行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

第11節 松本山雅FC戦

2024-04-27 14:31:37 | カターレ富山
PK戦までもつれた決戦を制し、格上のJ2・清水エスパルスを撃破したルヴァンカップ2回戦。それから中3日、準備期間としてはみじかいものの。チームにとって一番重要なところである活力・モチベーションというものは、間違いなく充実した状態で迎えることが出来ることでしょう。
やれば、できる。不可能なんて無い。
アウェイの地で、勝ち点1差の松本山雅FCと対戦する今節。
カターレ同様に開幕からしばらくうまくいかない期間があり、躓いていた感のある松本山雅ではありますが。それでも、最近は徐々に持ち直しの傾向を見せ。
元々がJ3離れしたクラブ規模のチームであり、持てるポテンシャルが十二分に発揮された日には、苦戦は免れないと言っていいかと。
それでなくとも、松本山雅にとっては、昨シーズンの富山戦はシーズンダブルで敗戦。さらに一昨年から3連敗中というならば。勝つことで浮上に向けての弾みにせんと、リベンジを期して待ち構えていること請け合い。
上位追撃に向けて、勝利がなによりも必要だというのはお互いさま。
カターレにとっては、これまでまったく勝てていないアウェイ戦という流れを断ち切るためにも、どうしても勝たねばならない一戦。
互いにリーグ戦連勝をかけて臨むことになりますが、それを成し遂げられるのはどちらか一方のみ。
もちろん、それがカターレでなくてはならないことは、言うまでもありません。

やはりJ2復帰を目指すクラブながらも、今シーズンここまでの松本山雅は、どうにも不本意な状況。
シーズン開幕戦が宮崎、続く第2節が琉球と、いきなり遠方アウェイ2連戦を強いられたり。ルヴァンカップ1回戦はJ2山口を相手に勝利したものの、リーグ戦初勝利は第5節・岩手戦まで待たねばならなかったりとか。
なんというか、同じく日程の不利で躓いたカターレとしては、なんとも同情を禁じ得ない。まったく他人事とは思えません。
松本山雅の場合、その序盤戦の躓きの決定的シーンとして、第8節・アウェイ金沢戦が挙げられます。
まさかまさかの、6失点を喫する惨敗。耳を疑ったものでした。
ただ幸いだったと言えるのが、そこから中3日ですぐに第9節につながっていく流れであったはずのところ、リーグで唯一別の日に設定され、後日に回されたこと。
他クラブが連戦であったところ、1週ぶんのインターバルを置いて、第10節の奈良戦は2-2のドロー。
ルヴァンカップ2回戦は前回大会王者・福岡と対戦。PKまでもつれて敗れはしたものの、格上を相手にも奮戦、実質ドローは、得難い良い経験を積めたというところかと。
そして、先送りされていた第9節の試合が行われた4月第3週、讃岐戦に勝利。5試合ぶりの勝ち点3を手にすることに成功しています。
2週連続ホーム戦で、連勝を狙う今節。ホーム開催であることに加え、1週ぶん空いていることで、中3日の富山よりもアドバンテージがあると見てよい、ということならば。
ここでしっかりと勝ちきり、復調傾向を確かなものとしていきたいーーーそういう思いで今節に臨むことでしょう。
昨季から続投の霜田監督の下で、ここまでの出遅れの反省をいかに巻き返しにつなげていくのか?
出遅れを巻き返したいのは、カターレも同じ。ここ数試合の復調傾向を確かなものとしたいのもまた、同じ。
松本山雅と比較して、日程的な不利はあるかもしれませんが、それでも。
ルヴァンカップ2回戦でPK戦までもつれる死闘を演じた、という部分は両チームとも同じながらも。
敗れた松本山雅に対し、勝利したカターレ。そこは、同じではありません。
モチベーションの低下が無いどころか、上がってすらいるであろうカターレにあっては。
日程的不利など、なんのその。シーズンダブルを達成した昨シーズンに続き、対松本山雅戦4連勝を目指すにあたっては。
中3日連戦であるからこそ続く高いモチベーションをもって。連勝を期して挑みかかることでしょう。

以前、連戦にもかかわらず前の試合からスタメン変更なし、ということもあったため、今節のメンバーがどういう編成になるかは定かではないものの。
清水戦に出場のなかった吉平や末木、脇本、大迫らが入れ替わりで出場となる可能性も高いかとは思いますが。そのあたりは、相手の松本山雅との相性、採るべき戦略との兼ね合いもあるかもしれません。
先のルヴァンカップ2回戦では、格上・清水に対しても無失点に抑え込むことに成功した守備。普段のJ3クラブのクオリティでは収まらないレベルの攻撃に晒されたものの、しっかりと対応して得点を許しませんでした。
J3のなかでも抜きんでた規模である松本山雅、攻撃陣でも油断ならぬ選手を揃えてはいますが。
清水戦の経験、そして手応えをリーグ戦にフィードバックし、さらなる成長につなげていくためには。今節は、まさにおあつらえ向きの相手とも言えるかもしれません。
清水相手にも無失点に抑えられた自分たちが、松本山雅であろうがやられるものかよ!と。
一方で。
やはり、課題は攻撃面であろうかと。
清水戦にしても、なかなかうまい具合に攻勢に出られず、チャンスも多くなかったものの。それでも、守備一辺倒でまったく得点のにおいがしなかった、とかではなかったはずで。
これまでも、相手ならファウルをとられているであろうところをとられなかったり、ノーゴール判定が本当に妥当だったのか?というシーンもあったり。10試合で8得点という不本意なスコア、それ以上にやりきれない思いも抱えていたりはしますが。
勝つためには、得点が必須。それは間違いないのであって。
先の鳥取戦では、課題であった複数得点をクリアしてみせた。ならば、今節もまた、果敢に課題クリアに取り組まねばならないところ。
期待したいのは、ショウセイ。
清水戦ではスタメンを外れて途中出場。延長終了間際にはポストに嫌われてゴールならず、という惜しいシーンもありました。
チャンスがありながら、それをモノに出来なかったというもどかしさ。
そして・・・最終的には勝ったから良しではあったものの。
そういうことも十分に想定内、気にせずに切り替えるべき、とは知りつつも・・・PKの失敗は、やはり悔しさがあったのではなかろうかと。
まだ、発展途上。これからの成長次第で、任せておけばゴールを奪ってくれるという信頼に足る選手に、さらには、相手にとってはヤバい選手とわかっていながら決められてしまうような選手になっていくはず。いや、なっていくべきで。
決めるべきところで決められなかったという無念。その苦い経験。
なにくそ!という反骨心でもって、乗り越えてほしいです。
このままチャンスを活かせずじまいの選手で終わってなどなるものか!うまくいかなかった経験は、一皮むけて成長を促す燃料と、糧とせねば。
最初からなにもかもがうまくいく者など、いるものかと。
飛躍のための、予備動作として。バネは、縮んでこそ跳ね上がるもので。
ピッチ上での失敗は、ピッチ上でしか挽回できない。
松本山雅さんには恐縮ながらも、八つ当たりの相手になってもらうよ、と。
なんなら、先の6失点の悪夢再来コースでも可。
これからのカターレ攻撃陣をになっていくべきショウセイにあっては。
勝ち点差1で逆転を狙う松本山雅を引き離す、蹴落とすゴールをもって、カターレを勝利に導く。そんな活躍を願います。

