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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

スーパー激戦地

2011-11-09 23:55:18 | 秋田の地理
秋田駅から北西へ直線で2~3キロ。JR奥羽本線と新国道(という名の県道)に挟まれた一帯が「泉」地区。
40~30年前ほどまでは田んぼと国鉄用地が多かったが、今はそれらが住宅地となっている。
そんなエリアのスーパーマーケットについて。

秋田建設工業新聞のサイト(http://www.akks.co.jp/)に8日付けで「(仮称)マックスバリュ泉店新築」という記事がアップされた。
イオン系列の食品スーパーを秋田、青森、山形各県(と岩手県北上)で運営する「マックスバリュ東北」が、「秋田市泉北一丁目地内に(仮称)マックスバリュ泉店の新築を計画」しており、このほど秋田市に大店法の届出を申請し受理され、「来年6月27日の開店を目指」して着工準備中とのこと。
かつて日本通運の倉庫があって解体された場所で、店舗面積は2000平方メートル。


店舗面積をマックスバリュの他店舗と比べると、茨島店は約2108平方メートル、港北店は約2200平方メートル、本荘中央店は1283平方メートル(いずれも直営売場面積。各店舗の開店/リニューアル時のリリースより抜粋)だそうなので、標準的なサイズの店といえそう。

ちなみに、他地域の別会社運営のマックスバリュでは、店舗名が「(大合併前の)市町村名+地名」のところもある。例えばマックスバリュ東海の「清水興津店」「清水三保店」のように。運営企業が県をまたいで経営している所では会社内の意思疎通においても分かりづらいだろうし、マックスバリュのブランドは全国展開しているから“同姓同名”店舗が出てしまう恐れもあり、そのような対処をしているのは納得できる。
しかし、マックスバリュ東北の場合、「大町(三沢大町店)」とか「城北(弘前城北店)」とか本当にどこにでもありそうな地名以外は、市町村名を冠さない店舗名とする方針のようだ。余計なお世話だけど、「泉店」も「秋田泉店」にした方がよさそうな気がする。


泉店が開店すれば、秋田市内で5店舗目のマックスバリュの店舗となる。(既存4店は広面、港北、茨島、河辺)
以前は、秋田市内に別の店舗もいくつか存在(「ウエルマート」ブランドを含む)したが、イオングループの「スクラップアンドビルト」の方針に従うべく、小型店舗を中心に閉鎖されてきた。
記憶にないが少し前の地図を見ると、泉店予定地から直線で1キロほど離れた、八橋田五郎のローソンの辺りにもウエルマートがあったらしい。
ほかには、ダイエー撤退直後の秋田ニューシティに2年半だけ、山王の市民生協跡にほんのちょっとだけ、マックスバリュが存在していた。
泉はぎりぎり秋田市中心部(中央部)と呼べる位置だと思うが、久々の中心部への新規出店と言えそうだ。【2014年9月25日追記】2014年9月25日付秋田魁新報経済面「近況景況」欄によれば、「マックスバリュ東北が秋田市へ出店するのは、港北店以来、10年ぶりとなる。」


場所を詳しく見ると、新国道(県道56号線)の「操車場入口」交差点から秋田貨物駅・泉菅野・保戸野方面へ入っていく県道126号線のそば。
交差点から貨物駅側へ300メートルほど進むと、右(南)に「東北ミサワホーム秋田支店」「日本通運秋田支店」「ベルコ シティーホール秋田」がある。
日通とベルコの間の歯科医院の所に細い道があり、そこへ入る。
奥が新国道。ここから左に入る
細い道を100メートル弱進んだ突き当りが店舗予定地。(現在も各地図サイトには「日本通運アローセンター」と記載されている場所)
先が予定地
隣は「泉大畑第二街区公園」で、ほかは狭い道路と住宅に囲まれている。市立泉中学校もそば。
 
店舗が大通りに面しておらず、大通りの新国道側から来た車線からは中央分離帯があって入りづらそうだし、周辺の道路が狭いので、車のでアクセス道路がイマイチの気がする。他のマックスバリュではあまりない立地だと感じたが、大丈夫だろうか。


