広く浅く

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美大ポスター

2012-06-20 23:25:11 | 秋田のいろいろ
秋田駅自由通路「ぽぽろーど」の両端近くに1枚ずつ、冒頭の写真のポスターが掲出されている。
来春開学予定の「秋田公立美術大学(仮称)」のポスターだ。

秋田公立美術大学は、秋田市南西部の新屋地区にある「秋田公立美術工芸短期大学」を4年制大学に移行するもの。
※短大の公式な略称は「秋田美工短大」らしいが、ほとんど使われずに俗称の「美短」が浸透している
数か月前に文部科学省に設置認可申請したそうなので、目下、文科省で審査中というところだろう。

美短の4年制化は、新屋が地元で、以前から一族で美短を支援していたホヅミ氏が選挙公約に掲げて市長就任後、急速に話が進み、あれよあれよと決まってしまった印象がある。
個人的には、美短4年制化には反対ではないが、そんなに慌ててやらないといけなかったのだろうか。
だったら、もう1つの公約である外旭川新駅は…


4年制化は決定済みのことだからいいとして、この美大のポスターの印象、どんなものでしょう?
素人の第一印象としては、白い大きな縦書きの「秋田公立美術大学」の文字と、左の赤茶色っぽい像が目に飛び込み、インパクトがある。(像の背景からすると、美短学内に設置されているもののようだ)
まあ、秋田に美大がある(できる)ということは伝わるだろう。

でも、現在の美短のイメージからは、大きくかけ離れたポスターだと思う。
文字は縦書きの毛筆(楷書体)、写真は筋肉質のなんだかよく分からない像、そして全体的に暗色系で、無骨な印象を受ける。「美術大学」より「武術大学」みたいな(笑)
今までの美短のイメージを払拭したかったのかもしれないが、新しく開学する大学のポスターにしては全体的に「暗い」。


気になるのが、文字。現在の美短の公式なロゴは細身の横書きゴシック体だし、ホームページに出ている美大のロゴはやや太い横書きゴシック体(あまり個性はない)。
ポスターでは何の目的で、縦書き毛筆体を選んだのだろう?

さらにとっても気になるのが、右上の「平成25年4月開学予定」の「25」の文字の配置。とても些細な点なのですが、
これはないんじゃないの?

縦書きで2ケタ(かそれ以上)の数字を入れる場合、そこだけ半角にして横に並べるのが一般的。
こんなふうに
「縦中横(たてちゅうよこ)」としてワープロソフトでさえ、可能な技術。

僕がおかしいのかもしれないけれど、このポスターの全角数字を縦に並べる表記にはとても違和感とカッコ悪さを感じる。
おそらくデザインや印刷業界においても、縦中横は一般的かつ標準の手法だと思うのだが…

これだったら「平成二十五年」や「平成二五年」のほうがいい。
素人が作ったポスターなんだろうか?


ポスター下部の「お問い合わせ先」には、美短のホームページアドレスは載っているが、所在地や電話番号、メールアドレスは出ていない。
代わりに、秋田市役所企画財政部「大学設置準備室」の連絡先が掲載されている。
つまり、美短側ではなく、大学設置準備室とやらが作成・発注して張り出したポスターなんだろう。

※美短や美大は「秋田公立」という名称。これは、秋田市とその周辺市町村が共同で設立したことを示す。
美短の前身である美術工芸専門学校(美工専)は秋田市立だったが、市立のまま短大に移行することができず、このような形になったそうだ。(そのため、設立に関わった市町村の住民は、入学金が減免されていたはず)
ただし、開学後の短大の運営は、秋田市が直接かつ単独で行なっている。(教員は秋田市職員の身分で、事務職員も市役所職員がその身分のまま異動して来る)
したがって厳密には「公立・市営短大」ということになる。そんな経緯があって、美大への移行事務も秋田市が単独で行なっているのだろう。(美大移行後は大学法人化される)



例えば、美短のホームページ(「入試ガイド」や「資料請求について」)を見てみると、「本学は平成25年4月の4年制大学移行に向け、設置準備中です。新大学の資料請求等については、秋田市大学設置準備室に問い合わせください。 」とある。
そのページには設置準備室の電話番号やメールアドレスは出ているが、リンクもホームページアドレスも出ていない。(美短の他のページには、準備室サイトへのリンクがある)

大学設置準備室のホームページからは、(民間会社のサービス経由で)資料請求できるようにはなっているのだが、美短の入試案内のページからそこに直接つながらないのだ。

現段階では、短大側は現在の短大としての業務だけに専念し、来年度以降のことは設置準備室側で、と分担しているのかもしれないが、まさに縦割り行政だ。
美大を受験しようとする受験生の大部分はそんな“大人の事情”は知らない。こんな状況では、混乱させるばかりだ。(検索すれば分かるだろうし、高校には案内を送付しているとは思いますが)
受験生があってこその大学なんだから、もうちょっと親切に・融通を利かせてやってほしい。


こんな状況では、美大のポスターの作成も、美短側への相談なしに設立準備室が独断で行ったのかもしれない。
美短には、こうしたデザインが専門の教員も少なからずいるはずであり、そうした方々が関わったのなら、あんなポスターにはならなかったかもしれない。

他にも、短大生のまま4年制大学へ通うことになる(?)現在の美短1年生や、附属高等学院(どうなるんだ?)の生徒へのフォローも、不利益にならないようにしてやるべきだ。
目先の新しい4大のことだけにとらわれるのではなく、この辺りへの備えは万全なのでしょうか?

【8月4日追記】ぽぽろーど両端のポスターはその後撤去された模様。
別に秋田駅の改札口内にも張られていて、8月3日現在まだあった。(中央改札口側の跨線橋に1枚確認)
【9月27日追記】ぽぽろーど西端には、まだ掲示されていた。

※11月になってこんな事態になった

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2 コメント

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お久しぶりです~ (あどれ)
2012-07-01 15:29:16
まとめてば~っと見たんだけど、やっぱりこの記事が一番ひっかかったので(笑

このポスター初めて見ました。
ほんとに力強いねー。
一瞬、誰の作品なんだろう、って気になったけど。勤務してる先生の作品じゃないのかな?

でもさー、美術の大学なのに、秋田市だけの判断でポスターって作るのかな~?何だかよく分からないね。

2と5を縦にしたのも、もしかしてわざと??
真相はいかに・・・

ビタンじゃなくてビダイって呼ぶのかぁ。
違和感ありありなのは、関係者だけかしらね!(笑
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お久しぶりです! (taic02)
2012-07-01 19:42:48
やはりこの記事が引っかかりましたか…
駅のほかでは見てないです。ほかに張ってあるとすれば市役所や各高校とかでしょうから、あまり目に触れないのでしょう。

「25」。小学校の黒板の右側に書く今日の日付だって、横書き(縦中横)でしょ。もうちょっと配慮してほしかったです。

直接影響を受ける人や現場で関わる職員とは別のところで、コトが進んでしまっているような気がしてしまうのです。
ポスター程度ならいいにしても、ごみ有料化、消費税増税、原発…

「美大」は全国にいくつかあるので区別しづらいし個性がないような印象もするし、「美術大学」だと「工芸」がどこへ行っちゃったのか(再編されるわけではありますが)とか、ネーミングも一捻りあってもよかったかもしれません。
美短の学園祭で、大正製薬の協力を得て「リポ美短」とかやった年がありましたが、あれはもうできなくなります。
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