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松江市

2009-09-08 20:23:54 | 旅行記
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※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
出雲市から松江へは、宍道湖南岸沿いのJR山陰本線を走る特急で25分。対岸を走る一畑電車もあるが1時間ほどかかる。
昼間のこの区間のJRの特急は今朝乗ったサンライズ出雲のルートと同じ、米子から伯備線経由で岡山で新幹線に接続する「やくも」が毎時1本。ほかに山口や鳥取と結ぶ特急「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」もある。
出雲市始発の「やくも」。ピカピカで塗装されたばかりのようだ
国鉄末期に造られた381系という車両。秋田では「かもしか」や「いなほ」でおなじみの485系電車とよく似たデザインで、国鉄時代は塗装も同じだった。こちらは「振り子式」といって、カーブで車体を傾斜させて高速で走行できる。

JR各社で国鉄時代の車両をリニューアルしているが、JR東日本では白っぽい塗装が多く、JR西日本ではグレー系の地味な塗装が多かった。
こちらは1つ前の塗装の「やくも」
「やくも」は現在、最初の写真の塗装への変更工事が進んでいて(来年度完了予定)新旧混在。
新しい塗装の「やくも」は、明るいグレーにえんじ色で、JR西日本にしては明るめ。品があって、なかなかよく似合っていると思う。「かもしか」の塗装よりいいかも。

新塗装の車両には、「ゆったりやくも」という愛称が付いている。
キャラクターもいた
右の緑の服が「やっくん」、左のピンクが「もっくん」ではなく「ももちゃん」(岡山の桃とかけてるのか?)だそうです。なぜ「ゆったり」かは車内を見れば分かる。
普通車車内
30年前の車両とは思えないほどきれいに大掛かりにリニューアルされている。座席が普通車にしてはまさに「ゆったり」。
大規模リニューアルは東日本の「いなほ」などでも行われているが、僕は「やくも」の方が座り心地がいいし、落ち着いた雰囲気で気に入った。ダウンライトの照明が薄暗い感じがしたのと、座席間隔を広くしたため、窓と座席の配置が一致していない(最悪、壁を眺めることになる)のだけは気になった。
後日、リニューアル前の「やくも」にも乗ったが、懐かしいと思ってしまうような、「かもしか」以下の内装や座席だった。

ところでこの車両、こんな風に窓側の席(A・D席)がなく、1人掛けがぽつんとある席がある。
車椅子対応席みたいに見えるが、そうではなく、壁が出っ張っていて、座席を置けないから。振り子式のこの車両は、重心の関係で冷房装置が床下にある(通常は屋根上)ので、この出っ張りの中を通って吹出口のある天井までダクトが伸びている。当時の国鉄の設計の苦労が偲ばれるが、宙ぶらりんな席だ。

松江や米子から乗る人が多いらしく、6両中2両ある自由席は出雲市出発時点ではガラガラ。
線路状態がいいのか、振り子式車両だからか、ローカル線特急にしては快調に飛ばす。少なくとも「かもしか」よりは速い。この旧式の振り子車両は、カーブと車体の傾斜が一致しないので、酔う人もいるそうだが、僕は鈍感だから大丈夫(最新の振り子車両ではコンピュータで制御して乗り心地を改善している)。
 
今朝は反対側の個室のため見られなかった宍道湖にさしかかる。いい眺め。
やがて対岸に街並みが見えてきて松江到着。
 
松江駅舎は1977年にできた、ホームが2階にある高架駅。山陰本線だけで接続路線がなく、ホームは4番線までだが、新幹線の駅を小さくしたような「昭和50年代の国鉄の駅」らしい駅。
改札はやはり自動化されておらず、常時駅員が立っている、懐かしい光景。高架駅なので、簡単に線路の反対側(北口と南口)へ行き来できるのは便利。高架は建設費が高くなるから、最近は「橋上駅」が流行っているけど。

今日の宿のある松江の市街地は駅から少し離れているらしいが、そう遠くはなさそうだから、歩いてみる。この初めての街をうろつく時間が楽しい。
僕は地理好き、旅行好きだけど、地方の県庁所在地には特に興味がある。お城・店・交通などが充実しその地域の特徴が分かりやすいし、住んでいる秋田市と比較しやすいからだろうか。

松江市は人口19万で、県庁所在地としては山口に次いで少ない。県の真ん中でなく、東端(鳥取県境港市と隣接)に県庁所在地があるというのは珍しい。
僕は今まで宍道湖と小泉八雲しかイメージがなかったが、昨年度後期のNHK連続テレビ小説「だんだん」の舞台になったこともあり、興味が出てきた。