3月の最終試合であった琉球戦で、3失点という苦い敗戦を喫した状態で迎えることとなった4月の試合。
北九州戦では連敗することなく勝利をおさめ。
岐阜戦では終了間際に先制しながら追いつかれるという悔しすぎるドローとなるも。
鳥取戦で、課題克服の2得点、そして無失点で持ち直し。
格上の清水にも敢然と挑み、集中力を切らすことなくプレーを続け、遂には勝利した。
ここまで無敗の4月。ならば、その締めくくりとなる今節・松本山雅戦にも勝利して、負けなしで終えねばならない。それは間違いなくそうしなければ!
開催が保留となっていた試合が消化されたことで、J3の全クラブの足並みがそろったかたちとなりましたが。
そのなかで、未だ無敗を続ける首位・大宮との差は・・・正直言って、大きいです。
まだ先は長く、焦る段階でもないことは、そうなのですが。
先のことばかりを気にして、目の前の試合をおろそかにするわけにはいかない。それもそうなのですが。
それでも。
カターレが、優勝を狙うクラブであること。その意識は、常に持っていなければならないものです。
ならば、差を意識するのも、当然と言えば当然のことであり。
一足飛びに差を詰めることは、できない。
けれど、優勝のためにやるべきことをやり続ける、それを常に意識していかねばならないはずです。
さしあたって、今節の松本山雅戦。
勝てば順位が入れ替わる!というモチベーションで待ち構えている相手に、逆に突き放す勝ち点3を奪わねばならない。したたかに、勝利をもぎ取らねば!

課題克服、次は、ここまで勝てていないアウェイ戦での勝利を!
そして、勝つべき試合を勝つ気概を、シーズン初の連勝へ!
隣県対決、勝ち点1差対決を制し、さらに上へ!

勝たれ!!!富山!!!!!
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格上にも怯まず、途切れぬ集中力で奮戦。PK戦を制し3回戦進出 清水エスパルス戦

2024-04-26 03:07:37 | カターレ富山
0-0(PK6-5)で勝利!
メンバーがリーグ戦の主力級ではないとはいえ、J2首位の清水。やはり、レベルの差というものは感じさせられ、危ないシーンもありましたが。
それでも。守備一辺倒ではなく、随所にカターレらしさが見られるプレーぶりで奮闘。
スコアレスのままに延長戦に突入、その延長戦でも決着がつかず、勝敗はPK戦に委ねられ。
そこで魅せたのが、守護神・田川。
先攻のカターレ側が先にミス、追い詰められるも気迫のセーブで持ち直すと。
自らもキックを成功させ、最後は素晴らしい反応ではじき出し、勝負あり。120分を戦い抜いた先の息詰まるサドンデスは、格上撃破の歓喜に包まれて決着を見たのでした。

約1か月前に行われた山形との1回戦同様に、水曜日のナイトゲームとして開催された、2回戦・清水戦。
カターレ富山としてルヴァンカップ初参加、なにもかもが初めてであった前回とは異なり。2回目ともなれば、ファン・サポーターとしても、気持ちの上でも落ち着いて臨めていたように思います。
平日ながらも、清水サポーターも多く来場。スタンドに掲げられた横断幕にも、Jリーグオリジナル10クラブとしての伝統とプライドのようなものが感じられたり。
再びの格上撃破に向けて、だんだんとテンションも上がっていった・・・のですが。
天気予報で、雨だとは知っていたものの。
開場時間くらいはまだ曇りだったものの、18時を過ぎた頃から、「時間になりましたので予定通りに雨を降らせます」とばかりに、しとしとと雨が降りだして。
さすがに4月も下旬になれば寒さに震えることはないものの、弱いながらも降り続ける雨には、どうにも辟易。
ただ、それでも。
やはり水曜ナイトゲームであった昨年の天皇杯・新潟戦のことを思えば。あのときの雨は、まさに「強」、それに加えて雷で中断までしていたのだから。
「微弱」、あるいは「弱」程度の雨が降るくらいは、どうということはない、と。
むしろこの雨は、ホーム開催であるカターレのほうにとってのアドバンテージであろうと。
元カターレの白崎、昨シーズンは今治でプレーしていたFW千葉 寛汰などのごくわずかな例外を除いては、清水のほとんどの選手にとっては初めての県総。
普段はJリーグベストピッチ賞を何度も受賞しているほど良好なコンディションのIAIスタジアムを本拠地にしている清水。それに比べては、至らぬ点もあろうけれども、その辺はアウェイの洗礼とでも受け取ってください、と。
ここまで今シーズンホーム無敗のカターレ。この試合でも、それを更新せねば!と。

