋田らしいデザインのラッピングバスについて。
誤解されないようにしておきたいのが、これは中央交通がやっているのではなく、秋田市が実施する事業。
他の企業などのラッピング広告バスと同じく、秋田市が“広告主(スポンサー)”となって、中央交通のバスに広告を出しているだけのこと。ある意味、バス会社への一種の“補助金”のようにも受け取れるけど。
秋田市役所ではこれを「バス車両活用情報発信事業」としているので、それが正式名称のようだ。(http://www.city.akita.akita.jp/city/ur/im/05kotu/rapping/rapping.pdf)
募集要項には
事業費は980万円で、市民などからデザイン案を募集し、選ばれたデザインを15台のバスの片面(ドア側の縦1.1メートル×横7.6メートル)だけにラッピングして(=広告を出して)3年間走らせる。
ちなみに、秋田市の資料では、このラッピングを「ハーフラッピング」と称している。中央交通ではそういう呼び名なのかもしれないが、全国的にはハーフラッピングは違った意味を持つことがあるようだ。
例えば福島交通(http://www.fukushima-koutu.co.jp/ad/half_rapping.html)では、車体(両側面と後部)の窓より下にだけ広告を貼るものをハーフラッピングと呼んでいる。(フルラッピングでは、さらに窓上や屋根も広告が貼られる)
ほかにも、地の塗装が見えた状態で、既存の枠よりも大きな長方形の広告を側面に貼るものをハーフラッピングと呼ぶバス会社も存在するようだ。※同じような広告を、弘南バスがやっていた(パールライスつがるロマンとか)けれど、同社でハーフラッピングと呼ぶかどうかは不明。
なお、この事業では、別に105万円の予算で、民間企業が行う秋田らしさを含むラッピング広告に対し、広告費の補助を行うことにしているようだが、その話については話が聞こえてこない。
6月1日から7月8日まで、募集が行われた。応募資格は秋田市内在住者または通勤・通学者(年度初めの資料では「在住者に限る」となっていた)で、代表者が資格に該当すればグループでの応募も可。1人当たりの応募点数制限なし。
テーマは「秋田市の魅力が感じられ、「秋田らしさ」をイメージさせるもの」で、主な審査の視点は、「(1) 「秋田らしさ」が十分に表現されているか。(2) 秋田市の魅力の発掘、発信度が高いデザインであるか。(3) 周囲の景観と違和感がなく、親しみのあるデザインであるか。」。
優秀作品を5点選びラッピングバス化して、その応募者には賞状と賞金7万円(高校生以下の場合は同額の図書カード)が贈られる。
66名(またはグループ)から77作品の応募があった。
結果詳細(http://www.city.akita.akita.jp/city/ur/im/05kotu/rapping/propo/kekkashousai.pdf)によれば内訳は、
個人的な感想としては、風車が多いのに驚いた。確かに沿岸には風力発電用風車が立ち並ぶ独特の光景が見られるが、そうなったのはせいぜいここ十数年のこと。僕のような秋田市に昔から住む者には、これを「秋田市らしい」ものと認識できるほどには、まだ定着していないということか。
一方、これこそ秋田らしいと思う「稲・米」がわずか6点なのにも驚いた。今の時期の青空の下に広がる黄金色の田んぼはとても美しいし、あまりよそで見られるものでないと思うのだけど(近いうちに紹介します)。
あと、秋田市当局では、どうも秋田のプロスポーツをモチーフにしたデザインが応募されるのを狙って(望んで)いたのではないかと思わせるフシがある。募集期間中に追加された補足資料では「秋田市ではクラブスポーツ支援をして地域活性化を目指している」といった旨をわざわざ追記しているから。(しかも堀端などに大量の旗を立てるくらいだし)
しかし、同時に「企業名は明示しない、チームのロゴ等の使用には許可を得てその証明書を添付して応募すること」などと条件も厳しい。そのせいか敬遠されたらしく、上記の内訳を見るとスポーツを題材にしたものは残念ながらなかった模様。
審査委員は5名で、学識経験者2名(公立美術工芸短大教授と秋田市観光アドバイザー)、バス運行事業者から事業部長、行政から2名(秋田市の商工部と都市整備部の次長)。
審査の結果、優秀作品5点と特別賞(賞金が出ない!)1点の計6点が選ばれてバスになることになった。いずれも個人から応募された作品のようで、年齢は19歳から70歳までと幅広い(20歳前後が3名いるけど)。
