広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

バス乗り場の安全/茂森線

2011-12-12 23:57:23 | 津軽のいろいろ
間が開きましたが、青森のバスの話題。※前回の記事
●安全なバス乗り場
地方都市の中心駅前のバス乗り場は、限られたスペースに多くのバスが頻繁に出入りする。分かりやすさもさることながら、安全性が最優先されるべきだと考える。

弘前駅中央口(駅舎西側の中心市街地側)のバス乗り場は、2004年の駅舎改築と前後してリニューアルされた。
弘前市内を走るほぼすべての路線が通るが、1つ手前のイトーヨーカドー弘前店内の「弘前バスターミナル」が始発の路線が多いため、極端に利用者が多いわけでもない(だからといって少ないわけでもない)。
バス乗り場は8つあり、2つ×4列の配置。駅舎寄りの2つの乗り場以外は、島状になっていて、利用者は車道というかバスが通る部分を横断しないといけない。

少し前から、気になっていたことがあった。
島状になっている乗り場へ行くには、どこを渡ればいいのか分からない状態だったのだ。
駅舎から右側の乗り場へはどこを渡ればいいの?
実は、リニューアル当初は、駅の中央出口からまっすぐの位置に、横断歩道の白線が引かれており、そこを渡ればいいのは明白だった。
それがいつの間にか、認識できないほど薄れて、引き直されないでいたのだ。少なくとも今年7月2日までは。
かろうじて1本は残っているが、島どうしを結ぶ線が見えなくなっている
この状態では、乗客がどこを渡っても仕方ない状態だし、バスですら(意識してか無意識かは知らないが)本来の横断歩道上に停車してしまっているのを何度も見かけた。
ここからまっすぐが横断歩道だったはず
点字ブロックは敷設されたままなので、横断歩道を廃止したというわけではないだろう。
ここは公道ではない(弘前市の土地だろうか)ので道交法上うんぬんではないと思うが、とにかく危ないと思っていた。これでもし事故になれば、運転者やバス会社だけでなく乗り場の施設管理の責任が問われるだろう。

しかし、10月に行ってみると、
駅の2階から。逆光&暗くて見づらいです
かつて横断歩道があった位置に、緑色の帯が引かれ、さらに「通路はこっち」と書かれた看板も設置されていた。
積雪時は隠れてしまうかもしれないが、これなら安全だろう。安心した。
欲を言えば、横断してはいけない場所には柵を立てるなどの措置も必要だと思う。
ここは渡ってはいけない場所だが、渡れて(渡りたくなって)しまう
【13日追記】このバス乗り場は、公道から入ってくる接続部分の角度がきつい上に構造物があって見通しがよくない。歩行者の横断はできないことになっているが、やや迂回して横断歩道を渡るか地下道を通らないといけないため、見通しの悪い部分付近において無理に横断しようとする人をたまに見かけるのも危ないと思う。根本的な構造の問題なので、対策は難しいと思うけれど。
以前、ここにあったシダレザクラの木が撤去されたことも関係するのかもしれない。

●利用者の立場で設計を
青森駅では新幹線開業の駅舎リニューアルにあわせて、バス乗り場も白を基調としたものにリニューアルされたようだ。
こちらは横断部分がワインレッドの帯
しかし、渡ってはいけない部分を横断する人は多いらしく、「車道をわたらないでください。」という看板のほか、コーンとバーまで設置していた。
 
おそらく、駅舎とバス乗り場の間を移動する際、正規のルートでは遠回りになるので、近道のために渡ってしまうのだろう。

渡ってはいけない部分を横断するのは、当然、いけないこと。
バス利用者のマナーの問題とも言えるが、設計・設置者側のバス利用者の行動・動線への配慮が足りなかった結果ともいる。
バス利用者にはお年寄り・病人や大荷物の人もいるのだから、できるだけショートカットしたいと思うことを念頭において設計していたのだろうか。
あるいは、意地悪だけど、横断してほしくない場所を物理的に横断できないよう、仮設のコーンなどでなく最初から柵を設置すべきではなかっただろうか。
見栄えとかバスの運行上のことばかり考えた設計のように思えてしまった。


そう考えると、秋田駅西口のバス乗り場(この記事この記事)は、わりと安全そうに思えてきた。
旧駅舎だった昭和時代からの配置で、乗り場の数が多くて青森や弘前に比べるとかなり窮屈。島と島を渡る際は、事実上どこを渡っても問題ない。(お客と運転士双方に注意力が求められるけれど)
ただ、駅舎から出てきた人が通る場所には横断歩道が明確に引かれているし、渡ってはいけない(危険な)場所には柵がある。また、タクシー乗り場や自由通路の配置上、正規の場所以外を無理矢理横断しても得にならない(?)ような構造になっている。
意図したのか結果的にこうなってしまったのか分からないが、安全な経路が最短移動経路になっているのだ。
それでも、フォンテAKITA側から柵を乗り越えて4車線の道路を無理矢理横断する人をたまに見かけるのだが、これはやめてほしい。


●茂森線
先日、秋田の「二ツ屋福島線」を紹介した。
末端部分の2.6キロの間だけは一方向に環状運行し、明確な折り返し点がないというか、「往路の末端」と「復路の最初」が重複するというか、やや特殊な運行形態だった。