当然と言えば当然かもしれませんが、前の試合から中3日の清水は、リーグ戦を優先してメンバー総とっかえ。若手主体の、ルヴァンカップ用チームとでも言うべきメンバーで臨むことに。予想されていたことながらも、乾 貴士、権田 修一といった主力を担うスター選手の名は無し。
そうは言っても、現在J2の首位につけるクラブ。
出場機会が少ないならば、逆に言えばカップ戦はアピールのチャンスであり。
未知の相手・J3富山ながらも、気の抜けたプレーもしてこないことだろうと。
一方のカターレは、前週末は試合がなく、ホーム開催に加えて、コンディションの面でもアドバンテージが。
もっとも、この2回戦のあとすぐに中3日でアウェイ松本戦が控えていることもあり、それを見越したメンバー編成とせねばならなかったわけですが。
直近のリーグ戦・鳥取戦から8人を入れ替えたスタメン。その中でも目を惹いたのが、怪我かコンディション不良かは定かではないものの、ここまで出場のなかった今瀬の起用でした。
今シーズンこれまでも、下堂や脇本、神山らがそれぞれ持ち味を発揮しつつ守備の引き締めを図ってきましたが。今シーズンで7年目、長くカターレを支えてきた今瀬への信頼というものは、やはり大きいです。堅い守りもさることながら、攻撃への起点となる気の利いたスルーパスなど、難しい試合だからこそ期待したいと。
今瀬と川上がCBコンビを組み、最終ラインを預かることに。
今瀬と同様に、これまで出場のなかったところからの起用と言えば。シャドーに位置に井上を起用。ここまででは陽次やヨシキが担ってきたポジションを、いかにこなしていけるか?と。
先の山形戦に続き、2回戦でもSBの西矢、ボランチの瀬良、そして左サイドハーフの布施谷と、若手が起用され。
西矢のバイタリティあふれるプレーぶり、瀬良のピッチを縦横無尽に駆けまわるスタンスなど、見どころも多かっただけに今回も期待したいと。
ショウセイや松本が控えに回り、1トップにはマテウス。そのあたりは、中3日でのアウェイ松本戦への対応でもあったでしょう。吉平がメンバー外であったのは、ひとえにリーグ戦に集中するためでもあったのかと。
そして、清水との対戦を誰よりも心待ちにしていたであろう、この男。
初の古巣対決となる、河井。左腕にキャプテンマークを巻き、ゲームキャプテンとして特別な一戦に臨むこととなったのでした。
細かい雨が強くなったり弱くなったりを繰り返しながら、降り続けるなかで。試合の火蓋は切って落とされました。

予想していた通りと言えば、その通りなのですが。
伊達にJ2首位にいるわけではない、準J1クラブとも言える清水だけあって。個々人のプレーの質というものが、明らかにJ3レベルのそれよりも上で。
攻勢をかける清水に対し、高い集中力でカターレがしっかりと喰らいついていく、という構図が続くことに。
前半19分にはクロスバーに救われるという危ない場面もあったりしましたが、得点を許さず。
カップ戦のようなノックアウト方式の試合で格下がアップセットを起こそうとするならば、やはりGKが“当たって”いることが条件ーーーいわゆるセオリーというやつですが。
その意味で言えば、この日は田川が当たっていました。
随所で攻め込まれつつも、身体を張ってしっかりと阻止。高い集中力で臨んでいるとう気迫が伝わってきました。
確かに、あぶないシーンもあった。この流れから相手にペースを握られてはマズイ、という動き出しの気配というものが、やはり上位カテゴリのソレで。
ただ、カターレ各選手も、しっかりと対応。
相手への対応としては、満点とは言えないプレーだったとしても。後手に回ることもあっても、フィニッシュまでは阻止、といった具合に。
ミスはあっても、致命傷までは至らず。粘り強く対応しつづけました。

0-0のまま、スコアが動かないままに経過する試合時間。
攻勢に出ていたのは清水の側ではあったけれど、それでも。
カターレが「自陣に釘付けとなってあたふたしながら運よく失点を回避していただけ」のようになっていたかと言えば、さにあらず。
いや、本当に実力がかけ離れていた場合、そうなってしまってもおかしくはないところだけれど。
この富山対清水戦がそうであったかと言えば、そうではなかった、と。
数こそ少ないながらも、瀬良の積極的なミドルシュートをはじめとして、カターレ側にもチャンスはあり。
決して、やられっぱなしではない。その事実が、応援にも力を込めさせました。
リーグ戦を通じてこれまでやってきたことの、成果としてのこの試合。
リーグ戦ここまで8失点だけれど、その半数・4失点がPKがらみのもの。
実質的に4失点と言えば、それはJ3リーグのなかでもトップクラスの堅守であり。
それが、J2清水を相手にも通用しているということ。
チームの芯となる部分がブレていない。各人のプレーぶりが、それを表していました。

このままスコアレスの状態が続くということは、カターレに有利と言えるーーーそう、確信。
雨天で普段は異なる対応をしなければならないことは、お互い様として。
やはり、ホームアドバンテージの部分。
初めてで勝手のわからないスタジアムへの対応という部分で意識を割かねばならない清水は、そりゃ、難しいところもあろうかと。
ホームスタジアムで、自分たちの持ち味をしっかりと発揮するカターレ。これまで培ってきたディフェンスを、この試合でも存分に発揮できたなら。そうそう簡単にはやられはしない!という信頼が。
表には出さないようにしつつも、やはり清水としては「こんなはずでは」という思いもあったのではなかろうかと。
フィジカル・メンタルの両方で消耗戦の様相を呈していくなかで。
準J1クラブにとっては、なじみが薄いかもしれないけれど。
試合終盤にまで走り続けること。走り負けないこと。そんな、泥臭いJ3のスタイル。
瀬良やマテウスらの仕掛けに対して、時間経過とともに対応力が低下していくのが見てとれた清水のプレー。
やられっぱなしじゃない。自分たちのサッカーが出来ていという、手応え。

90分では決着がつかず、延長へ。
その延長後半にもなれば、主導権はカターレ側であったかと。
ただ。
それまでの流れをフイにしてしまうというか。
一流どころの選手にかかれば、ひとつのきっかけですべてを覆すことが出来てしまう。
かつて、やはりJリーグオリジナル10のひとつ・浦和レッズと天皇杯で対戦したときのこと。
疑いようもないほどに格上の浦和に必死に喰らいついていったカターレだったものの。
キャスパー ユンカー(現 名古屋)のワールドクラスな超絶プレーからのゴールに沈められるかたちで・・・それまでの流れなど関係ないかのように、ひとつのスーパープレーに屈してしまったのでした。
そういうことが起きないと、どうして言える?
確かに、目の前の清水には、「J2にいるべきではない」「反則級」という乾は、いない。
けれど、誰であろうが、気の抜けたプレーをしてしまったならば、その隙を突いてゴールにまで繋げられてしまうーーーそんな危機感を、ゆめゆめ忘れるべからず。
大丈夫だ、やれるはず!
なぜならば、去年の天皇杯・新潟戦では、延長戦でビハインドとか、もっと過酷な条件を突きつけられていた状態で必死にプレーしたりしていたのだし。
やるべきことを、やりきるのみ!

