たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

縄文人の対立

2019-10-20 09:52:21 | 縄文への旅

<是川縄文館>

 

縄文の人々がいわゆる「呪い」をかけていた相手とは、

実は「身内」や「同じ部族の人々」だったという話があります。

何でも、お互いの意見や主張が食い違ったとき、

腕力や話し合いで解決することが難しい対象であるがゆえに、

「呪術」という禁じ手を使い、

相手を改心させようとしたとも考えられるのだとか……。

これを縄文晩期の頃に置き換えれば、

遮光器土偶を崇拝対象として崇める人々に対し、

遮光器土偶を崇拝対象として崇めたくない人々もいたことから、

両者の間で激しい呪術合戦に発展したとも想像できるでしょう。

 

ちなみに、遮光器土偶が大量に造られていた時代、

同じ青森県内において、遮光器土偶とはまったく

異なるタイプの土偶が制作されておりました。

女性的な表現が際立つこの是川縄文館所蔵の作品は、

遮光器土偶にも似た顔の造作を持ちながらも、

身体には文様がなく手足もしっかりと装着されております。

あたかも古き良き縄文に回帰したようなその素朴なルックスは、

「遮光器派の人々」とは別の信仰を持つ人々がいたことを、

私たちに教えてくれているような気がしてならないのですね。