弘前の弘南バスにも同じような路線があり、それが「茂森線」。
こんな経路(駅周辺の一方通行等は省略。主要バス停のみ)
途中「四中校」とあるのは、市立第四中学校のこと。
全国的には「第四中」あるいは「四中」と略すと思うが、弘前では(弘南バスでは?)なぜかこう呼んでいる。(「三中校」というバス停もある)
違和感を感じるが、高等学校が「高校」だから中学校は「中校」で筋が通っているようにも思える…

たしか以前(10年以上前)は、単に「四中校」行きと言っていたように記憶しているので、環状運行されるようになったのは最近のことなのかもしれない。
行きはイトーヨーカドーの「弘前バスターミナル」が始発。弘前駅に立ち寄り、土手町・大学病院・市役所前を経て、茂森町を過ぎると、環状区間に入る。
茂森新町を抜け、樹木一丁目の外周をぐるりと回り、新寺町を横切って茂森町へ戻り、市役所・駅方面へ向かう。
環状となるのは約2.8キロの区間。二ツ屋線より少し長い程度だ。もっと長距離だと思っていたが。(この辺りの地理があまり分かりません)
二ツ屋線では、往路は南部公民館前まで、復路は二ツ屋中丁からと明確に往路と復路が定まっている(けれど重複している)が、茂森線の場合それがなく、全線通しでの運行のようだ。したがって、一種の環状線ととらえることができるのかもしれない。

また、他路線の一部と同じく、土手町の一方通行の関係なのか、行きは「(始発)弘前バスターミナル→弘前駅前」という経路なのに対し、帰りは「弘前バスターミナル前(路上バス停)→弘前駅前(終点)」と、ターミナルと駅の通過順が入れ替わっている。


茂森線の車両の行き先表示。
昔は「四中校」と大きく書いていたような記憶があるが、今は環状運行であることが分かるようになっている。
方向幕式の車両では、
(再掲)
「弘前駅前→大学病院→四中校→大学病院→弘前駅前」
分かりやすいといえば分かりやすいが、通しで乗る人などいないのだから、もうちょっと他の書きようがあるんじゃないだろうか。

そしてLED式の車両では、
「いすゞエルガミオ」の日野版「レインボー2」。ヘッドライトがいすゞ版と異なる
話が逸れますが、車内のつり革が、1つの輪につき紐が2本ついてV字型になっているもので、かつての秋田市営バスと同じ仕様。座席配列も1人掛けが多くて、秋田市営バスと同じ。(従来はつり革の紐は1本で、席は2人掛けが多かった。秋田中央交通は今もこの仕様)弘南バスでは数年前の導入車からこの仕様に変えており、都会的な感じがする。
LED表示器は、「レシップ」製のものなので、「オージ」製の秋田中央交通のものとは字体や見え方が違う。
視認性(LEDの輝度や視野角)はオージの方がいいのだが、文字はレシップの方が大きくて太く(ドット数の関係かと思う)、個人的にはレシップの方が見やすい。中央交通の表示器は上段の経由地の文字が小さくて分かりづらくて嫌い。
それはともかく、
「ターミナル→四中校→弘前駅/(四中校)弘前駅」(車内につり革が見えます)
何がなんだか分からん!
「四中校」と「弘前駅」が2回出てくるのがややこしい。なぜか「四中校」はカッコ付きだし。
幕式にはあった、「大学病院」がなくなってしまった。それに幕・LEDどちらにも、路線名の「茂森」は出てこない。

弘南バスでは、旧式車両は幕のまま(LEDに交換せずに)使用しているので、幕とLEDどっちもよく見かける。茂森線の表示に限れば、中央交通の表示以上にややこしいかもしれない。
「大学病院 市役所 茂森町・四中校」と「市役所 大学病院 弘前駅」という表示を作って、運行途中で切り替えるとかするべきではないだろうか。

※茂森線は2014年1月いっぱいで大幅に減便されることになった。

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2 コメント

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弘南バス (とびいり)
2011-12-27 23:11:31
弘前駅前のバスロータリーでバスによる死亡事故があって以来の対策でしょうか。ご紹介されている横断歩道のカラーリングや、日中に常時弘南バス社員の案内役が配置されている等の施策がされているようです。
確かに、弘前のバスロータリーには柵がありません、危ないですよね。車止めはあるけど、歩行者横断を防ぐ施設はいまだにありません。そもそも弘前の駅前広場が狭すぎると常々思っていました。盛岡駅のバスプールのように「島」を作らずに乗降できるようにすべきだったと思います(あんな大々的に弘前駅前再開発をやったのだから、もっと余裕を持った造りにすべきだった)。

弘前市内で数少ない循環ルートの一つである四中線。LED表記はホント判り辛いですね、地元の人でも「ん?」って思いそうです。個人的意見ですが、やはり行先表示器は「幕」がイチバンです。
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駅前乗り場 (taic02)
2011-12-28 22:53:32
そういえば弘南バスの社名入りジャンパーを着た人が駅前に出てましたね。
弘前はバスの乗客がバスターミナルと駅で二分されてしまって、駅前乗り場がさほど重要視されていないのかもしれません。冬の気候を考えると、乗り場の屋根が連続しておらず、風よけになる壁がないのも、もうちょっと考えて設計してほしかったと思ってしまいます。

行き先は幕の方がどんな条件下でも見やすいし、文字の色やサイズの自由度が高いですものね。
弘南バスの幕は自動停止ではなく、運転士が裏から見ながら手動でスイッチを操作するんですよね。そして側面は板を差し替える方式で。
それらと比べると、LEDは省力化が図れる非常に近代的な装置に見えてしまいます。
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