そして。
延長前後半含めて120分を経過しても、ついにスコアが動くことはありませんでした。ゲームそのものは、スコアレスドローで引き分けという評価ですが。
ただ、清水としては勝たねばならないところを勝ちきれなかった試合。
カターレにとっては、集中力を切らすことなく対峙し、最後まで無失点で抑えきった試合。
90分、120分で勝つことが出来ていたら最上であったところ、無得点におわったのは、やはり不本意ではあります。
ただ。
PK戦によって、決着はつけねばなりません。
いかに運の要素も絡むとはいえ。
ここまで来たんだ、勝つ以外になかろうよ。

県総の大型ビジョン側、つまりカターレのホームスタンド側のゴールでPK戦が行われることに決まるやいなや。
カターレファン・サポーターが、一斉に席を立ち、サポーターエリアからゴール真裏へと移動。
普段であれば、「席の移動や通路での観戦はご遠慮ください」とか言われるところでしょうが。あいにく、普段じゃない。
そうしてスタンドのゴール真裏の位置まで移動して、思ったのがーーー「ゴールまで、近いな」ということ。
普段のリーグ戦では見ることのない、勝敗を決するために行われるPK戦。
キッカーとGKとの位置関係が、普段サポーターエリアだとか中継で見るような距離感よりも、明らかに近く感じる。
いや待て、サッカー専用スタジアムではない、トラックを挟んだ陸上競技場。ただでさえ日本屈指では?というほどスタンドとの距離がある県総にあって、このルヴァンカップではゴールわきのスポンサーボードも無いため、余計に遠く感じていたくらいであったというのに。
PK戦とは、かくも至近距離での攻防なのかと。
遠近感をも歪めてしまうか?という緊張感のなかで。
先攻カターレ、後攻清水。勝負のPK戦が始まりました。

もしも吉平がメンバー入りしていたら、「PK絶対決めるマン」みたいな彼のこと、1番手として登場していたのではなかろうかと。
失敗の許されない大事な1番手、それを担ったのは松本でした。
さすがの勝負度胸、しっかりと決める。
ただ。
2人目の椎名が、まさかの失敗。
これだ、こんなことがあるから、PKってやつは・・・。
不利になったことは確か。けれど、あきらめるわけにはいかないし、そんなつもりは毛頭ない!
田川の阻止に、賭ける!
すると。
清水4人目を、見事にブロック!大歓声のカターレサポーター!
よしよしよし!いけるいけるいける!
5人目は双方ともに成功し、6人目となったのは、途中出場のショウセイ。
ただ・・・一抹の、不安がありました。
吉平や松本に比べては、経験の浅いショウセイ。いや、ルーキーに何を言ってる、って話でもあるのですが。
そのショウセイ、先のリーグ戦でも決めたと思ったゴールがノーゴール、決めたと思ったらオフサイドなど、どうにも理不尽な目にあってきていましたが。
実力だけではない、運さえも絡むPKにあって。
言ってはなんですが、ストライカーとして大成するにはもう一皮むけねばならない、その途上のショウセイ。
迷いは失敗を生むぞーーーそんな懸念。
それが、的中してしまいました。
コースを読まれ、阻止されてしまい。
清水6人目、これが決まれば敗戦決定。
・・・だったけれど、失敗。命拾いすることに。
7人目が双方成功し、8人目へ。
8人目って誰だ?メンバー表が出ているわけではないので、選手がポイントに就くまで誰かわからない・・・って、え?
8人目は、GKの田川でした。
普段はゴールを守る側で、入れる側ではない。もちろん練習はするにしても、やはり専門職のそれには及ばないのでは?
いや、ことこの状況に及んでは、そんな懸念など有って無きもの。誰が蹴るかではなく、決まるかどうか。それだけ。
すると。
初めから蹴るコースを決めていたというキックで、見事に成功。自分自身をアシストする成功として、勝利への道をつなげることに。
清水8人目、GK・沖 悠哉。
GKがGKに決められた心境は、そして自身が決めねばならない、決めねば即終了といった心境は、いかばかりか?
仮に迷いや焦りがあったとて。状況は、待ってくれません。
意を決した沖の、小細工無しの強烈なキックーーー

弾いた!

おそらく、田川にとっては、頭で考えたプレーや予測していたプレーではないでしょう。
それでも、阻止した。
言わば、GKとしての本能とでも言うべきもの。
それが、この極限の状況で彼の身体を突き動かし、最善手として顕現せしめたのでした。
渾身のガッツポーズ、なだれ込むチームメイトたち、そして割れんばかりの歓声。
劇的なクライマックスでもって、再びの番狂わせ。
PK戦を制したカターレが、2回戦を突破。前年J1覇者の神戸と対戦する3回戦へとコマを進めたのでした。

他会場では、琉球がガンバ大阪を撃破。沖縄の地で初のJ1クラブとの対戦を制しました。
また、長野が2点のビハインドをひっくり返し、京都に逆転勝ち。
J3クラブがJ1クラブを破る大番狂わせ、ジャイアントキリングを成し遂げました。
その華々しさに比べると、どうにも格落ち感のあるレポートにしかならなかった、カターレ富山の清水エスパルス撃破。
0-0のスコアレスで、運の要素も小さくないPK決着、さらには清水はあくまでJ1級であってJ1クラブではない、と・・・。地味さは否めない、とでも言うのかと。
しかし、それでも。
真実は、ひとつ。
カターレ富山が勝利し、2回戦を突破したこと。それは、間違いありません。
清水が格落ちメンバーだったから?乾をはじめとしたガチメンバーならこうはならなかった?
そんなの知るかと。
それを言ったら、カターレだってターンオーバー編成だったわけで。
広島みたいに6点を獲って奈良に圧勝、なんて試合もあったなかで。
得点こそならなかったものの、格落ち云々言われたところで、無失点に抑えきったことに間違いはないのだから。
カターレ富山の勝利に、なんのケチをつける必要があろうか。
勝利して3回戦進出を決定させた、それ以外になにがあろうかと。
次が、ある。
それが、なによりの成果であって。

来たる5月22日に、ホーム県総で神戸を迎え撃つ3回戦。
やるだけです。やりきるだけです。
もちろん、勝利を目指して。
出来るわけがない?勝てるわけがない?
そのセリフ、清水戦の前、山形戦の前にも言わなかったか?
覆してきた、だから今がある。
不可能など、あるものか。
ジャイアントキリングの、その先へ。

戦いは、続きます。
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ルヴァンカップ 2回戦 清水エスパルス戦

2024-04-23 06:03:48 | カターレ富山
カターレ富山にとってクラブ史上初めてヴァンカップに参戦し、格上のJ2山形を撃破した1回戦。その勝利を経て臨む2回戦では、現在J2首位の清水エスパルスを迎え撃つことに。再び上位カテゴリから金星を奪取し、3回戦進出を成し遂げるべく挑みます。