バスは全部で15台というから、同じデザインが2~3台にラッピングされるのだろう。
で、実際のバス。
9月22日に先行してラッピングを終えた3台が秋田市役所前でお披露目され、同日から運行を開始した。10月1日までには15台が出揃うらしい。
今日、秋田市中心部をブラブラすると、10分ほどの間に2台を見ることができた。(その数時間後にも、同じ車をさらにもう1度ずつ見かけた)
しかし、その2台は同じデザインだった。つまり、既に4台目以降のバスも運行を始めていることになる。
冒頭の写真が、臨海営業所所属の「290」。
市役所前で公開された際、縦列駐車のいちばん前にいたのが、この290だった。
もう1台同デザインのバス
同じラッピングのもう1台は「316」という車両だったが、新国道経由土崎線を走っていた(上の写真は別路線走行時)。同路線の多くが、今春から臨海営業所の担当に代わっているようなので、この車も臨海営業所所属だろうか。→下記追記参照
臨海営業所では、新屋・割山方面、神田線、添川線、秋田温泉線、泉ハイタウン線なども担当しているので、それらの路線でもこのバスを見ることができるはず。
【10月7日追記】10月に入ってから、「316」を牛島方面で見かけた。秋田営業所所属かもしれない。
デザインをよく見てみると、
写真のバックが「秋田の味を売る店・せきや」前ってのも秋田らしいかな
白を中心とした背景に、版画風のイラストが並んでいる。
タイトルがないので何と言ったらいいか分からないが、「秋田の四季と方言(秋田弁)」をテーマにしたらしい。
この作者は46歳のイラストレーター(女性)で、採用された中では唯一のプロの作品ということになる。(車体には作者の名前は表記されない)
というか、この絵のタッチ、どこかで見たことがあると感じた。たぶん、秋田テレビ(AKT)の番組と番組のつなぎ目で流れる、「AKT秋田テレビです」というのに使われていた静止画だ(今は使われてないかな)。
【10月8日訂正】もうお一方、プロ(と思われる)方のデザインが採用されていました。後日の別記事にて紹介します。
四季の秋田の風物とともに、それに関連した秋田弁とその意味を紹介している。
あと、秋田蕗を「秋田大蕗」と表記しているのもやや引っかかった。そういう言い方もあるようだが、一般には単に「秋田蕗」じゃないかな。
秋田弁は
本来一部地域での言い回しのはずなのに、なぜか若者を中心に異常に好まれ、秋田弁の代表として(一部世代には)認識されているような感もある「しったけ/すったけ(“死ぬほど”が転化した、“とても”の意味)」がないことに、まずは安心した。
地域や人によって、微妙に言い回しが違うこともあるが、「めんこい」は「めんけ」、「重で」は「おぼで」の方が、より秋田弁らしいと個人的には感じる。
「さいさい」は「失敗失敗」と訳されているが意味が伝わるだろうか。これは感動詞で「しまった!」というような意味合い。繰り返さず「さい」という使い方もする。っていうか、なんでかまくらの前の子どもがなんで「さいさい」なんだ?
あと、些細な点だが、文字が味のある手書き文字なのはいいが、「なずき」が「なずま」に見えてしまう。知らない人には誤解(誤読)されてしまうかもしれない。
観光客など秋田市を訪れた人には、興味を持って見てもらえそうなデザインだと思う。
ただ、残念なのが、タイヤやウインカー周辺の処理。
後ろの方
まず、右端の雪の子どもの顔半分が、バンパーでなくなってしまっている。
それに、後輪に隠れて肝心のものがなくなっている。そこには「稲」があるのに。
「稲刈り」の文字はあるとはいえ、イネの絵が隠れてしまっては、鍋を囲むおばあさんと男の子を恨めしそうに横から見ているようにも見えてしまう。
原画では稲が頭を垂れている
【26日追記】背景の赤とんぼのタッチが原画と車体で異なることに気づいた。原画が絵の本体部分(?)と同じ手書き風のタッチなのに対し、バスでは機械的というか定型化された形のトンボで、羽が長く、胸部が丸くなっている。
前の方
竿燈の全体像が、中ドアに重なっていて、ドアが開いている時に見えなくなる。これは路線ラッピングバスの宿命ではあるのだが。
そして、秋田蕗の大きな葉も前輪で隠れているし、なんと秋田おばこの鼻(と口)の部分がウインカー!
光ってる! 赤鼻のトナカイじゃあるまいし
ずらすことはできなかったのだろうか。それとも「赤鼻の秋田おばこ」を狙ったのか?
