桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

恵庭事件の酷さ

2015-11-19 | Weblog
恵庭事件の弁護人である伊東秀子さんが書いた本を読んだ。
犯人にされた彼女が、いかに犯行と無縁であるかは、この本を読めば、誰もが納得するだろう。
先に再審開始と釈放を勝ち取った東住吉事件はガソリン7リットルだが、この恵庭事件は灯油10リットルだ。どちらも燃焼力の科学的な数字は変わらない。
殺された被害者は、身体の一部が炭化するほどに焼かれているが、どう考えたって灯油10リットルで炭化するほどに焼けるはずがない。東住吉事件と同じように、これを理解せずに有罪とする裁判官の馬鹿さ加減には、ほとほと愛想が尽きる。
死体燃焼現場付近で目撃された2台の車に対する捜査放棄。犯人とされた女性の車のダッシュボードから発見されたとする「被害者ロッカーの鍵」問題など、恵庭事件には、多くの冤罪事件と同じ構図が見える。「思い込んだら突っ走るだけ」警察の暴走捜査に検察の証拠隠し。そして裁判所の無能判断だ。
ロッカーの鍵は「警察の捏造」と弁護団は主張するが、裁判では興味深い証人尋問がある。三角関係と目され、故に被告人が被害者を殺したとされたが、その相手とされた会社同僚の男性は「被害者がいなくなった日、会社の上司に言われて女子更衣室に入り、被害者ロッカーを見た。普段も鍵は掛けていない。ロッカー内のドア受け皿にロッカー鍵もあった」と語るのだ。ところが、検察官は「異議」を差し挟み、この証言を認めない上、裁判官まで「その証言を抹消する」として拒んだのだ、
なぜだ!?
「被害者を殺してロッカー鍵を奪い、被害者の携帯をロッカー内にあった制服のポケットに戻し入れた」とする犯行内容が崩壊するからだ。
証人の証言すらも、まともに許さない、聞かないような裁判があるモノだろうか。
恵庭事件は警察と検察、裁判所によるでっち上げ事件だ。早急に再審を開始すべきだ!!

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