1回戦では13カードあったJ3クラブとJ2クラブとのカテゴリ違いの対戦。山形に勝利したカターレを含め、J3勢が8勝5敗と勝ち越す結果となりました。
下位カテゴリであるJ3クラブのホーム開催、リーグ戦との連戦の兼ね合いを意識した選手起用などの条件から、単純にJ2とJ3で差が無い!と判断するのも早計でしょうけれど。
それでも。上位カテゴリ撃破へのモチベーションを力に変えてのJ3勢の奮戦ぶりがもたらした結果。下剋上を成し遂げた各クラブの頑張りは、称賛に値するものでしょう。
そんな傾向を踏まえての、J1クラブも参戦することとなる2回戦。
いかにJ3とはいえ、油断していてはやられるーーーそんな危機感もあったのではないかと。
17日に先だって行われた2回戦各カードでは、J1勢に挑んだJ3の8クラブが、全て敗退。1クラブも突破できませんでした。
前回大会覇者・福岡にPK戦の末に敗れた松本、元カターレの柴田が先制ゴールを挙げた八戸が、名門・鹿島を追い詰めつつも延長戦の末に敗れるなど。
善戦はしたものの、いずれも勝利には届かず。カテゴリを隔てる壁の厚さに跳ね返されてしまった格好です。
そして迎える、2回戦残りのカード。J3からは5クラブが参戦することとなりますが。
正直なところ、分の悪い戦いではあります。
1回戦ではJ3勢が勝ち越した、とは言うものの。新シーズン開幕から間もない時期に、アウェイでほぼ初見の相手との対戦でJ2勢が振るわなかったとしても、同情の余地は大いにあったかと。
翻って、この2回戦。
J1では9試合、J2では11試合、J3では10試合と、それぞれリーグ戦をこなしてきている状態での試合。各クラブのチームとしての仕上がり具合というものは、1回戦時のそれよりも向上していて当然であり。それはつまり、カテゴリ差がより大きく影響することにもつながるであろうと。さらには、1回戦の結果を踏まえたならば、上位カテゴリクラブに油断も慢心もありはしない。前週のJ3勢8クラブ全滅も、無理からぬ部分もあったかと。
2回戦残りカードに挑むJ3勢5クラブ。ここで全滅してしまうのか、はたまた下剋上を成し遂げるのか。
もちろん、2回戦突破を期すカターレ。臆することなく挑み、歴史に刻む勝利でもって、リーグを驚かせねば。

普段のリーグ戦では実現しない、カテゴリ違いのクラブ同士の対戦。それこそがカップ戦の醍醐味ですが。
リーグ戦での対戦は無いにせよ、Jリーグオリジナル10では、これまで天皇杯で鹿島や浦和とは対戦しているなかで。
J参戦15年目となるカターレ富山にあって、オリジナル10がひとつ・清水エスパルスとの公式戦での対戦は、今回が初となります。
昨シーズンの成績によって振り分けられた今回ルヴァンカップの対戦カード。カターレの属するグループ1は、それぞれのリーグの上位クラブが名を連ねていますが。
勝ち点で同数ながら、得失点差で昇格ならずとなったカターレに対し。清水もまた、上位につけながらも自動昇格を逃し、昇格プレーオフの末にPK戦で涙を飲んでいるという。本来であればひとつ上のカテゴリで居たかった2024シーズン、という思いは、どちらのクラブにとっても同じかもしれません。
そんな昨シーズンの無念を胸に挑んでいる、今シーズンここまでのなかで。
8勝1分け2敗という好成績で、堂々のJ2首位に立っている清水。もともと準J1とも言える戦力を有しているクラブが、その力を存分に発揮しつつ、J1復帰への道をひた走っている、ということのようで。
同じような立場のカターレが、ここまでどうにも足踏み状態、といったなかでは・・・正直なところ、ジェラシーめいた気持ちも、なきにしもあらず。
リーグ戦では目下3連勝中という清水にとっては、週末にはアウェイで岡山との上位決戦を控えていることもあり。ターンオーバー編成で富山に乗り込んでくることでしょうが、いかに控え主体メンバーとはいえ、ここでミソのつくような敗戦などは、あってはならないことでしょう。
主力を温存しつつサクッと無難にルヴァンカップ2回戦を消化し、勢いを継続しながらさらなるリーグ戦連勝につなげていきたいところかと。
路傍の石に、躓いている暇は無い、と。
カターレとしては。
それが蹴れば吹き飛ぶ石ころなのか、あるいは小指をぶつけて悶絶する岩なのか。
もちろん、狙うは返り討ち。
カターレだって、週末には勝たねばならない松本戦が控えている。ここでむざむざと敗れて次戦にもひきずるなど、あってはならないのだから。

公式戦では初対戦ながらも、クラブとしては、なにかと縁のあるカターレと清水。
左伴社長が、かつて5年に渡って清水で社長を務めていたこともあり、今回の対戦が「左伴ダービー」などと呼ばれたりもしているように。
近年では、西部 洋平、鎌田 翔雅といった長く清水でプレーした選手の移籍先として富山を知った、という清水サポーターも少なくないのではなかろうかと。
W杯出場経験のあるMF乾 貴士、GK権田 修一といった、日本のサッカーファンなら誰もが知るようなビッグネームも在籍するなかで。
カターレファン・サポーターにとっては、清水と言えばやはり、白崎 凌兵の名が挙がることでしょう。
2013年、2014年に期限付き移籍で在籍。当時は20歳そこそこの若手でしたが、チームの攻撃陣を引っ張る中心的な存在としてプレーしていました。
天皇杯・山形戦での2ゴール、アウェイガンバ大阪戦で挙げたゴールなど、印象に残るプレーぶりで沸かせる存在でした。
チームの平均年齢が高めであった当時のカターレにあって、「上位カテゴリから出場機会を求めて移籍してきた若手ホープを起用するとは、こういうことか!」という概念を教えてくれた、というか。
まだJリーグ経験の浅かったカターレ富山というクラブに、大きなインパクトを残してくれた選手。もう10年にもなりますが、古参のファン・サポーターにとっては、忘れ得ぬ選手です。
そんな白崎が、時を経てまた県総に帰ってくるともなれば。やはり、見逃す手はありますまいよ。