【26日補足】実際には、ウインカーの上にもラッピングが施されてはいました。こちら
原画では、葉っぱも鼻もちゃんと
応募用紙は長方形で、バスの車体に忠実なわけではなかった。そのため、実際にラッピング化される際に、カットされる部分が出てしまうのだ。(資料では参考として、車体各部の形状や寸法が示されてはいる)
審査では「タイヤ部分が切り取られた場合のデザインに与える影響を考慮する」としたそうだが、だったら最初からタイヤ部分を削った応募用紙にすればよかったのではないだろうか。
上記の通り、ラッピングは側面なので、
後部は普通どおり
真後ろからだと、注意深く見ればラッピングがちょっとだけ見えるようだが、正面や運転席側からは、これがラッピングバスだとは見分けられない。
でも、走っているとそれなりに目立つ
おいおい他のデザインも紹介するつもりです。※続きはこちら
誤解されないようにしておきたいのが、これは中央交通がやっているのではなく、秋田市が実施する事業。
他の企業などのラッピング広告バスと同じく、秋田市が“広告主(スポンサー)”となって、中央交通のバスに広告を出しているだけのこと。ある意味、バス会社への一種の“補助金”のようにも受け取れるけど。
秋田市役所ではこれを「バス車両活用情報発信事業」としているので、それが正式名称のようだ。(http://www.city.akita.akita.jp/city/ur/im/05kotu/rapping/rapping.pdf)
募集要項には
「平成23年度からスタートする第12次秋田市総合計画「県都『あきた』成長プラン」において「都市イメージ「ブランドあきた」の確立」を成長戦略の一つに掲げ、芸術・文化をはじめとする様々な資源を活用しながら「にぎわい」や「秋田らしさ※1 」 を創造することにより、秋田市オリジナルのイメージの確立と市民が誇れる魅力あるまちづくりを進めることにしています。この取り組みの一つとして、市内を走行する路線バスの車体に、秋田市をPRするラッピングを施し、本市のイメージアップを図っていくことにしました。(※1「秋田らしさ」の秋田とは、「秋田市」のこと)」
などとある。事業費は980万円で、市民などからデザイン案を募集し、選ばれたデザインを15台のバスの片面(ドア側の縦1.1メートル×横7.6メートル)だけにラッピングして(=広告を出して)3年間走らせる。
ちなみに、秋田市の資料では、このラッピングを「ハーフラッピング」と称している。中央交通ではそういう呼び名なのかもしれないが、全国的にはハーフラッピングは違った意味を持つことがあるようだ。
例えば福島交通(http://www.fukushima-koutu.co.jp/ad/half_rapping.html)では、車体(両側面と後部)の窓より下にだけ広告を貼るものをハーフラッピングと呼んでいる。(フルラッピングでは、さらに窓上や屋根も広告が貼られる)
ほかにも、地の塗装が見えた状態で、既存の枠よりも大きな長方形の広告を側面に貼るものをハーフラッピングと呼ぶバス会社も存在するようだ。※同じような広告を、弘南バスがやっていた(パールライスつがるロマンとか)けれど、同社でハーフラッピングと呼ぶかどうかは不明。
なお、この事業では、別に105万円の予算で、民間企業が行う秋田らしさを含むラッピング広告に対し、広告費の補助を行うことにしているようだが、その話については話が聞こえてこない。
6月1日から7月8日まで、募集が行われた。応募資格は秋田市内在住者または通勤・通学者(年度初めの資料では「在住者に限る」となっていた)で、代表者が資格に該当すればグループでの応募も可。1人当たりの応募点数制限なし。
テーマは「秋田市の魅力が感じられ、「秋田らしさ」をイメージさせるもの」で、主な審査の視点は、「(1) 「秋田らしさ」が十分に表現されているか。(2) 秋田市の魅力の発掘、発信度が高いデザインであるか。(3) 周囲の景観と違和感がなく、親しみのあるデザインであるか。」。
優秀作品を5点選びラッピングバス化して、その応募者には賞状と賞金7万円(高校生以下の場合は同額の図書カード)が贈られる。
66名(またはグループ)から77作品の応募があった。
結果詳細(http://www.city.akita.akita.jp/city/ur/im/05kotu/rapping/propo/kekkashousai.pdf)によれば内訳は、