それにしても、この近くにはスーパーが多くなった。
予定地から500メートル前後の範囲内に、既に2店が営業中。
県道126号線の続きの市道沿いの
「グランマート泉店」
大仙市に本店がある「タカヤナギ」が経営する店で、1997年開店。
タカヤナギが秋田市に出した店舗としても、「グランマート」ブランドの店舗としても、そして泉地区周辺で大きな駐車場を備えた大きめの食品スーパーとしても、初めてのものだったはず。
他店が同様の店舗を後から出したわけだし、秋田市内でグランマートは増えているから、ここが成功の第一歩だったのだろう。
左奥がグランマート、手前を右折すると…
グランマートのすぐ前の交差点を入ると、ホームセンターの「コメリ」(コメリホームセンター秋田泉店、旧ヤマキ)があり、その隣に、
「ジェイ・マルエー泉店」
ジェイ・マルエーも秋田市の企業らしいが、よく分からない。今は本社がここにある。
泉店は2003年に広面店に次ぐ2番目の店として開店したようだ。その後、同社は一時は秋田市外も含めて店舗網を拡大していったが、近年はうち半数ほどを閉店。現在は6店舗を営業しているようだ。
僕は2度しか入ったことはないので知らないが、かなり安いとかでファンも少なくない。「ジェイマル」の名で親しまれている。
この西400メートルほどがマックスバリュ予定地で、この店も狭い道に囲まれている。

特にこの2店にとっては、マックスバリュ進出は大きな影響を与えそうだが、少し離れた場所には、ほかにもスーパーがある。

マックスバリュ予定地から、南西へ250メートルほどの所に、新国道の「八橋大畑」交差点がある。
八橋大畑交差点
ファストフード店が3つも固まって存在しているのだが、
空き地がある
マックスバリュ側からは新国道を渡って、所在地も泉でなく八橋になるわけだが、この空き地は、
「ナイス新国道店 建設予定地」
秋田市に本社(発祥地は旧・西仙北町)のある「ナイス」は、かつては「フードセンター」という名(1992年にナイスとなったようだ)で、現在は秋田市内に7店舗、潟上市に1店舗を展開。
でも、この看板が立ってから結構経つような気がするし、ここからさらに南西に600メートル強の八橋田五郎(八橋大通り沿い)には既に「八橋店」があるのだが、その兼ね合いもあるだろうし、どうするんだろう。
【2012年11月2日追記】その後、2012年秋時点の秋田建設工業新聞や秋田魁新報によれば、ナイスではここに出店する計画はあるようだが、具体的には決まっていないとのこと。先に飯島に出店し、その後(2013年以降)になる模様。
【2015年5月25日追記】2015年5月末の東北六魂祭では、ここが観光バスの駐車場に使われるようだ。
【2017年1月31日追記】その後、ナイス予定地の看板はなくなり、自動車販売会社の社員駐車場を示す看板が立ち、車が駐まっている。ナイス出店はなくなったのか。
【2020年6月18日追記】2020年になって別の複合商業施設ができることが決まった。魁の報道では大和ハウス工業秋田支店主導、秋田市への届け出ではダイワロイヤルが設置者。2020年9月~12月にかけ、4棟に1棟ずつ開店。もう1棟あって複数店舗が入る計画だが、未定。敷地面積1万390平方メートル、駐車場152台。
4店舗は、青森の紅屋商事のドラッグストア「メガ(市内3店舗目)」、イエローハット、眼鏡市場、県内初出店のしゃぶしゃぶチェーン「ゆず庵」。


そして新国道を1キロほど南へ進んだ、高陽幸町(向かいは保戸野千代田町)の秋田いすゞ跡にあるのが、2008年にできた大館市の「伊徳」が運営する「新国道モール」内の、
「いとく新国道店」
一時期、秋田市からは撤退傾向だったいとくが、パワーアップして再進出してきたような印象を受けた。従来、あまりスーパーがない場所でもあったので、なかなか賑わっていると思う。(いとくはその後、手形側の広面地区にも新規出店)