古巣対戦ということで言えば。
今シーズンカターレに加入した河井 陽介。先日J通算300試合出場を達成した彼ですが、そのキャリアの大半を清水でプレー。今回の対戦で来場する清水ファン・サポーターにとっても、再会を楽しみにしていることでしょう。
今シーズンここまでのプレーぶりを見ていても、やはりその清水時代に培ってきた経験に基づく判断力・テクニックは伊達ではないな、というところが見てとれます。
昨シーズン在籍していた岡山では、清水戦での出場は無かったとのことで。自身初となる清水との対戦に、大いに意欲を燃やしているようです。
また、高卒と大卒という違いこそあれ、白崎とは清水への加入同期であり、長くともにプレーしてきた間柄でもあります。
白崎が鹿島や鳥栖に移籍、河井が岡山に移籍していたとき、対戦相手となるケースはこれまでにもあったでしょうが。
それが、お互いにとって縁のある富山対清水という対戦にあっては。やはり他とは違う、思い入れもひとしおという対戦となるのではなかろうかと。
もちろん、良い思い出で終わらせるつもりはないでしょう。
チーム最年長、プロサッカー選手としてのキャリアも終盤に差し掛かっているであろう河井ですが。
全盛期のチカラは無くとも、それでも。必要とされ、プレーし続けているということ。それは、チームが変わったとはいえ・・・いや、変わったからこそ。
カターレ富山の一員として、勝利を譲るつもりなど無い!
その意思をプレーで表し、下剋上でもって健在ぶりをみせつけてほしい。そう願います。

超J2級の戦力、準J1とも言える清水。
1回戦で山形を撃破したカターレですが・・・開幕直後のチーム状態が仕上がっていないであろう山形を下したからとて、「なら同じJ2の清水だってやれる!」とは、なかなか言えないかと。
主力を温存して控え中心のメンバーではありましょうが、リーグ戦とは違って9人までベンチ入りできるレギュレーション。
善戦して追い詰めることまではあったとしても。いざというときには主力を投入して蹴散らされてしまう、ということも十分にあり得るところです。
いかに連戦のなかでのホームアドバンテージがあるとはいえ、それだけで勝てるほど、J2首位のチカラは軽いものではありますまい。
それでも。
良い経験になったね、で終わらせるつもりなど、さらさらない。
清水がそうであったように。カターレもまた、本来なら上のカテゴリにいなければならなかったクラブ。なんなら、2024シーズンはJ2クラブとして清水とリーグ戦で対戦していなければならなかったはず。
それを思うとき。
J3優勝を、J2復帰を必達目標に掲げるならば。
いかに準J1クラブ清水と言えども。後れを取っている場合ではありません。
決して引けをとらない、敢然と立ち向うんだ!という姿勢を。
そして、揺るがぬ勝利への意思を。
ホーム・県総で、応援するカターレファン・サポーターに示さねばなりません。

昨シーズンの天皇杯・京都戦と新潟戦。そして、先のルヴァンカップ山形戦。
上位カテゴリ相手にも一歩も退かないカターレを見せた試合でした。
もちろん、この清水戦も!
必勝の気概を、力に変えろ!
再びの下剋上で、J3他クラブが成し遂げられていない2回戦の壁を、打ち破れ!!

勝たれ!!!富山!!!!!
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課題に向き合い、掴み取った勝利。複数得点で勝ちきる ガイナーレ鳥取戦

2024-04-16 03:49:42 | カターレ富山
2-0で勝利!
前節の負けにも等しい痛恨のドロー決着を踏まえ、なんとしても勝たねば!と臨んだ3連戦の3戦目。
7戦連続負けなし、3戦連続無失点、2連勝中で勝ち点2差という鳥取を相手に、敢然と挑みかかり。
課題であったセットプレーからの得点で、CKからのこぼれ球を吉平が技ありシュートでゴール。鳥取の連続無失点を崩す先制点を挙げると。
後半にギアを上げてきた相手の攻勢にも、粘り強くしっかり対応して得点を許さず。
開幕以来の懸案であったところの複数得点。それを、安光のホーム戦2試合連続ゴールでクリア。勝利を大きく手繰り寄せ。
守っても、今シーズン5試合目となる無失点を達成。
セットプレーからの得点、複数得点、勝負どころの試合で勝ちきる、といった課題をしっかりと克服。マイナスであった得失点差をイーブンに戻し、ホーム戦3連勝にして今シーズン3勝目を達成したのでした。

あまりにあんまりな結末を迎えてしまった岐阜戦より、中3日。リバウンドメンタリティが試されると言うには、これほどの条件もそうそう無いところではありましたが。
連戦を考慮し、前節より4人を変更するスタメン編成としたカターレ。
一方、前節のアウェイ長野戦から2戦連続のアウェイ戦となった鳥取は、スタメン変更なし。連戦の影響はもちろんあるにせよ、それでも直近3戦連続無失点、2連勝中という勢いを重視し、あえて変更することなく好調な選手たちに託した、ということだったのでしょう。
1週前の前回ホーム戦・北九州戦に続き、好天に恵まれたホームスタジアム・県総。風の影響もほとんどなく、晴れ渡って雨の心配が全くない。
むしろ懸念材料は、この時期らしからぬ暑さにあったかと。
4月半ばだというのに気温24℃は、身体が慣れていない状態ではキツいものが。それが、いかに鍛えているとはいえ、フィールドを駆けまわる選手たちに影響しないわけがない。
先月の金沢戦なんて、気温3.8℃という寒さに震えながらの応援だったことを思えば。1カ月も経たないうちになんて差だ!てなもので。
試合が始まってみれば、やはり、と。
双方ともに、「コンディションが好調ならば、もっとキレのある動きなんだろうな」というふうに見えました。
90分全てを全選手が全力全開でプレーできれば、それが理想なのでしょうが。もちろん、そんなことはあろうはずもなく。
手を抜いたプレー、と言うと語弊があるかもですが。限りある体力をしっかりとマネジメントしつつ、メリハリをつけたプレーをせねばならないところ。ペース配分を考えずにやみくもにプレーした結果、試合の勘所で体力切れで動けず、なんてことになっては本末転倒というもの。
3連戦の3戦目。ただでさえも疲労が蓄積するであろうところ、本拠地である鳥取に戻らず中3日でアウェイ連戦という鳥取の側に、不利はあったことでしょう。
ただ、それを言うならば。
先月、八戸やら沖縄やら、ただでさえアウェイが多かったなかで遠距離の移動を強いられたカターレだって、日程に文句のひとつも言いたくなっていたもので。
そのあたりの不利は、あきらめてくれと。むしろ、カターレの側からすれば、その不利に付け込むくらいのしたたかさを見せねば!というくらいで。