応募者の年代別では「10代=40点、20代=16点、30代=14点、40代以上=7点」。
「応募者が考える「秋田らしさ」で多かったものとしては、「豊かな自然(四季、風景含む)」46点、「多様な伝統文化(祭り、方言含む)」19点、「おいしい食べ物」6点、「米どころ」4点、「自然エネルギー(風車)」「城下町(歴史)」「美人」各3点」
「デザインの題材として多くみられたものは、「祭り」22点、「市のシンボル(市の花、市の木、太平山、千秋公園等)」13点、「四季」12点、「多彩な観光資源を列記したもの」9点、「稲・米」6点、「風車」「美人」各5点」」
だという。「応募者が考える「秋田らしさ」で多かったものとしては、「豊かな自然(四季、風景含む)」46点、「多様な伝統文化(祭り、方言含む)」19点、「おいしい食べ物」6点、「米どころ」4点、「自然エネルギー(風車)」「城下町(歴史)」「美人」各3点」
「デザインの題材として多くみられたものは、「祭り」22点、「市のシンボル(市の花、市の木、太平山、千秋公園等)」13点、「四季」12点、「多彩な観光資源を列記したもの」9点、「稲・米」6点、「風車」「美人」各5点」」
個人的な感想としては、風車が多いのに驚いた。確かに沿岸には風力発電用風車が立ち並ぶ独特の光景が見られるが、そうなったのはせいぜいここ十数年のこと。僕のような秋田市に昔から住む者には、これを「秋田市らしい」ものと認識できるほどには、まだ定着していないということか。
一方、これこそ秋田らしいと思う「稲・米」がわずか6点なのにも驚いた。今の時期の青空の下に広がる黄金色の田んぼはとても美しいし、あまりよそで見られるものでないと思うのだけど(近いうちに紹介します)。
あと、秋田市当局では、どうも秋田のプロスポーツをモチーフにしたデザインが応募されるのを狙って(望んで)いたのではないかと思わせるフシがある。募集期間中に追加された補足資料では「秋田市ではクラブスポーツ支援をして地域活性化を目指している」といった旨をわざわざ追記しているから。(しかも堀端などに大量の旗を立てるくらいだし)
しかし、同時に「企業名は明示しない、チームのロゴ等の使用には許可を得てその証明書を添付して応募すること」などと条件も厳しい。そのせいか敬遠されたらしく、上記の内訳を見るとスポーツを題材にしたものは残念ながらなかった模様。
審査委員は5名で、学識経験者2名(公立美術工芸短大教授と秋田市観光アドバイザー)、バス運行事業者から事業部長、行政から2名(秋田市の商工部と都市整備部の次長)。
審査の結果、優秀作品5点と特別賞(賞金が出ない!)1点の計6点が選ばれてバスになることになった。いずれも個人から応募された作品のようで、年齢は19歳から70歳までと幅広い(20歳前後が3名いるけど)。
バスは全部で15台というから、同じデザインが2~3台にラッピングされるのだろう。
で、実際のバス。
9月22日に先行してラッピングを終えた3台が秋田市役所前でお披露目され、同日から運行を開始した。10月1日までには15台が出揃うらしい。
今日、秋田市中心部をブラブラすると、10分ほどの間に2台を見ることができた。(その数時間後にも、同じ車をさらにもう1度ずつ見かけた)
しかし、その2台は同じデザインだった。つまり、既に4台目以降のバスも運行を始めていることになる。
冒頭の写真が、臨海営業所所属の「290」。
市役所前で公開された際、縦列駐車のいちばん前にいたのが、この290だった。
もう1台同デザインのバス
同じラッピングのもう1台は「316」という車両だったが、新国道経由土崎線を走っていた(上の写真は別路線走行時)。同路線の多くが、今春から臨海営業所の担当に代わっているようなので、この車も臨海営業所所属だろうか。→下記追記参照
臨海営業所では、新屋・割山方面、神田線、添川線、秋田温泉線、泉ハイタウン線なども担当しているので、それらの路線でもこのバスを見ることができるはず。
【10月7日追記】10月に入ってから、「316」を牛島方面で見かけた。秋田営業所所属かもしれない。
デザインをよく見てみると、
写真のバックが「秋田の味を売る店・せきや」前ってのも秋田らしいかな
白を中心とした背景に、版画風のイラストが並んでいる。
タイトルがないので何と言ったらいいか分からないが、「秋田の四季と方言(秋田弁)」をテーマにしたらしい。
この作者は46歳のイラストレーター(女性)で、