以上紹介した店舗以外も含めて、秋田駅北西一帯のスーパー(食品や日用品をまとめて扱う店を対象とした)を、地図に記してみた。
白抜きの星は出店予定地
八橋~新国道周辺~泉の北側に店が集中しているのが分かる。
地図の外だが、線路の向こうの外旭川地区にも、複数のスーパーがある。
マックスバリュが進出すれば、おそらく、この範囲内に、秋田市内で店舗展開するほぼすべてのスーパーマーケットが揃うことになるのではないだろうか。まさしく「スーパー激戦地」だ。
それから、来年秋をめどに、いとくとタカヤナギが経営統合するという話もある。激戦地泉の南端と北端を両社で守っているような配置だが、何か変化があるだろうか。
※経営統合についての続きはこちら

一方で、泉の中央部~南側~保戸野にかけては、「秋田生鮮市場保戸野店」以外ほとんど店がない。
この辺りだって住宅地だし、高齢者も多い。昔は、ト一屋、うえた、Aコープ(市民生協も?)があったが、小さな店だったので時代に合わず、いずれも閉店してしまったようだ。

新国道
逆に、昔は、新国道といえばカーディーラーや紳士服量販店ばかりがあるような印象だったが。

激戦地でしのぎを削って戦うのもけっこうだが、必要としている人がいる他の場所に店を出してほしいようにも思う。

【10日追記】秋田市商工労働課のサイトに、今回の届出内容がアップされていた。(http://www.city.akita.lg.jp/city/in/pr/syogyo/daiten/5no1naiyou16.htm)
それを見ると、開店・閉店時刻が分かった。原則、8時開店・2時閉店となっている。(年間100日程度は7時~23時とも記載されている)
マックスバリュ広面店と茨島店は24時間営業なので、ここも24時間になるか、でなければ周辺ライバル店の多くの閉店時刻が23時なのを視野に入れて0時閉店くらいかなと思っていたが、深夜2時閉店とはちょっと中途半端な時間な気もする。9時とか10時でなく、8時開店というのも意外。
ただ、コンビニでさえ24時間営業が必要なのかが疑問視され、電気などエネルギーの使い方が見直される昨今、深夜2時閉店でも遅すぎるといえるかもしれない。※末尾の追記の通り、実際の開店時には24時までの営業になった。

【12月2日追記】秋田魁新報では、1か月以上【4日訂正】1か月近く経った12月2日付紙面・サイトにやっと掲載。
「同社による県内での店舗新設は2008年9月に大仙市に出店して以来、約4年ぶり」
「現在は日通不動産の所有地で、約1万300平方メートルを賃借して店舗を新設する。」
「来年6月27日の営業開始を目指すが、出店手続きの進み具合によってずれ込む可能性もある」とのこと。
【2012年2月11日追記】予定地は空き地のままで未着工。特に看板などもない模様。
2012年6月に入っても、未着工のまま
※2012年7月28日に大通りから見た限りでは、引き続き未着工の模様
※公式にはこういうこと(リンク先後半)になっていた
※2014年にやっと着工が決まった
2014年9月20日に開店の運びとなった(この記事末尾)。営業時間は届け出とは異なり、8時から24時になった。※開店時の様子

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4 コメント

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Unknown (Unknown)
2014-02-14 01:42:22
以前の記事にコメントで恐縮ですが・・・
市民生協は保戸野ではなく、泉の「ひかり幼稚園」の隣にありました。記事中の地図で言う「激戦区」の真っただ中で、激戦になる前に閉店したと記憶しております。
跡地はローソンになっています。
Aコープも厳密には(住所は)泉でした。神田線「桜町」のところです。
八橋のウェルマートがあった場所はズバリ、田五郎のローソンのところです。
閉店した店の場所 (taic02)
2014-02-15 20:40:14
情報ありがとうございます。
桜町バス停のAコープ以外は、はっきりと場所を把握していませんでした。
泉中学校の通りに市民生協があったような記憶はありました。比較的新しい店舗のような印象もありましたが、営業は長くなかったようですね。
八橋のウエルマートもそうですが、あんな敷地も道幅の狭い所でスーパーが成り立っていたなんて、現代とは隔世の感があります。ト一屋は今もありますが。
ナイス新国道店建設予定地 (住民)
2016-11-01 21:04:15
結局、ナイスは建ちませんでしたが、ちなみにここの空き地は前に何があったんでしょうか?
すみません (taic02)
2016-11-02 00:44:12
竜巻の被害を受けてしまいましたが、すっかり「駐車場」でしたね。
以前何だったかは、残念ながら分かりません。

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