プレビューにて、今回の鳥取戦は昨シーズンの前回対戦と似たような部分が多い、というようなことを書きましたが。
前回対戦では、前半8分という早い時間帯にまさかのオウンゴールで失点、ちょっと待て!というアクシデントがありましたが。
今回は開始からわずか7分ほどで、大山が接触プレーで転んだ際に右ひじを痛め、負傷退場を余儀なくされるというアクシデントに見舞われてしまいました。
おいおいおい、そんなところまで再現にもっていこうとするな!
しかしながら。
突然の緊急事態でしばらく10人でのプレーを強いられたものの、取り乱すことのなかったカターレ。
11分、この日初めてのCKのチャンスを得ると。
右コーナーからヨシキが蹴り込んだボールに脇本がヘッドで合わせるも、ブロックされ。
ただ、ゴール左に流れたボールを吉平が奪取すると、そのまま振り向きざまにシュート!難しい体勢からのシュートでしたが、それが見事に決まり、先制に成功しました。
ベストメンバーで4戦連続無失点を目指していた鳥取の野望を砕く、キャプテン翼の今季3点目!
前節の負けに等しい引き分けの悔しさを晴らすためには、反省を活かすためにはーーー相手に得点を許さないのはもちろんとして、いかにチャンスをものにして得点しきるかが問われていたところ。
それを、今季ここまでの課題でもあったセットプレーからの得点として獲ることができた。大きな意味のある先制ゴールとなりました。
先制点を許した鳥取でしたが、なかなか反転攻勢とはいかず。見ていても、やはり動きのキレがいまひとつという様子が。連戦の上に、思わぬ暑さも相まっては、厳しいコンディションだったことでしょう。
ただ、ホームとはいえカターレのほうも、やはり万全とまでは言えず。それでも我慢するところは我慢する、耐えるところは耐えるといったプレーで、相手の攻撃を封じ続け。ジリジリとした展開のなかで、1-0で試合を折り返すことに。

迎えた後半、開始のタイミングで選手2人を変更し、気を引き締め直してきた鳥取。
アウェイ連戦という日程の不利があるとはいえ、それでも。8戦連続負けなし、3連勝を目指す鳥取にとってみても、今節が大事な試合であったことは言うまでもなく。
ギアを上げて攻勢をかける鳥取に対し、守勢に回りながらも耐え凌ぐカターレという構図が続き。そんななかでも、集中力を切らすことなく粘り強くプレーを続けました。
そんな緊迫感のある試合でしたが・・・あまり言いたくないですが、それに水を差していた感のある、審判のジャッジ。
そりゃ、優遇よりも不遇のほうが印象に残りやすいとはいえ。なんで、ホームスタジアムでアウェイの洗礼かのような、不遇としか思えないようなジャッジを受けるのか。
その倒され方はファウルだろ!という場面を流されたりとか。明らかなファウルを見逃されて、吉平がブチキレという場面があったり。なんでイエロー相当だろうにカードが出ないんだよ!とか。オイ、ペナルティーエリア内で倒されたじゃねーか!前節にPKをとられたのと、どこが違うって言うんだよ!
もちろん、審判のジャッジに不平不満を言ってもどうなるものでもないし、戦う相手を間違えてはなりません。
ただ、それでも。どうにもこうにも、行き場のないフラストレーションがたまったというか。

そんななか迎えた、69分でした。
鳥取の選手がピッチ上に倒れ込んでいましたが、プレー続行。必要と判断したなら主審が試合を止めねばならなかった場面だったでしょうが、見ていたのか見ていなかったのか。フェアプレー精神は、もちろん大事。ただ、審判の判断を差し置いてのセルフジャッジが、正しいとは限らない。止められなければ続行が基本である以上、プレーを続けたカターレに文句を言われる筋合いもない。
その流れのなかで、中央でボールをおさめた松岡が右サイドへボールを出すと。負傷退場の大山に代わっての出場だった大迫が、左足でクロス。
逆サイドを走り込んできた安光がヘッドで合わせ、ゴール!
前回ホームゲーム・北九州戦でJ初得点を記録した安光ですが、早くも2点目。そして、チームにとって今シーズン初の複数得点となるゴール。必勝を期して臨んだ今節、勝利を大きく手繰り寄せることとなりました。
鳥取側としては、おもしろくないどころではない失点だったでしょうが。
戦う相手は、あくまで対戦チームであって。
ジャッジに不満があったのは、お互いさま。そのなかでしっかりと集中したプレーで得点にまで至ったカターレを、否定などさせるものかと。

奇しくも前節と同じ4分と設定されたアディショナルタイムも、相手の攻撃をしのぎ切り。しっかりと無失点に抑え込みました。
そして、試合終了。
8戦連続負けなしと3連勝を目論んで乗り込んできた鳥取を返り討ちとし、3戦連続負けなし、ホーム戦3連勝を達成したカターレ。鳥取と2差だった勝ち点を逆転し、順位でも上回ることに。
前節のショッキングな結果を引きずることなく、勝ちきったこと。
そして、セットプレーからの得点、複数得点といった課題をクリアし、今季5試合目の無失点を達成したこと。
チームの力を結集して課題を乗り越えた、その意義は大きいです。

4月の3連戦を2勝1分けの負けなしとしたカターレ。
次節までは1週ぶんの空きがあり、次の試合は24日水曜日のルヴァンカップ2回戦・清水戦となります。
成果と反省の両方をしっかりと吟味しつつ、次戦への糧とせねばならない。そんな貴重なインターバルとも言えます。
やれば、できる。
この手ごたえを、次戦の勝利へとつなげていくべく。
チーム一丸、精進を続けていかねば。
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第10節 ガイナーレ鳥取戦

2024-04-14 04:52:40 | カターレ富山
試合終了間際、まさかのPK献上によって連勝を逃すドロー決着。痛いどころではない結果となってしまった前節・岐阜戦。
上位撃破寸前で勝ち点3を逃し、差をほとんど詰められず。あまりにあんまりな結果を突きつけられることとなってしまいましたが。それでも、悔いている暇はありません。
その前節より中3日。カターレとは勝ち点差2で暫定7位につけるガイナーレ鳥取をホームで迎え撃ちます。
勝てば順位が入れ替わる、いわゆる6ポイントマッチ。それでなくとも、地元のファン・サポーターの期待に応えねばならないホーム戦であるならば。勝たねばならない理由しかありません。