というか、この絵のタッチ、どこかで見たことがあると感じた。たぶん、秋田テレビ(AKT)の番組と番組のつなぎ目で流れる、「AKT秋田テレビです」というのに使われていた静止画だ(今は使われてないかな)。
【10月8日訂正】もうお一方、プロ(と思われる)方のデザインが採用されていました。後日の別記事にて紹介します。
四季の秋田の風物とともに、それに関連した秋田弁とその意味を紹介している。
春は桜の花を背景に秋田蕗を持つ秋田おばこ(娘)、カエル、フキノトウ
夏は青い背景に竿燈まつり
秋は赤トンボを背景に稲刈りと囲炉裏端できりたんぽを囲むおばあさんと男の子
冬は雪の粒(?)を背景に梵天(ぼんでん)祭りとかまくらと子ども
厳密に言えば、きりたんぽとかまくらは、秋田県北部や内陸南部のものなので、秋田市らしいとは言えないアイテムだと思うけど・・・夏は青い背景に竿燈まつり
秋は赤トンボを背景に稲刈りと囲炉裏端できりたんぽを囲むおばあさんと男の子
冬は雪の粒(?)を背景に梵天(ぼんでん)祭りとかまくらと子ども
あと、秋田蕗を「秋田大蕗」と表記しているのもやや引っかかった。そういう言い方もあるようだが、一般には単に「秋田蕗」じゃないかな。
秋田弁は
めんこい(かわいい)、びっき(かえる)、ばっけ(ふきのとう)、なずき(額=ひたい)、重で(重い)、だんぶり(とんぼ)、いっぺけ(たくさん食え)、じっぱりく(いっぱい食う)、さび(さむい)、しゃっけ(つめたい)、さいさい(失敗失敗)
の11語。本来一部地域での言い回しのはずなのに、なぜか若者を中心に異常に好まれ、秋田弁の代表として(一部世代には)認識されているような感もある「しったけ/すったけ(“死ぬほど”が転化した、“とても”の意味)」がないことに、まずは安心した。
地域や人によって、微妙に言い回しが違うこともあるが、「めんこい」は「めんけ」、「重で」は「おぼで」の方が、より秋田弁らしいと個人的には感じる。
「さいさい」は「失敗失敗」と訳されているが意味が伝わるだろうか。これは感動詞で「しまった!」というような意味合い。繰り返さず「さい」という使い方もする。っていうか、なんでかまくらの前の子どもがなんで「さいさい」なんだ?
あと、些細な点だが、文字が味のある手書き文字なのはいいが、「なずき」が「なずま」に見えてしまう。知らない人には誤解(誤読)されてしまうかもしれない。
観光客など秋田市を訪れた人には、興味を持って見てもらえそうなデザインだと思う。
ただ、残念なのが、タイヤやウインカー周辺の処理。
後ろの方
まず、右端の雪の子どもの顔半分が、バンパーでなくなってしまっている。
それに、後輪に隠れて肝心のものがなくなっている。そこには「稲」があるのに。
「稲刈り」の文字はあるとはいえ、イネの絵が隠れてしまっては、鍋を囲むおばあさんと男の子を恨めしそうに横から見ているようにも見えてしまう。
原画では稲が頭を垂れている
【26日追記】背景の赤とんぼのタッチが原画と車体で異なることに気づいた。原画が絵の本体部分(?)と同じ手書き風のタッチなのに対し、バスでは機械的というか定型化された形のトンボで、羽が長く、胸部が丸くなっている。
前の方
竿燈の全体像が、中ドアに重なっていて、ドアが開いている時に見えなくなる。これは路線ラッピングバスの宿命ではあるのだが。
そして、秋田蕗の大きな葉も前輪で隠れているし、なんと秋田おばこの鼻(と口)の部分がウインカー!
光ってる! 赤鼻のトナカイじゃあるまいし
ずらすことはできなかったのだろうか。それとも「赤鼻の秋田おばこ」を狙ったのか?
【26日補足】実際には、ウインカーの上にもラッピングが施されてはいました。こちら
原画では、葉っぱも鼻もちゃんと
応募用紙は長方形で、バスの車体に忠実なわけではなかった。そのため、実際にラッピング化される際に、カットされる部分が出てしまうのだ。(資料では参考として、車体各部の形状や寸法が示されてはいる)
審査では「タイヤ部分が切り取られた場合のデザインに与える影響を考慮する」としたそうだが、だったら最初からタイヤ部分を削った応募用紙にすればよかったのではないだろうか。
上記の通り、ラッピングは側面なので、
後部は普通どおり
真後ろからだと、注意深く見ればラッピングがちょっとだけ見えるようだが、正面や運転席側からは、これがラッピングバスだとは見分けられない。
でも、走っているとそれなりに目立つ
おいおい他のデザインも紹介するつもりです。※続きはこちら
思わず笑いました。
貼る時というか設計段階で配慮してあげるとよかったでしょうけどね。