駅は北口がメイン。北口を出て右に一畑百貨店。南口の東側にサティがあったほかは中心部に大型店はないようだ。
そういえば、山陰にはイトーヨーカドーがない。僕は旅行中は、ゆうちょ銀行とセブン銀行のATMにお世話になるのだが、今回の旅行ではセブン銀行のATMは(松江や鳥取にはセブンイレブンもないので)野村証券の支店にしかなくて、使えなかった。(秋田はセブンイレブンがない上、ヨーカドーが1店しかなくて似たようなもんだけど)

駅北口の西側には商店街や寺町があり、1キロほどで宍道湖に突き当たる。北側200~300メートルには大橋川が流れており、その対岸が松江城などのある市街地。
大橋川
山からではなく、宍道湖から中海(なかうみ)へ向かって流れる汽水湖どうしを結ぶ川。幅は100メートル以上ある
松江大橋
数本の橋が架かり、駅前と市街地を結んでいるが、宍道湖から2本目の「松江大橋」がいちばん古い。初代は江戸時代に架けられ、現在の橋は17代目。狭い橋だが路線バスはこの橋を通る。「だんだん」で出会いの舞台にもなったが、テレビで見たより小さく狭く感じた。

この高いビルは「山陰合同銀行本店」。「ごうぎん」の略称で島根・鳥取両県が地盤の地方銀行。1997年竣工、高さ75メートル、14階で島根県でいちばん高い建物(秋田でいちばん高いマンションは95.33メートル、29階)。
手前はシジミ漁の船みたいだ。

銀行本店の最上階が、展望フロアとして一般開放されている。役所や公共ビルではよくあるが、一般企業しかも金融機関の建物を開放するとは珍しい。入ってみる。
店舗や銀行のオフィスとは別に、展望フロア専用の出入口とエレベーターを設置して区別することで、保安対策をしているようだ。「1」と「14」しかボタンのないエレベーターで14階に付くと、お客は誰もいなかったが、警備員が丁重に迎えてくれた。

こういう施設は、いざ上ってみると一部方向しか見えなくてがっかりさせられることがある(東側しか見えない秋田のアルヴェなんかがそうだ)が、ここは本格的。ほぼ全方位に窓があり、絵画がかかっていたりソファがある。飲み物の自販機があれば休憩に良さそうだけど、一企業のオフィスでは制約もあるかな。
東側
右のビルのある辺りが松江駅、中央は寺町でお寺が並ぶ。左奥の緑のさらに奥が中海
宍道湖側は逆光になってしまったので、午前中の方がよさそう。
宍道湖を眺めるソファ

南西側
左の銀色の平べったいのが島根県立美術館、右は「嫁ヶ島」。この辺りから眺める夕日が美しいのだそう。

なぜか北側だけが、箱メガネを逆にしたようなヘンな窓で、覗き込むと松江城が見えた。
手前は大橋川

橋を渡った所に予約したホテルがあった。そばには松江市役所や「松江しんじ湖温泉」(1971年開湯、硫酸塩泉)がある。幹線道路や市街地に混ざって温泉旅館がいくつかあり、僕が泊まるホテルにも温泉が引かれていた。透明・無臭だけど肌ざわりのいいお湯だった。
松江市役所
秋田市役所並みの古さだが、小さい。この左にある大きな道路を渡るとすぐ宍道湖岸。

一畑電車 松江しんじ湖温泉駅。横に足湯がある
今まで何度か出て来た、松江と出雲を結ぶ私鉄。出雲側はJRと同じ場所に駅があるが、松江側はJRとは別にここにある。弘前の弘南鉄道大鰐線中央弘前駅的な存在だ。
2001年竣工の新しい駅舎。ガラス張りで秋田の田沢湖線田沢湖駅を連想した
電車は1時間に1本程度だが、夕方の仕事帰りの人が思いのほか多く利用しているようだ。
さらにこの先に遊覧船が通る堀川、県庁や松江城がある。ここは松江駅から約2キロだから、秋田駅から山王十字路、弘前駅から弘前市役所に相当する距離だ。歩くにはややきついので、今度はバスを使うことにしよう。松江駅からしんじ湖温泉駅行き、県庁方面行きのバスはたくさん運行されている。

松江市は人口では秋田市よりずっと少なく、弘前市より少し多い程度だが、街は思ったより大きい。車も人もバスも多く、秋田市より活気(=人の動き)があるように見えた。賑やかな店などはないが、空洞化してどうしようもない秋田市広小路のような商店街などはなさそうに見えた。
天気がいいので、夕日が見られるかも。次は宍道湖の夕日スポットに行ってみよう。

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