今シーズン、自身のキャリアで初めてJクラブトップチームの監督を務めることとなった林 健太郎監督の下、ここまで上々の滑り出しを見せている鳥取。
昨シーズンからは約半数のメンバーが入れ替わったものの、残留となったメンバーと新規メンバーが上手い具合に噛み合っているようで。
7試合連続無敗(3勝4分け)中で、しかも直近3試合は連続無失点。2-0で勝利した前節・長野戦から中3日の連続アウェイとはなるものの。目下2連勝中の勢いから今節の富山戦を制して3連勝、そして4試合連続無失点を達成せんと、そのスケジュールすらもポジティブに捉えて乗り込んでくるのではなかろうかと。
そんな勢いを、まずはシャットアウトし。むしろ、ここまで無敗・2連勝中のホームゲームを制し、3連勝・なんなら3試合連続無失点とせねばならないカターレ。
前節の負けに等しい引き分けとて、決してネガティブなばかりではなかったはず。
ショックは当然のようにあったにせよ。それと、今節勝たねばならないこととは、また別の話であって。
好調の相手に勝てなければ、どんな結果につながってしまうのか?ーーーそれを、思い知らされているからには。
今度こそ、勝って相手の勢いを止めてしまわねば。自分たちの勢いに変えていかねば。

鳥取との前回対戦は、昨年10月に第32節としてアウェイで対戦したとき以来となります。
ホームとアウェイ、開催時期も違えば編成メンバーも違うし、単純に比較できるものではないかもしれませんが・・・それでも、なにか似通ったシチュエーションでの試合だ、と捉えるのは、意識しすぎなのでしょうか?
前回対戦も、前の試合で試合終了間際にアディショナルタイム被弾。そのショックを引きずることなく挑まねば!という試合でした。そのときは、ホーム沼津戦で苦手克服ならずのシーズンダブルをくらった厳しすぎる敗戦。それに比べたなら、勝ち点1ながらも積み上げた前節・岐阜戦は、マシという言い方も無くはないですが。
前回は、相手の鳥取が6戦連続負けなしと好調ななかでの対戦だった。これは、今回が7戦連続、しかも3戦連続無失点で2連勝中となれば、今回のほうが厳しいとも言えます。
前回も、勝ち点差が2の勝敗次第で順位が入れ替わる直接対決だった。そのときはカターレのほうが上位で、逆転を許さず突き放す結果となりましたが。今回は逆に、2差をカターレが追う立場。同じにしてはならず、逆転とせねばなりません。
多くの選手が入れ替わった鳥取にあっても、前回対戦を覚えている選手もやはりいるはずで。もちろん、カターレの側にも言えること。
再び連続負けなし継続を狙う相手を阻止し、鳥取のリベンジを許さず、前回同様の結果にーーーカターレの勝利とせねば。

今シーズンここまで8失点のうち、実に半数・4失点がPKがらみのもの。これがもしも、前々節・北九州戦で安光が決めたようなゴラッソによるもの、決めた相手を褒めるしかないようなゴールであったならば、あるいは、まだあきらめがついたかもしれません。いかにキッカーが絶対的に有利なPKというシチュエーションにあっても、それでも絶対ではない、阻止できた可能性もゼロではないということが、逆に無念さを増幅させてしまっている部分もあるような気がしています。
ただ、それも見方を変えたならば。
決められても仕方ないような致命的なミスを犯しての失点というものは、昨シーズンと比べても劇的に減少している、ということ。それは、間違いない。
だったら。
たしかに、前節はPKが致命的な結果を招いてしまったけれど。逆に言えば、苦戦を強いられながらもPKでしか失点しなかったということ。反省すべきところは反省せねばならないものの、なにもかもがダメであるわけでは決してないこと。それをはき違えてはなりません。

むしろ、失点よりもフォーカスせねばならないのは、得点がままならなかったばかりにドローに終わってしまった、という部分で。
開幕からチャンスはありつつもノーゴールであった松本に、待望のリーグ戦カターレ初ゴールが生まれたこと。ひとつ肩の荷が下りたこと。これは、ポジティブに捉えるべきことかと。
2022シーズン讃岐在籍時に続き、対岐阜戦でゴールを挙げてみせた松本。なんなら、当時は鳥取戦でもゴールを決めているという。
ひとつのプレー、ひとつの結果がその後に及ぼす影響を知るからには。
なかなか出なかったものが、ひとつのきっかけで勢いよく出るようになるーーーいわゆる、ケチャドバ理論。それを、実践すべきとき。
また、その気持ちが理解できるのが、松岡ではなかろうかと。
昨シーズン、なかなかゴールが遠かったなかで、シーズン初ゴールを決めたのが鳥取との前回対戦でした。シーズンも32試合目、だいぶ終盤に入ってようやくというところでしたが、その後の6試合にもう2得点を重ねたことからも。
松岡もまた、今節をきっかけとせねばならないところ。鳥取側に「またアイツにやられてしまった」というような、鳥取キラーっぷりを見せつけねば。
前節同様に、ということならば。
松本とともに途中出場し、試合の流れを変えるきっかけを作った伊藤にも期待したいところです。
鳥取との前回対戦では、伊藤が積極的なシュートを放ち、その跳ね返りを末木がゴール、同点に追いつくというシーンも。
そこで得た手応えを糧に、昨シーズンの終盤戦はレギュラーに定着、チームを支える力となりました。
2年目となる今シーズンも、前節のプレーぶりを見ても明らかなように、やはり魅力あるプレーが出来る選手です。
得点への期待、アシストへの期待。総じて、チームを勝たせる期待。
それに、是非とも応えてほしいです。
攻撃陣の奮起が相乗効果を生み、勝利への大きなうねりとなるーーーそんな展開を、願ってやみません。

似たような状況での対戦となった前回対戦。それについては前述の通りですが。
もうひとつ言えば。
前回対戦では、連続負けなし継続中の鳥取に対して、まさかのオウンゴールで前半早々にリードを許してしまうという、あってはならない展開さえありました。
しかし、そこで屈しなかった。前半のうちに追いつくと。後半の松岡のゴールが決勝点となり、逆転勝利。
それは、前の試合でのアディショナルタイム敗戦ショックを引きずっていては、とうてい得られなかった勝利でした。
ならばこそ。
今節もまた、魅せてほしい。
前節の痛恨ドローのショックを振り払うような快勝をもって、鳥取と順位逆転、上位追撃に向けての勢いがつくような、そんな試合を!

勝つことの重要性を、思い知ったからには。
為すべきことを、成し遂げるのみ!
勝つべき試合を、勝ちきるのみ!
ホームの期待に応える快勝を!

勝ち点3を、奪取せよ!

勝たれ!!!富山!!!!!
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